コピー機や複合機の契約で主に使われるリース契約。
実際の審査での注意点や事前に確認しておくポイント
コピー機・複合機のリース契約を結ぶには、今のコピー機業界では主にリース契約が主流となっています。
そのため、コピー機をオフィスで使うためには、リース会社が行う審査に通る必要があります。
条件を満たせば問題なく審査に通るものの、残念ながら人によっては審査基準を満たせないケースも少なくありません。
実は、審査に通るためにはいくつか注意点があるのです。
そして、それらを知っているかいないかというので大きな違いが出てしまうことがあります。
自分が満たしているかどうか事前に確認しておくと、審査をスムーズに進められます。
この記事では、リース契約時に審査を受ける際の注意点と、事前に確認すべきポイントについてまとめています。
そもそも、リース契約で重視するポイントはどこなのか
リース契約を結ぶ際に、リース会社が重視するポイントとは、そもそもどんな点なのでしょうか。
答えを端的に表現すると、リース契約をする人・会社が、「長期にわたり契約を結べるだけの信用があるか」どうかです。
信用の判断基準は複数存在しますが、基本的には自社の信用と契約者の信用につき、双方とも問題がなければ契約に至る可能性は高くなります。
以下に、主なポイントをまとめてみました。
会社を信用してもらえるかどうか
リース会社にとって最も避けたいのは「貸し倒れ」で要は回収できずに損失を出してしまうことです。
リース契約とは、高い金をはたいてコピー機・複合機を利用者のために用意するわけですから、きちんと毎月の支払いができるかどうかは重要なポイントです。
具体的には、営業成績も良好で継続的に利益を出している会社かどうかを調査します。
もちろん、周囲の評判のような具体性の低い情報ではなく、開業届・引落口座の情報など、数字や立場が明確に分かるものを必要とします。
財務諸表等を報告しているなら、それらが大きな証拠となります。
特に、会社の起業年数をシビアに見るリース会社は少なくなく、一般的には3年以上で黒字経営であれば、通過の可能性は非常に高くなります。
もちろん判断基準はリース会社によって異なるため、とあるリース会社なら落ちたけど別のリース会社なら通ったという事もあります。
そのため、ひとつのリース会社にこだわらず、複数の条件を確認しておくことも、契約に至る道のりを短くしてくれます。
自分を信用してもらえるかどうか
リース会社の目は、会社だけでなく事業者・事業主にも向けられます。
キャッシュレス化の波もあり、クレジットカードを使うユーザーも増えてきていますが、その取り扱いには十分注意が必要です。
仮に、リース契約を結ぼうとしている段階で、クレジットカードの支払いに滞納があると、それだけで個人の信用情報には傷が付きます。
これは、気付いてからすぐに支払えば問題ない話ではありません。
その後も同じカードを持てるかどうかはクレジットカード会社側の裁量に過ぎず、全体の信用情報としてはマイナスの評価となってしまうのです。
これはローンなどの借金も同様で、滞納の結果は5年間残ってしまうため、それだけで審査を渋られるケースも珍しくありません。
借金等の返済に問題があったことが、仮にたった一度だけであったとしても、0回と1回では大きな違いになります。
リース契約は長期間にわたるため、この人は支払い続けるという点で、難しい人間かもしれない。と判断されてしまう恐れがあるのです。
企業としての信用以前に、いち個人としての信用も、リース契約には重くのしかかってきます。
くれぐれも、軽率な借金は控えたいところです。
信用に足る人間だと証明できるかどうか
個人として信用を傷つけるような行為はしていなかったとしても、リース会社の目から見て、今一つ信用に欠ける点があっても、審査に通らない可能性があります。
起業年数については、年数を重ねる以外に方法らしい方法がありませんから、その点でハネられてしまうと厳しいのが現状です。
ただし、年数など一定の時間を要するもの以外の条件なら、探せば信用を稼ぐ手立てにはなります。
特に、説得力が少ないと感じている場合は、何らかの「数字」を見せることで、説得力を増すことが可能で1つのテクニックとも言えます。
預金通帳は誰でも持っていますし、どのくらいの蓄えがあるのかを証明することにもつながります。
数字の点では不十分だと判断されそうなら、保有している資格や、お世話になっている取引先の力を借りるのも一手です。
過去に学べば審査落ちのリスクを減らしやすくなる
