コピー機の見積もりや提案を受けた時に
チェックしておくポイントや注意点のまとめ
初めてコピー機のリース契約を検討している場合、まずは自社の希望を代理店等に伝え、見積もり・提案を受けてから判断するケースが多いでしょう。
この時、すべてを代理店任せにして判断すると、思わぬ出費を余儀なくされるリスクがあります。
どのような商品を購入・導入する場合でも、質や値段を比較検討するチェックポイントというものが存在します。
コピー機についてもそれは例外ではなく、高い買い物だからこそ、こだわっておきたいポイントを押さえることが大切です。
長く使い続けられるかどうか・メンテナンスはどうなっているのか・機能面で社員のストレスを減らせるのかなど、細かいことを気にしていくとキリがありません。
そこで、この記事では、コピー機の見積もり・提案を受けた際の具体的なチェックポイント・注意点についてご紹介します。
リース契約で最低限チェックしておきたいチェックポイント
コピー機をリースする場合、本体価格・標準装備・契約期間・オプションなど、いくつかチェックを入れたい要素が存在しています。
以下に、コピー機のリース契約時に最低限チェックしておきたいポイントをご紹介します。
契約期間の長さ
例外こそありますが、コピー機のリース契約期間は5年というのが一般的です。
その後、不具合がなければ再リースという形で使い続けることもできますが、基本的には5年でいったん契約が終了するイメージです。
もし、最初の見積もりの段階で契約期間が5年でなかったら、そのような提案をされた背景を確認したいところです。
特に注意したいのが「契約期間は長いのに毎月の支払額が安い」ケースで、結局のところそれは契約期間を長くするための方便かもしれません。
もちろん、気に入った特定の機種があって、長く使いたいと考えている人にとっては、ランニングコストが安くなるメリットがあります。
ただ、そのお金の中には利子も含まれていますし、総額で見るとかなりの金額が発生していることが大半ですから、一概にお得とは言い切れません。
そもそも、コピー機の法定耐用年数は、一般的なコピー機のリース契約期間・すなわち5年となっています。
耐用年数そのものが5年となっていて、部品等の耐久性もそのあたりをベースに考えられていることから、将来的な劣化に対応できなくなるおそれもあるのです。
せっかく理想的なコピー機がリースできても、長くて5年で交換をせざるを得ない宿命にあるなら、あえて長期間の契約を結ぶ必要はありません。
契約期間の長さは、利用者にデメリットをもたらすリスクがあることを意識して、見積もりの契約期間をチェックしましょう。
標準装備となっている機能
どのコピー機にも、標準装備となっている機能・オプション対応となっている機能が用意されています。
多くのオフィスで必要となるのが、いわゆる複合機としての機能である「FAX・プリンタ・スキャナ」といった装備です。
FAXに関しては、事業規模や業務内容によって不要になるケースも考えられますが、PCからの命令を処理・印刷するプリンタ機能や、書類や資料をデータ化するスキャナ機能は、ペーパーレス時代でも使われる機能です。
ビジネスにおいては、他社がどのような形で情報のやり取りをしているかも考えた上で、流れを滞らせないような体制を整える必要がありますから、やはりオフィスユースで必要とされる機能は標準装備されているモデルが望ましいでしょう。
気を付けたいのが、一般的なオフィスでよく見かける機能の中には、オプション扱いになっているものも多いという点です。
両面印刷・カラー印刷といった機能はさすがに標準装備ですが、ADF(自動原稿送り装置)・用紙トレイ4段などの装備はオプションとなっているケースがあります。
標準装備の枠内で何が使えるのか、自社に必要な機能はオプションとなるのか、細かく見積もりをチェックしておくと安心です。
オプションの種類と費用
見積もりを検討した結果、求める機能がはっきりしたら、オプションの種類と費用を確認しましょう。
オプションの種類は、メーカー・機種によって異なる部分があるため、どれを選んだら最も得なのか考えながら見積もりをチェックする必要があります。
例えば、カバーを閉めたまま複数の原稿を一気に読み込めるADFを導入すれば、コピー・FAX・スキャンのいずれでも作業をスムーズにしてくれます。
このように、オプション扱いでも実質的に標準装備扱いで考えざるを得ない機能は多いはずです。
製本の手間を大きく省いてくれるフィニッシャーも、業種によっては業務効率向上のため必須となるでしょう。
ただ、あまり製本の機会がない企業であれば、導入してもオーバースペックになるかもしれません。
代理店から説明を受けてもピンとこなかったり、自社に必要かどうかイメージできないオプションが見積もりに書き含まれていたりしたら、できるだけ最初の段階で確認することをおすすめします。
相見積もり時の注意点
相見積もりをとって、複数の情報を確認することは、コピー機のリースにおいて重要です。
ただ、無軌道に情報を集めるだけでは、本当に欲しい情報にアクセスできないおそれもあります。
また、可能であれば、複数の代理店の中から自社にとって有利な提案をしてくれた人へのアプローチを試みたいと思うはずです。
そこで、以下に見積もりを集める際の注意点をまとめました。
情報過多・過小にならないように見積もりをとる
見積もりから得られる情報は多岐にわたりますが、1枚だけあっても比較検討できる要素がありません。
そのため、機能面・価格帯(相場)などの情報が偏っていないかどうか把握するために、できるだけ多くの見積もりを集めたいと考えるのは自然なことです。
しかし、例えば全国各地から見積もりを集めるようなことをしても、希望通りの結果に結びつくとは限りません。
確認するための時間は限られていますし、枚数が多いと比べるのも大変ですから、多くても4・5枚といったところでしょう。
自分たちが混乱するほどの情報を集める必要はありませんから、まずは広告等をチェックして良さそうな代理店を厳選し、そこから見積もりをもらうようなスタンスが無難です。
本当にそのプランは自社に適したもの?
