コピー機のリースの乗り換えや入れ替え。
特徴や違いと、注意すべき点やポイントについて

  • 2020.02.21
  • 2020.04.25

リース契約

コピー機をリース契約していると、ある程度の期間が過ぎたところで、担当の営業マンから乗り換えを提案されることがあります。
人によっては入れ替えと呼ぶケースもありますが、本質的に提案内容は同じで、新しい機種への交換をすすめられます。

コピー機は、多くのオフィスで休みなく働いているため、その分へたりやすくなり、継続年数が増えれば故障率も高くなってしまうのはどうしても避けられない事実でもあります。

そのため、どんなコピー機でもいずれは交換時期を迎える運命にあります。
今回は、コピー機におけるリース契約が終わりに近づいた時をテーマに解説しています。

払い終えたらというテーマは前回書いていますが、今回はリースの乗り換え・入れ替えについて、それぞれ単語のニュアンスの違いや乗り換えを実際に行う際の注意点・成功させる際のポイントについて紹介していきたいと思います。

乗り換えと入れ替えって、結局同じ意味じゃないの?

コピー機でのリース契約の乗り換え・入れ替えと聞くと、それぞれ同じような意味で捉えている人は多いと思います。
実際のところ、概ね意味合いは同じですが、細かい部分で若干ニュアンスが違う場合もありますので少し注意が必要です。

乗り換え=リース契約が残存している状況で新機種のリース契約を結ぶこと

まず、乗り換えという表現について説明すると、多くの場合「リース期間が残っている状態で新機種のリース契約をすること」を意味しています。

リース契約は、以前にも解説してきたように中途解約を原則としては認められません。
そのため、契約満了まで使い切ることが契約の条件となっています。

そのため、契約継続を条件に新しい機種・契約へと移行する流れのことを、(契約の)乗り換えという意味合いで業者の多くが認識しています。

つまり、コピー機の新旧交代に際し、乗り換えという単語が出た場合、それはリース契約に関する話をしていると考えてまず間違いありません。
また、契約途中で新しい機種の契約を結ぶこと自体は、リース契約において珍しいことではありません。

入れ替えは、単純に機種を新しいものに交換することを指す

現在オフィスにあるコピー機の調子が悪くなり、将来的にそれを交換しなければならないことが分かっていて、手段を問わずに交換することを「入れ替え」と表現します。

入れ替えという表現も、コピー機の交換を意味している点では変わりません。
しかし、より細かく意味合いを拾っていくと、交換はリースに限った話ではないこともあります。

リース契約が満了となり解約した後、新しい機種を購入したり、安い値段で中古をレンタルしたりと、コピー機を用意する方法自体は、リース契約以外にもいくつかあります。

特に、レンタル・購入などの手段を検討していて、リース契約に対するこだわりがない場合、リース会社・契約者問わず入れ替えという表現が用いられる傾向にあります。

先ほどの乗り換えには「基本となるリース契約」が存在するのに対し、入れ替えには「明確な契約を匂わせるニュアンスがない」ため、厳密には使い方が分かれるものと考えてよいでしょう。

とはいえ、リース会社・契約者の両方にとって、概ね【乗り換え≒入れ替え】という公式は当てはまりますから、どちらの表現を使っても意味は通じるはずですし担当からするとまずはリース契約を結びたいため乗り換えの提案から来るのが一般的です。

乗り換えという表現には「他社に乗り替える」という意味もある

インターネットでコピー機に関する業者の広告をチェックすると、乗り換えという単語が「他社とのリース契約に変更する」という意味合いで使われていることもあります。

簡単に広告の内容を説明すると、他社でかかっている費用と自社の費用を比較して、図説などを用いて乗り換えのメリットを説明しているものが主になります。

本来、他社に乗り換えを検討する場合、既存のリース契約を満了させなければ新しい業者とリース契約を結ぶことはできません。
しかし、リース会社の中には「条件を付けて契約期間中のプラン変更を認めている」ケースもあることから、一概に全ての契約が乗り換え厳禁というわけではないようです。