リース契約で審査落ちしないためには、過去に審査落ちしたケースから学ぶのが近道です。
どうやれば審査に受かるかというのは、裏を返せば、どういう時に審査に落ちたのかを知る事でわかります。
全てが自分に当てはまるとは限りませんが、自分のどこに問題があると最初から分かっていれば、対策も立てやすいはずです。
最低限「滞納ゼロ」であることが必須条件
無借金経営は誰もが憧れるところかもしれませんが、世の中的にそれができるのは数少ない人と企業だけです。
借金をせずに経営・生活が賄えれば問題ありませんが、大多数の企業・個人にとって、借金は比較的身近なものです。
毎月きちんと返済できていたとしても、クレジットカードを使えば一時的に借金が生まれることになり、ローンともなれば数年~数十年にわたり返済を計画しなければならないでしょう。
もちろん、きちんと返済を毎月のペースで続けているなら、少なくともリース契約でマイナスの評価を受けることはありません。
ただし、この支払いに関して1度でも滞納している状況であったとしたら、これは非常に大きな問題となります。
また、この滞納というのは、料金の大きさで判断されるものでもありません。
支払う側からすれば、少しの金額忘れてただけと思うかもしれませんが、貸す側からするとそういう問題ではなくなるのです。
仮に、電気料金のような公共料金で、しかも少額の支払いで滞納を起こしている状況が分かった場合、リース会社は「そんなお金ですら滞納してしまうような人とのリース契約は危険性がある」と判断される恐れがあります。
口座振替など、毎月定額をきちんと払えるような仕組みを利用して、確実に支払いを続けるように心がけましょう。
また、できれば避けたいところですが、一時的な生活の事情によりローンの支払いが滞ることもあるかもしれません。
このような場合は、滞納分を契約交渉の前に支払っていれば、信用情報に問題が生じないケースもあります。
リースの審査に通りたいなら、金額の規模にかかわらず、毎月きちんと支払いを続けて「滞納ゼロ」が鉄則となる事を覚えておきましょう。
審査を受けるなら見た目も大事
個人・企業ともに、リース会社という法人を相手にする以上、見た目にも気を配らなければなりません。
もちろん、見た目というのはイケメンか美人かといったことではありません。
できるだけ、相手に信用してもらえるような振る舞い・見た目で契約に臨んでいるかということです。
- スーツを着用する
- 会話のやり取りを丁寧にする
- 部下や同僚や取引先とのやりとりを丁寧にする
- 担当者以外とのやりとりも意識する
など、見た目とコミュニケーションの基本を大切にするだけでも、担当者に好感を与えられます。
ここはどちらかというと、好印象を与えるというよりも、マイナス印象を与えないことをイメージしましょう。
業種に貴賤はありませんが、例えば建築業の事務所に置くコピー機を用意するにあたり、一般的に持たれがちな「ツナギ・作業着・ぶっきらぼう」というイメージを地で行くような振る舞いは避け、できるだけ相手に誠意が伝わりやすい雰囲気を作ります。
リース会社によってはデスクワーク一筋の営業の方がくるかもしれません。
相手に合わせて臨機応変に対応して、相手にマイナスイメージを与えるようなことはなるべく避けるのが鉄則です。
必要書類を用意する際も、契約書類の文字をきれいに書いたり、クリアファイルを使って分かりやすくまとめたりして、担当者にとって扱いやすい状態を心がけるだけでも、相手には「きちんとしている」と伝わるものです。
相手に見せるものは、自分の見た目だけでなく、全てをしっかり整えておくという意識を持つようにしましょう。
実は契約時の年齢は大事
また、見た目の点でごまかせないものの一つに、契約時の年齢がありますが、この年齢というのはリース契約においては非常に重要なポイントの1つになります。
リースは契約が長期契約にわたるものになり、コピー機の場合は多くが5年間という期間になります。
そのため、この5年という期間、コピー機・複合機をリースするため、その支払いが滞らないという事を貸す側は意識するため、高齢の経営者は不利になりやすくなります。
70歳を超える場合、リース会社のルール上、契約を受け付けてもらえないケースもあったりします。
また、逆に事業主の年齢が若いケースでは、実績や保証人の有無で審査通過の可能性に違いが生じることもあります。
未成年の事業主である場合を除き、そこまで若年者に厳しいわけではありませんが、確実に契約を結ぶためにも周囲に協力を求めることも大切です。
意外に古いところを気にするケースも