原則として、代理店は顧客の要望に応えられるプランを提案するのが基本です。
しかし、代理店側も商売ですから、いわゆる「余計なお世話」をプランに盛り込むことも想定しておかなければなりません。
将来の事業発展を想定して、見積もり内でコピー機の台数を増やすなど、明らかに顧客の希望とかけ離れた提案をしれっと通そうとする代理店もいます。
キャッシュバック・家電・ビジネスホン・オフィスデスク等、必要なさそうなプランを見積もりに含めている場合も注意が必要です。
「正直者が馬鹿を見る」リスクを想定する
コピー機の契約において、一つの代理店との取引だけを検討するのは、あまり良い方法ではありません。
特に、商品の相場観が分からない状態で相見積もりを取らないでいると、最悪ぼったくられていると気付かずに契約を結んでしまうおそれがあります。
契約事に関しては「正直者が馬鹿を見る」のことわざを心に刻み、シビアな目線から交渉を進めましょう。
場合によっては、現在取引しているところと違う代理店に見積もりをお願いして、競合させるなどの戦略も必要です。
保守契約にも注意が必要
コピー機本体の性能・オプション・価格だけに気を取られていると、保守の部分がおろそかになってしまいます。
コピー機は、こまめに修理・メンテナンスが必要となる精密機械のため、保守契約を結ぶ際にも注意が必要です。
どんなコピー機でもカウンター保守契約を結ぶとは限らない
一般的に、コピー機の保守契約はカウンター料金を支払う形で成り立っています。
しかし、機種やプランによっては別の契約形態を選ぶこともあります。
そもそも、カウンター保守契約とは、コピー機に内蔵されたカウンターから印刷枚数を確認し、その数値に応じて料金を算出・請求する契約のことです。
料金計算の仕組みが比較的分かりやすく、修理対応やトナー料金・部品代などもその中に含まれていることから、ユーザーにとっては安心面でメリットがあります。
ただ、それほど枚数を多く刷らない会社であれば、カウンター料金制にするよりも印刷コストを安くできる選択肢もあります。
その一つがトナーキット方式で、トナーを交換するまで料金は発生せず、保守対応料金はトナーに含まれています。
他にも、問題が発生した都度依頼するスポット契約や、年度更新型の保守契約もありますから、自社のニーズに合ったものを選ぶ際の参考にしましょう。
どこまでが保守の対象となるのかを知る
保守契約を結ぶ際、契約書には保守に関する詳細が書かれています。
しかし、契約書を一読しただけでは、対応してもらえる範囲がよく分からないこともあります。
こうした疑問点は、できるだけ交渉段階で代理店側に確認しましょう。
契約期間が長い分、対応範囲を誤って解釈してしまうのは致命的ですから、少しでも引っかかったことは質問する姿勢が大切です。
拠点数もしくは自社の立地を想定して決める
コピー機の保守を対応するのは、メーカーもしくは代理店です。
それぞれにメリット・デメリットがあるものの、重要になってくるのは「拠点数」と「自社の立地」です。
拠点が多ければ多いほど・自社の近くにあればあるほど、スピーディーな対応が期待できます。
逆に、拠点数が少なかったり、自社が保守対応の範囲外に立地していたりすると、せっかく契約しても十分なメンテナンスが受けられないおそれがあります。
それなりの人口がある地方都市でも、拠点数によっては当日対応が難しいケースがあるため、事前に自社の近くの営業所・拠点の情報は確認しておきましょう。
この記事のまとめ
コピー機の見積もり・提案を受けた際、担当者の言葉や説明を鵜呑みにするのは危険です。
代理店側が提案する意図の中には、利益を期待しての提案内容も含まれていますから、あくまでも自社の都合を優先して考える姿勢が求められます。
そのためには、できるだけ多くの情報をフィルターにかけて、自社のニーズに合致したものだけを選ぶ必要があります。
予算に応じた機能が搭載されているか・保守契約の内容に穴はないかなど、疑問に思ったところは逐一確認し、ダメだった場合に備えて複数の選択肢を用意しておきましょう。