もちろん、他社への乗り換えを想定してプラン変更を認めているわけではないため、具体的な内容は契約前に詰めておく必要があります。
他社への乗り換えを検討する場合は、最終的に解約に関する費用を新しいリース会社が持ってくれるのかどうかチェックするなど、金銭面での不安を解消してから契約しましょう。

乗り換え・入れ替えする際の注意点とは

乗り換え・入れ替えの意味合いに違いがあると分かったところで、実際にコピー機を何らかの形で交換しようと考えた場合、どのような点に注意して検討すべきなのかを見ておきましょう。

リースを選ぶにせよ、別の選択肢を選ぶにせよ、新しい機種に替えてランニングコストが大幅に増えることは避けたいため、期間・予算・機能をしっかり見極めることが大切です。

リース期間はどのくらい消化されているか

現在使っている機種に何らかの不満が生まれた場合、多くのオフィスではパフォーマンス不足を理由にすることは少なく、故障する回数やメンテナンスの回数などが増えたことで交換を検討する傾向にあります。

リース契約では一般的には新品のコピー機をリースするため、故障が増える時期を想定すると、概ね3年目以降が一つのポイントになります。

リース契約を結ぶ際のスタンダードなリース期間が5年ですから、ちょうど契約の折り返し地点で不具合が増える計算になるため、リース会社もそのあたりを見越して対策を立てます。

具体的には、リース契約3年目以降の顧客に対し、新しい機種への乗り換えを提案するといった流れが一般的です。
乗り換える場合、旧機種の残債は新しい契約の中に組み込まれるため、一度残債を支払って契約を完了させる手間がありません。

現在のリース契約が3年を超えているなら、新しい契約期間によっては、乗り換えることでリース料が安くなる可能性もあります。
自社で使っているコピー機の状態と契約年数を考慮した上で、乗り換えを検討することが大切です。

機種の機能は必要十分か

リースかどうかにこだわらず、機種の変更を検討しているなら、新しい機種の機能に注目しましょう。
自社でコピー機・複合機を使う主な目的をあらかじめ把握しておき、その目的が満たされるものであれば問題ないと、自社としてのスタンスを決めます。

コピー機と一口に言っても、その機能は今や多種多様で幅広く用意されています。
そのため、中には明らかに自社でオーバースペックとなる機種を使っているケースもよく見かけます。

【多機能=高性能】とは言い切れませんし、多機能な機種が必ずしも耐久性を備えているとは限りません。
しかしながら機能の豊富さと価格はある程度は比例しますから、本当に自分たちが必要としている機種・機能を見極めることが大切です。

複合機で言えば、今の時代では事業規模や業種によってはFAX機能を必要としないケースは珍しくありません。
インターネット上でのやり取りで完結してしまう業務であれば、わざわざFAX機能などが付いた複合機を用意する必要はありません。

また事業規模や印刷の枚数や用途によっては、極端な話、家庭用の小規模な複合機で事が足りてしまうことも十分考えられますから、印刷枚数や利用頻度を考慮して、入れ替え時点で求める機能の優先順位を決めておきましょう。

同じ会社で継続するよりおトクになる業者は見つかるか

これは残っているリースの期間次第に左右されはしますが、リース期間が終了する間際であれば、それを機にもっと良い条件でリース契約できる業者に乗り替える方法もあります。

明確に他社の名前を出して比較しているリース会社は見られませんが、一部の会社では「カウンター料金に用紙・トナーの金額を含ませる」ことで、ランニングコストを安くするとうたっているケースが見られます。

リース契約において、カウンター保守契約はスタンダードな料金体系です。
毎月の印刷枚数に応じて使用料が発生する形をとっており、トナー代は印刷単価に含まれています。

しかし、この契約上では用紙などの諸経費は含まれていないため、それらを一定数管理することにより、リース料を安くするという仕組みです。
見積もりを確認しなければ、本当に安くなるのかどうかはハッキリしないものの、明確に差が出るなら他社乗り換えは有効な選択肢の一つとなるでしょう。

