コピー機や複合機のリース料金について
費用の相場や地域別での目安となる料金も紹介
コピー機や複合機を導入しようと思う場合、やはり最も気になるのはその「料金」です。
普段あまり関わらない業種の方も多いのと、契約形態などが様々で簡単に調べても相場や平均というのも残念ながら少しわかりにくくなっています。
そのため、実際にコピー機を導入しようと思うと、相場から価格帯を紐解くというよりは、どちらかと言えば代理店に相見積もりを取り、有利な方を選ぶという考え方が基本です。
しかしながら、初めての方や交渉が苦手という方、また極端に高い金額を吹っ掛けられないための予防策も必要です。
そのために、ある程度のリース料金や、かかる経費などの費用の相場を押さえておいた方が良いと言えます。
ここでは、そんなコピー機や複合機にかかる料金の相場について、地域ごとの目安も含めながら紹介していきたいと思います。
事業規模から考えるリース料金の目安
ひとえにコピー機と言えども、使い方によって必要となる機種や規模も異なります。
当然ながら小規模であればあるほど安くなりやすく、大規模であればあるほど高機能な分、価格も高額になります。
そのため、導入に当たってまずは、事業規模を想定した際のリース料金について考えておきましょう。
大きくジャンル分けすると、下記の4パターンで考えておきましょう。
- 個人事業主向け
- 中小企業向け
- 特殊業向け
- 大企業向け
もちろんこれらの分け方が正解ではないですし、少し細かくなると業種ごとに金額が変わってきます。
とはいえ、一般的にこういう括り・分け方がされやすいため、価格帯もこれに合わせて分かれる傾向にあります。
個人事業主向け
個人事業主が業務用コピー機を使用するケースは、実際にはそれほど多くはありません。
インターネットが発達した現代においては、メールやスマホでのやり取りが主流となっており、書類もデータで送れるからです。
コピー・スキャン機能が付いたプリンタを購入すれば、日常業務に大きな支障は出ないことも多いです。
そのような背景もあってか、個人事業主向けプランのリース料金は相対的に見て安くなりがちで、月額5,000円未満で借りられるものも少なくありません。
性能自体は必要最小限のレベルで、オプションは別途用意するか、あるいは最初からない機種というパターンも多くあります。
ただ、注意点としては、価格帯が安いリース業者は業者側にも利益が多く無いという点もあってか非常にピンキリになりやすくなります。
優良企業である場合もあれば、まともに使おうと思ったらオプションがたくさん必要な場合もあります。
自分で本当に必要な機能を厳選できる場合に限り、リースを検討する価格帯です。
どういう業種が多いか
このように個人事業主向けで業務用のコピー機や複合機をリース契約して導入する方はそう多くありません。
どちらかと言えば、印刷をすることが多い方が多くなります。
例えば、個人で塾講師・塾経営に携わっている方、セミナー業をやっている場合、1人で事務所を運営してる税理士などの士業の方などは印刷枚数も非常に多くなりがちです。
日常的に多数のレジュメやパンフレットや資料を印刷することが多くなる方は個人事業主でもコピー機をリース契約で導入する方は多いです。
ただそのような場合は、一般的な個人事業主向けの最安レベルのコピー機よりも多少性能を上げておくと良いと言えます。
毎月のリース料金が5,000~8,000円程度あたりがある程度の目安となります。
もちろん、毎日どれくらいの枚数を印刷するのかなどによりはしますが、ある程度の枚数を印刷する場合は印刷性能を優先した方が賢明です。
中小企業向け
いわゆる一般的にコピー機の導入をする場合に最も多い層になると言え、社員数10名程度の中小企業が該当します。
印刷用紙の種類も、資料に応じて変わってくるため、最低限のオフィスユースには対応できるモデルが投入されることになります。
このクラスをリースする場合、月額料金は7,000~12,000円程度が相場になります。
印刷枚数としては、概ね1,000~3,000枚が月のペースになるはずです。
給紙段数は4段が多く、A3用紙を使ったりADF機能が標準装備されていたりと、より印刷を多目的に素早く行えるモデルが多くなるのがこの規模になります。
例外的に段数が少ないものもありますが、そのあたりは各企業のニーズによって変動します。
特殊な仕事・業種向け
事業規模としては上記の個人や中小企業と変わらないものの、紙ベースでの印刷が中心となる業種の場合は、多少異なってきます。
具体的には下記の業種で、1人事業ではなく小~中規模で行われている場合は検討するクラスとなります。
- 物件情報や各種契約書などを印刷する不動産業
- 申立書・届出関係の書類を印刷する各種士業
- 複数の事務所を抱える学習塾・セミナー業
