コピー機のリース契約をする会社について。
自社で契約中など自社指定のリース会社にできる?
コピー機をリースする場合、多くの会社では代理店を経由して、代理店指定のリース会社と契約を結びます。
しかし、中には諸々の事情から、自社指定のリース会社を使って契約したいと考える会社もあります。
リース会社を顧客の側が指定するのは、代理店側にとってイレギュラーケースであることから、戸惑う担当者も少なくありません。
この記事では、リース会社を自社で指定することはできるのか、細かい事情も含めてご紹介します。
結論から言えば、リース会社を自社で指定することはできる
先に答えから言ってしまうと、リース会社を自社で指定することはできます。
ただ、代理店側の都合によっては、思うように契約が進まない可能性もあります。
代理店側もメリットを理解しているケースが多い
後述しますが、契約者がリース会社を指定するメリットはいくつかあって、リース会社がリースできる商品もさまざまです。
また、代理店側の利益が担保されている限り、良心的な代理店なら、できるだけ契約者の意向を汲みたいと考えるはずです。
単純にリース会社を指定したからといって、それだけで契約を結べなくなるわけではありません。
ただし、代理店によっては難色を示す場合もありますから、事情をきちんと説明しましょう。
初めて指定する場合、代理店から事情を聞かれる可能性がある
具体的に、代理店から事情を聞かれるケースがあるとしたら、そのリース会社と過去に一度も契約を交わしたことがないケースです。
理由は会社によって違いますが、借金など「審査に通らないかもしれない」事情があってのことであれば、断られるリスクも想定しておきましょう。
担当者に話をした上で、代理店指定で条件が良いリース会社を紹介される可能性もあります。
最終的にコピー機をリースするのが目的なら、代理店を味方につけた方が得策ですが、リース会社を指定する明確な目的がある場合は、理由をきちんと伝えましょう。
場合によっては代理店との調整が必要
自社指定のリース会社を使うことには前向きでも、代理店の事情から調整が必要な場合があります。
一般的に代理店は、リース会社と「ベンダーリース契約」を交わし、審査にかかる手間や時間・代金支払いに向けた対応を短縮しているからです。
ベンダーリース契約というのは、代理店側がリースの受付・契約ができるよう、審査や入金の流れを簡略化した契約のことです。
物件代金500万円まで決算書等の提出書類を不要としたり、申込から契約まで一括したリース契約書が使えたりと、代理店側がスムーズにリース契約を進められる仕組みとなっています。
しかし、ベンダーリース契約を結んでいない場合は、原則として3期分の決算書の提出が義務化されます。
また、代理店に対するリース会社の入金スパンが遅くなり、代理店が不利な立場に置かれます。
そのため、契約者と指定先のリース会社との間に信頼関係がなければ、契約までに時間がかかるリスクがあります。
また、代理店によっては、スムーズに取引を進める目的で、リース会社の担当者に「代理店をウチにすることを先に伝えて欲しい」と依頼される場合があるので、きちんと代理店の情報を伝えましょう。
リース会社を指定して契約する場合は、できるだけ代理店に配慮することが、契約をスムーズに進めるコツです。
リース会社を指定するそれぞれの事情
一見、面倒に見えるリース会社の指定ですが、リース会社をあえて指定する会社側にも、それなりの事情があります。
おそらく、この記事をご覧の方は明確な理由があるものと思いますが、他社ではどういった理由からリース会社を指定しているのか把握しておくと、今後リース会社を選ぶ際の一つの指針になるはずです。
以下に、リース会社を指定する会社が、どのような事情を抱えているのかについてご紹介します。
リース契約の一元管理
大規模な企業に多いケースで、おそらくもっとも多い事情だと思われます。
企業活動の中で、企業は様々な物件に対してリース・ローンを組むものです。
しかし、大抵の場合、契約する時点では、どの会社もリース会社の一元化は考えていません。
費用対効果を考えたり、予算の関係で限界があったりすると、どうしても契約できるリース会社や物件に限界が生じてきます。
そのため、会社が成長途中にある場合は、契約時点でもっとも良い条件のリース会社を使うことが理にかなっています。
しかし、核となる事業ができ、安定して収益を出せるようになると、今度は複数のリース会社と契約している状況そのものが問題になります。
