コピー機のカウンター料金をおさらい。
そもそものカウンターとは?や仕組み・料金相場も
コピー機・複合機をリースして使用する場合、本体リース料だけでなくカウンター料金も支払うことになります。
しかし、その仕組みについてあまり詳しく知らない人も少なくありません。
この記事では、カウンター料金について、その概要や仕組み・相場についてお伝えします。
また、実際に経理で仕訳する際の勘定科目に触れつつ解説していきます。
カウンター料金は、どのような仕組みで成り立っているのか
そもそも、カウンター料金というコストは、何に対して発生しているものなのでしょうか。
以下に、概要や仕組みの利点などについてご紹介します。
カウントしているものは印刷枚数
コピー機・複合機のリース契約後、定期的にサービスマンがやって来るのは、コピー機のカウンターをチェックするためです。
リース機には総使用枚数をカウントできる機能が備わっており、リース会社はその数字から契約者に請求すべき金額を算出します。
自分でコピー機を購入した場合、インク・トナーなどは自分持ちです。
しかし、リース契約の場合、トナー代だけでなく修理費用も支払の対象外となります。
これは、リース契約がやや特殊な契約であることに理由があります。
リース契約は、5~7年という長い期間の契約です。
その間、解約は一部例外を除いて認められません。
必然的に、リース会社も審査は慎重になりますし、あまりに価格帯が高ければユーザーは離れてしまいます。
しかし、その機種を「使った分だけ」金額を請求できる仕組みがあれば、しかも使った分だけ安くなれば、損をしているという感覚にはなりません。
トナー代や修理費用をカバーできるだけのカウンター料金設定ができれば、結果的に利益につながるという理由から、多くの会社でカウンター料金という仕組みを設けているのです。
修理代・トナー代の支払いが都度払いにならない
カウンター料金は、毎月かかるという意味では固定費ですが、その金額はコピー機の使用量に左右されます。
具体的には、印刷枚数が費用を決めるため、一つひとつのトナー代・修理代を気にする必要はありません。
トナーが切れたタイミング・不具合が生じたタイミングで、サービスマンが駆けつけてくれます。
特に嬉しいのは修理に都度お金がかからない点で、経営者は突発的な支出の想定がほとんど不要です。
一度コピー機が動かなくなると、業種によってはその日の仕事が全く進まないケースも考えられます。
その点、予算や時間的な都合を気にせず修理を依頼できるのは、大きな利点と言えるでしょう。
多く使う分には得をするが、使用頻度が少ないとムダなコストになる
後述しますが、カウンター料金は最大印刷枚数が多い機種ほど安くなります。
これは、リース契約における不平等を緩和するための価格設定で、たくさん刷る会社がたくさんの出費を要求されるような事態を避けるためです。
よって、良い機種をリースするなら、それ相応の数を印刷する分には得をしますが、逆に印刷枚数が少ないとカウンター料金は高くなります。
また、リース料金自体は毎月差し引かれるため、オーバースペックな機種で契約を結んでしまうと、結局長年にわたり無駄なコストを積み上げてしまうリスクもあります。
このような状況を防ぐためには、面倒でもコストを細かく計算することです。
普段どのくらいの使用頻度なのかは、コピー機のディスプレイから初期設定画面を経由して、「カウンター/総使用枚数表示/機器情報」などの項目をチェックすると確認できます。
面倒であれば、コピーボタンを長押しで見られる機種もあります。
現状を把握してから、自社の規模にあった機種を選びましょう。
カウンター料金の相場を知るには
カウンター料金の概要が分かったところで、続いては料金相場について掘り下げてみましょう。
相場がある以上、それを決めるための基準となる情報があるわけですが、具体的にはどのようなファクターがあるのかご紹介します。
一般的に相場を決めていると言われるのは「印刷枚数」
カウンター料金は、印刷枚数をカウントして毎月の料金を請求しています。
そのため、印刷枚数が料金相場を決めているという一面があります。
しかし、一般的な「使った分だけ料金がかかる」累積型の価格体系となっているわけではなく、コピー機のカウンター料金には「たくさん印刷する機種ほど料金が安い」という、言わば反比例の関係が適用されます。
よって、相場観としては「高性能機であるほど安い」という傾向が見て取れます。
以下に、印刷枚数に応じた相場観をご紹介します。
遅め(分速15~20枚)
1分間に15~20枚という印刷スピードの機種は、コピー機の中で遅めの部類に入ります。
月換算で1,000~3,000枚で、カウンター料金としては【白黒1.5円以上/カラー15円以上】の想定になるでしょう。
中には白黒で2円ほどの価格帯を請求される例もあるようですが、利用者からのディスカウントに対する要望があるからか、単価は減少傾向にあります。
標準(分速30~40枚)
1分間に30~40枚という印刷スピードの機種は、コピー機の中で標準的な部類に入ります。
月換算で3,000~10,000枚のスピードとなり、オフィスではストレスを感じないレベルです。