上記の業種は個人でされている場合は、そこまで規模も大きくならないですが、これが数人~と規模が多少大きくなると印刷する枚数もその分だけ倍々で増えていきます。
この業種や仕事になってくると、月間印刷枚数10,000枚以上に対応できる速度を備えている必要がでてくる場合もあります。
本体価格が150万や200万円ほどになるモデルもあり、特に印刷物の質が価値を決める業種では、このくらいの投資を見込んでおきたいところです。
リース価格帯としては、8,000円以上15,000円未満といったところで、場合によっては大企業でもオフィスによって導入していることもあるのがオススメになる場合もあります。
大企業向け
最後に、大企業向けのコピー機・複合機の価格帯についてお伝えします。
想定する規模としては、ワンフロア一体・不特定多数が印刷やコピーを行う事業規模です。
ここまでくると、百万都市以上のオフィスを想定した価格帯となり、本体価格も質の高い商品なら数百万円規模になります。
リース料金としては20,000円以上が出ていきますが、その分印刷の質や速さは別次元です。
機種によっては、各種出版社を想定して作られているものもあり、印刷機を別に用意しているような会社はこのクラスを選びます。
オプションには、セキュリティ・クラウドなどが用意されており、大企業の規模での営業をスムーズにするための仕組みが取り入れられています。
かなり多くの人数が使うコピー機となるため、それに耐えうる機能やスピードが求められる事になり、高機能・高価格なコピー機となります。
間違って格安機などを選んでしまうと、コピーや印刷終了待ちに行列が出来てしまったりして、見えないコストが発生するので注意しましょう。
全国の各地域によって違う相場観
コピー機の価格・月額リース料金、さらには毎月かかってくるコストですが、実は地域によっても多少異なってきます。
自分たちが働いている地域の相場は気になるものですが、全国的な差を気にする人は意外と少ないのではないでしょうか。
これはコピー機に限ったわけではありませんが、地域的な物価として変わってくる事からもわかるようにコピー機のリースに関わる料金は、地域によって多少なりとも差があります。
オフィスの多い都市部では安く、少ない地方では高くなる傾向
そもそも論にはなりますが、業務用のコピー機はオフィスで使うものになります。
そのため、複数人が一同に会するオフィスがなければ、その分ニーズも少なくなってしまいます。
より具体的に言えば、オフィスが多い都市部ではコピー機も安く契約できますし、逆にオフィスが少なくなりがちな地方では高くなる傾向にあります。
ただ、これは総合的に見た場合の話ですから、一つひとつ細かいところを掘り下げていくと、そこまで膨大な差が出るわけではありません。
東京を中心とした首都圏や大阪を中心とした関西圏ではオフィスが数多く存在していますから、その分だけ価格も安くなる傾向があります。
本体価格や月額のリース料金に大きな差はない
金額の内訳についてお伝えすると、本体価格・月額リース料金の相場に関して地域で大きな差はありません。
そもそもの本体価格は主に機能性や年式によって価格が決まり、月額リース料金は本体価格をベースに計算されるからです。
これはコピー機に限らず、モノであれば多くは同じになるかと思います。
車も冷蔵庫も地域によって大きな価格差が出る事はあまり多くありません。
よって、地域で独自ブランドのコピー機を作っているなどの特殊な例でもない限り、基本的には全国で価格差が生まれる要素はそう多くはありません。
もちろん、メーカーの機種モデルによっては金額の差が生まれます。
印刷速度・月の印刷枚数目安といった基準によって、ランク付けは確実に行われています。
価格差が出るなら、地域差ではなく代理店の差
では全国各地どこでも本体価格・リース価格は同じか?というとそうとも言えません。
メーカーの販売価格としては基本は同じになりますが、コピー機の場合はそこから代理店が間に入って交渉する形を取ります。
そのため、その代理店が各個人や企業に対して価格をいくらで提示するかというので多少の価格が変わります。
特定のメーカーに強力なパイプを持っている代理店などがいた場合は、他の代理店と比べて少し価格が安いということはあり得ます。
ただこれは地域差というわけではなく、代理店の差になりますので、頭の片隅に入れておきましょう。
都会と地方の価格差が出るのはカウンター料金
上記の通り、基本的にコピー機・複合機のリースについて、本体の面で大きな地域差はありません。
しかし、厳然として都市部と地方で金額に変動はあり、その差が最も出やすいのが「カウンター料金」になります。
そもそもコピー機を導入するにあたって必要となるのが下記の2種必要になります。
- 毎月のリース料(本体価格)
- 毎月の保守料金(カウンター料金)