乗り換え・入れ替えを成功させる際のポイント

乗り換え・入れ替えを検討しているなら、成功させる際にどのような点を意識すればよいのか、事前にポイントを押さえておくことが重要です。
視点としては、

  • ランニングコスト
  • 耐久性
  • 他社比較

という3つが主になってきます。

乗り換えればリース料が安くなるかどうか

まずはランニングコスト、いわゆる料金です。
リース契約の乗り換えで利用者が期待するのは、新しい機種を手に入れつつも、ランニングコストの維持、できるなら下げることなはずです。

乗り換えることで毎月のリース料が安くなり、しかも新品を使えるなら、利用頻度に大きな違いがなければ明らかに大きなメリットを享受できます。

現在の契約における残債を組み込んだとしても、なおリース料に大きな変動がなく、むしろ安くなるとあれば、乗り換えに魅力を感じるのは必然です。
見積もりを取る際は、機能の差別化に関するセールストークよりも、毎月のランニングコストを重視する姿勢でチェックを入れましょう。

使っているコピー機の調子が著しく悪いかどうか

年数が経過しているなら、必ず乗り換え・入れ替えを検討しなければならないかというと、そんなことはありません。
乗り換えした方がよいか、入れ替えした方が良いかというのはケース・バイ・ケースになります。

現段階でとりわけ不満がないままリース満了を迎えるようであれば、あえて新しいリース契約を結んだり、レンタル・購入に切り替えたりすることなく、現行機種でリースを延長する「再リース」という方法もあります。

新たなリース契約を結ぶよりもはるかに格安で契約できますし、再リースの場合の多くは、原則として1年分を前払いするだけですから、その後に調子が悪くなったとしても、すぐに解約することも自由です。

今使っている自社にあるコピー機の調子を見極めながら、交換時期を検討するのが賢明です。

他社に乗り換えてお得な点が明確に見えるか

乗り換え候補として他社の商品を検討するのであれば、本当に得をするかどうか、見積もりベースで確認しましょう。
また、一社だけにこだわるのではなく、複数社の相見積もりを取るのは必須条件です。

安さというのは非常に魅力的に見えますが、安いのには必ず理由があります。
もともとの仕入れ値が低いといったような自分たちにデメリットとならない理由であれば問題ありません。

ですが、巧妙に安く見せている料金体系なども少なからず存在していますので、注意が必要です。
例としては、月額が安いものの、実はリース契約の期間が7年間だったといったものもあったりします。

50万円を5年で支払うのと、7年で支払うのとでは当然7年間で支払う方が毎月の支払い額は低くなります。

月の支払い額が安いのなら、どのようなカラクリで安さを実現しているのか、仕組みに穴はないか、自社の状況に合致したプランとなっているのかなど、ツッコミを入れようと思えば数多くのポイントが見つかるはずです。

また、現在契約しているリース会社でも、乗り換えの相談をした段階で魅力的な提案を用意してくれるかもしれませんし、相見積もりしていることを伝えることで今のリース会社も危機感を持ってより良い提案してくれる可能性もあります。

幅広いところから情報を集め、最終的に前回の契約以上の成果が得られるよう、リース会社を選びましょう。

この記事のまとめ

コピー機の乗り換え・入れ替えは、それぞれの単語が持つニュアンスこそ違うものの、基本的には今使っているコピー機をやめて、新しい機種を使うことを意味しています。

手に入れる手段としては、新機種についてのリース契約を再度結ぶだけでなく、レンタル・購入など幅広い手段が考えられます。

また、同じリース会社だけを律義に使い続けるのではなく、新しいリース会社との交渉を考えることも一つの方法です。

すでにリース契約を結んでしまい、ある程度時間が経過していたとしても、残債やプラン次第ではランニングコストを安く抑えられるかもしれませんから、契約が残っていてもあきらめずに乗り換え・入れ替えを検討してみましょう。

  • 公開日:2020.02.21
  • 更新日:2020.04.25

テーマ:リース契約

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