カウンター料金は【白黒1.3円以上/カラー14円以上】となっており、地域によっては白黒が相場より少し高くなる場合もあります。
早め(分速50枚)
1分間に50枚という印刷スピードの機種は、コピー機の中でもかなり速い部類に入ります。
月換算では20,000枚に届き、特にたくさんの印刷物が必要なオフィスで求められる機能です。
カウンター料金は【白黒1.2円以上/カラー12円以上】で、やはり印刷量が多いことを想定して価格帯が抑えられています。
今後、より速い印刷を実現できる機種が出てきた場合は、より安くなるのかもしれません。
価格差は縮まってきており、交渉で下がる余地もある
カウンター料金の相場を決めるファクターとして、印刷速度以外にも重要なものがあります。
それは「業者側の方針」です。
意外かもしれませんが、カウンター料金の設定は、業者がある程度ルールを決めている現状があります。
もう少し分かりやすく言うと、業者によって見積もり金額がまちまちなのです。
きちんとしている業者は、相場観を把握した価格帯で見積もりを出しますが、中には利益を増やそうとして高値で見積もりを出すところもあります。
新たに契約しようと考えている人は、必ず相見積もりを取って、料金交渉を行いましょう。
もちろん、印刷枚数に限らず、コピー機の性能から大きくかけ離れた価格帯を希望しても、交渉が成立する見込みは少ないはずです。
カウンター料金を気にしつつ、かといって過剰に考え過ぎず、自社で欲しい機器のイメージを固めることが大切です。
カウンター料金無料のカラクリを知っておこう
カウンター料金の相場について勉強すると、中には「カウンター料金定額・無料サービス」に心ひかれる人もいると思います。
事実、リース会社の中にはそのようなプランを設けているところもあり、少なからず注目されています。
ただ、こちらは見積もりの内容をよく確認しないと、後で後悔するリスクもあります。
例えば、無料とは言いながら印刷枚数に一定の制限があったり、トナーは別途購入しなければならなかったりと、細かい部分で支出を要求しているプランが見受けられるからです。
カウンター料金無料のプランを採用する場合、同じようなサービスのくくりで見積もりを取ったり、公式サイトの注意書きをプリントアウトして担当者に質問したりして、正しい情報を取り入れる努力が求められます。
カウンター料金の経費計上ってどうする?
コピー機のリースを初めて行う人でも、リース料金は経費になると知っているはずです。
しかし、カウンター料金はどうでしょうか。
カウンター料金について突っ込んだ質問をすると、経理職でも過去の仕訳を見て判断しているケースが多く、即答できない場合があります。
ここでは、そんな悩ましいカウンター料金の経費計上について、勘定科目上における考え方をご紹介します。
カウンター料金は、使用量に応じて変わる変動費である
まず、カウンター料金とは、使用量に応じて金額が変わる変動費です。
よって、費用にあたる勘定科目を使います。
問題は、費用の科目としての解釈が、幾通りもあることです。
事実、会社によってどんな科目をあてているかは異なり、主に以下のような科目が想定されます。
- 事務用品費
- 消耗品費
- 修繕費
- 雑費
- 印刷文具費
カウンター料金の中には、トナー料・メンテナンス料も含まれていますから、その解釈をどうするかで科目が変わってきます。
しかも多くの場合、それらを別々に仕訳できない請求の形をとっていますから、余計に最初は混乱するはずです。
また、リース料の中に含めることもできません。
あくまでもリース料は本体に適用されるものなので、違う勘定科目を使う必要があるのです。
選ぶ基準を作るには
実は、先に挙げたどれを選べばいい、という正解はありません。
会社ごとに、どの点に重きを置いて仕訳するかは自由なので、税務署なり国税局なりに「なぜその勘定科目にしたのか」根拠を説明できれば問題ないとされます。
ただし、初めて処理する際は、今後も毎年同じ処理をすることを前提に科目を決めなければなりません。
よって、妥当な線を考えると、トナーやメンテナンスパーツが定期的に交換されることを想定して、事務用品費ないし消耗品費が適当だと考えられます。
サービスマンが来るけど、修繕費じゃダメなの?
このように説明すると、人によっては「修繕費」で処理してはいけないのかと疑問に思うかもしれません。
確かに、サービスマンは故障の度に足を運んでくれ、比較的頻度も多いため、修繕費でも間違いではなさそうです。
しかし、故障への対応はあくまでも「イレギュラー対応」ですし、定期的にサービスマンがやって来るのはカウンターの確認と簡単な点検です。
そして何より、最も頻繁に交換が必要なのはトナーですから、やはり消耗品費のような科目が適当だと考えられます。
この記事のまとめ
カウンター料金は、印刷枚数の性能で相場が決まり、たくさん印刷できればその分だけ安くなります。
また、業者のさじ加減で金額に違いがあるケースも少なくないため、相見積もりと値段交渉は必須と考えてよいでしょう。
経費処理する段階では、トナー交換を基準に、消耗品費・事務用品費で仕訳を切るのが無難です。
過去にコピー機に関する仕訳を切っているなら、担当者はそれを参考にしましょう。