スマホが当たり前となった現代において、やや時代遅れな点もありますが、リース会社によっては意外な点を審査で考慮する場合があります。
代表的なポイントが「固定電話の有無」です。
現代では、固定電話を持つメリットは日に日に薄れて、IT系の事業主を中心に固定電話を解約して携帯電話のみで事業を行う方も増えてきています。
しかし、リース会社の中には、固定電話がないことを理由に審査でNGを出すケースがあるのも事実です。
もちろん固定電話が無ければダメというわけではありません。
しかしながら、マイナス要素になる可能性を頭に入れておき、担当者に固定電話の必要性がないことを具体的に説明できるかどうかが大事になります。
あくまでも審査をされる側であるため、審査通過を円滑にするために求められた場合、しっかりと理路整然と伝えられる必要があります。
お金が勿体ないし、あまり使わないしといったような曖昧な理由の場合、納得されない可能性があります。
他の条件などにおいて、厳しい状況が揃っている場合は、特にこういった細かいところには注意しておきたいところです。
審査に通りそうでも、失敗防止のためチェックを怠らない
交渉の結果、無事に審査に通りそうだと思っても、そこで安心してはいけません。
実は多くの方が勘違いしますが、最も重要なことは、単に審査に通れば良いというのではなく、きちんとしたリースの審査に通ったかなのです。
- リース会社側や担当者に問題はないか。
- 本当に必要な機種や提案を選んでいるか。
契約前に今一度、以下のポイントを確認しましょう。
その契約内容は本当に「得」なのか?
リース会社の担当者は、特に問題がないと判断した事業者や事業主の場合、できるだけ早く・確実に契約を決めたいものです。
迷われて他のリース会社に契約を持って行かれないためにも、審査に問題なければすぐに契約をすすめたくなるものです。
もちろん、リース会社側からすれば至極最もな理由であり多くのリース会社がそうします。
そのため、事業者が自社のリースを選んでくれるように、少しでも魅力を感じるような提案を行います。
本当に事業者のことを考えてのプラン設計なら問題ないのですが、中には不要と思われる機種を複数台契約する流れに持って行ったり、一見してリース会社側が得をするのか分からないキャッシュバックを提案されたりと、不審に感じてしまうような契約内容を見かけることも珍しくありません。
契約の内容が極端におかしなものでないことを把握するためにも、同条件での相見積もりを取って、契約内容にチェックを入れる手間を省かないことが大切です。
担当者ごとに違う親身・親切さ
リース会社の担当者は、当然同じ人間ですから、人それぞれです。
一口にどのような考えで対応しているのかを把握しきれないところがあります。
その会社のエース級の営業マンかも知れませんし、まだまだ未熟であまり業界知識などもない新人ぽさの残る営業マンかもしれません。
そのため、同じリース会社であっても、自分の利益や成績を最大化する考えの担当者もいれば、会社のルールを最優先で面倒な事は避けたいと考える手堅い担当者もいます。
どこまで事業者側の立場を考慮しているかどうかは、コミュニケーションの中から判断しなければなりません。
審査に必要な情報を集めた段階で険しい顔をされたら、そこからどれだけ食い下がってくれるかが、事業者としては重要なポイントになってきます。
相見積もりと同様、より自分に有利な方向へと話を進めてくれる担当者を見極めることも必要です。
自分に合ったプランを見つけることが成功の近道になる
どんなに事業者側が頑張っても、リース会社にとって絶対に譲れない部分でNGが出てしまったら、同じ条件で粘るのは得策ではありません。
1つの業者・1つの契約形態に固執せず、自分の条件で契約できるプランを探すのも大切なことです。
個人事業主・小規模事業者向けのプランを用意しているところもありますから、そのような会社に絞って見積もりをもらうようにすると、効率的に審査を進められるようになります。
この記事のまとめ
リース契約時は、いかにしてリース会社に自分を認めてもらうかが、審査を通すための重要事項です。
大企業・中小企業問わず、契約している会社は数多く、決して難易度の高い契約ではありません。
自分が有利な立場にいるのか、不利な立場にいるのかを客観的に知った上で、契約に向けて行動を起こすことが大切です。
また、不利な契約を結ばないよう、契約内容にもきちんと目を通し、出来れば相見積もりを取って相場感を知り、自分たちに親身になる担当者を見つけるようにしましょう。