首都圏・大阪圏では、モノクロが0.6円やカラー料金が6円といった低料金を実現できている代理店が存在します。
これに対して、北海道の地方都市になると、札幌・旭川のような中核都市以外は、ほとんどモノクロ1円以上・カラー10円以上となります。
カウンター料金は上述のとおり、毎月かかってくるランニングコストのため、印刷の機会がが多ければ多いほど膨らんでいきますので、特に印刷枚数が多い業種の場合は注意が必要です。
都心であれば比較的安くなりがちですが、地方で契約をする場合に限り、シビアに普段の印刷枚数を確認して契約する必要があると言えます。
料金相場を決める考え方について
コピー機のリース相場は、全国的に金額の差が大きく生じているわけではありません。
ただ、コピー機が最新のものか、それとも年数が経過しているのかによって、価格帯が変わってくる点に注意が必要です。
リースは基本「新品」である
自動車などは、中古車をリースするケースも珍しくありませんが、精密機械のコピー機・複合機のリースは基本「新品」のみの取扱いになります。
本体価格は当然ながら高くなりますが、定期的にメンテナンスを受けられ、印刷枚数や機種に応じてランニングコストも安くできます。
自分で購入した場合は何か起きた際の修理代を見込まなければなりませんが、リースであればその点を心配する必要はありません。
そのため、リースは購入して保有するのに比べて、長期的に見るとメリットが多くなります。
リース料金や費用の相場を検討する場合、新品市場がメインとなり、比較する際も新品市場だけで考えた方がわかりやすくなります。
中古は原則リース不可で、値段の安さはトラブルに繋がりやすい
先ほどのように中古コピー機は原則リースできません。
しかしながら、新規開業者・個人事業主などの場合、リース契約を結べないこともあるため、その点から中古品の購入を検討する場合もあります。
実際に中古で良質の機種を自前で購入し、使い続けている会社もあります。
こちらにも、中古相場というものはあるのですが、そもそもリースではないため相場観からは除外して考える必要があります。
購入の場合はカウンター料金のようなランニングコストも相対的に高くなりやすく、長い会社経営の中で使うタイミングは一時的なものと考えておきましょう。
印刷速度とカウンター料金
コピー機リースには、本体料金以外に考慮すべきポイントがありますが、それが「印刷速度」と「カウンター料金」です。
印刷速度はコピー機本体の機能を測る指針となり、性能面だけで言えば、印刷のスピードが速い分だけ値段が上がり、遅くなると下がります。
これに対してカウンター料金は、印刷速度が速い分だけ安くなります。
コピー機の単純性能だけで価格を決めてしまうと、刷る枚数が多ければ多いほど損をしますから、高性能なコピー機ほどカウンター料金を安くすることでバランスを取っています。
印刷速度の速いモデルをリースするかどうかは、会社というより各オフィスの規模が関わってきます。
不特定多数が1台を共有・多用するような環境であれば、当然ながら機能性の高いものを使った方がコスパが高く、逆に小規模なら型落ち品でも十分仕事をしてくれるでしょう。
カラー・モノクロの差も考えておく
SOHO・個人事業主規模になると、印刷機能自体も選考の対象となります。
カラー印刷はお金がかかりますし、カラーが必要な場面も業務ベースでは限られてくることが多いため、モノクロだけで十分だと考える事業者も少なくありません。
事実、モノクロ機はリース料金は格安で一見お得に見えるのですが、1枚当たりの印刷単価は高くなってしまいます。
保守契約が特殊な部類に入り、トナーが切れるまでは保守契約を結ぶ形を取ることから、トナーが切れたり一定の期間が経過したりすると、その段階で契約が終了となります。
その意味で、一般的なカウンター保守契約の適用はないため、ごくわずかな印刷枚数で終わりそうなら安いプリンターを購入した方がよい場合があります。
この記事のまとめ
原則として、コピー機・複合機の相場はスペック重視になります。
性能を追えばその分金額も高くなりますが、オーバースペックのモデルを選ばなければ、大きな出費とはなりません。
また、コピー機を導入の際にかかってくる費用として「リース料金」と「カウンター料金」があります。
本体に関しては、基本は地域ごとの価格帯に大きな違いはないものの、カウンター料金には地域によって差が生じやすくなります。
特に業種などは料金を打ち出す時は、目を引きやすい最安料金を○円~といった表記をしがちです。
そのため、地方の業者がその料金を見て問い合わせをしたものの、その料金は都心での料金で地方は別で高く感じたとなりがちです。
地方で会社や事業を興す、オフィスを立ち上げるといったような場合は、事前にその地域の相場観を掴んでおくようにしましょう。