例えば、決算を迎えた際、支店ごとにコピー機のリース会社やモデルが違うと、一つひとつの契約状況をチェックするのが大変です。
それならいっそ、経営状態が落ち着いたところで、リース会社もメーカーもひとまとめにした方が便利だと考えるのは自然です。
こうして、リース会社の一元管理を考える目的から、多くの会社は自社指定を考えるのです。
銀行系リース会社との信用実績を作る
リース会社の指定は、必ずしも管理を楽にする目的だけで行われるとは限りません。
将来を見据えた目的から、あえてリース会社を選ぶケースもあります。
例えば、いわゆる銀行系と呼ばれるリース会社を選んで契約し、今後何らかの理由で融資を受ける際の条件を有利に進めたいと考える会社が、自社指定を検討する場合があります。
金融機関との信用を作る上で、銀行系リースの審査を通しておくことは、大きなメリットになります。
特定の銀行系会社でリース契約を結ぶことにより、その実績を評価されれば、将来的に大きな融資を受けられる可能性が高まるからです。
銀行系リース会社は属性(お客さんの質)も良く、手数料も相対的に見て安い傾向にあります。
その分、審査は厳しめなので、かんたんに通るとは限りません。
ただ、会社として実績があり、決算書などの審査資料も用意できるような状況であれば、チャレンジする価値はあります。
そこで、信頼できる代理店に相談し、何とか契約を結びたいと考える契約者もいるようです。
審査に通らないかもしれない事情がある
どちらかというとネガティブな事情になりますが、代理店がベンダーリース契約を結んでいる業者では、審査に通らなさそうな属性の人もいます。
その場合、審査基準がゆるいと考えられているリース会社を頼るケースがあります。
信販系のリース会社は、比較的審査は緩い方に該当しますが、それでもあきらかに問題がある人は審査を通さないでしょう。
特に、借金や過去の滞納歴などは信用情報上で必ずチェックされるため、そこで引っかかるとアウトになります。
そこまで悪い属性ではないにせよ、審査に通るか不安があるため、信販系よりもさらに審査が緩い一部の会社を頼ってリース契約を結ぼうと考えるわけです。
ただ、そういうリース会社は、そもそも評判も悪い傾向にあるため、そんなところで契約を結ぼうと考えるなら中古を買うよう説得されるかもしれません。
また、審査が緩いところは手数料も高いので、結果的にリース料が大きくはね上がる可能性もあります。
よって、前向きな理由でない限り、自社指定にメリットはないものと考えておきましょう。
リース会社の系統について
リース会社を自社指定する一因として、リース会社の系統を気にするケースがあることをご紹介しました。
実際、各系統に応じて審査の難易度や客層も違うため、リースの審査を通しやすくすることを考えるのであれば、一度頭に入れておくと便利です。
続いては、リース会社を自社指定する参考情報として、各リース会社の系統についてご紹介します。
銀行系
三菱UFJリース・商工中金リースなど、金融機関系が母体となっているリース会社です。
銀行の法人顧客・営業ネットワークと顧客層が重複することが多いため、エリア営業やグループ企業との取引が得意という特徴があります。
手数料は安い反面、審査は厳しい傾向にあります。
独立系
オリックスなど、特定の出資元を持たずに独立した経営を行っているリース会社です。
幅広い分野でリースを行っており、こちらも銀行系と同様、手数料は安く審査は厳しいです。
良質な顧客を確保して、安定して利益を得る戦略と推察されます。
企業系
大手メーカーなど、企業がリースの分野に進出した結果、立ち上がったリース会社です。
メーカーが運営している事業とも密接に関係しており、リコーリースのようにコピー機のメーカーが母体の会社もあります。
メーカーが関わっていることもあって審査は辛めですが、手数料は安い傾向にあります。
信販系
クレディセゾン・アプラスのように、信販系の会社が母体となっているリース会社です。
審査基準は銀行系や独立系に比べてやや甘くなりますが、事故者がかんたんに通れるほど甘くはありません。
手数料は少々高めで、客層もそこまで厳選されていないという印象です。
その他
一部のリース会社では、手数料を高くする代わりに審査基準を甘めに設定しているところがあります。
それ自体は悪いことではないのですが、その分属性も悪くなり、口コミを見ると悪い評判ばかりというケースも少なくないようです。
あまり名前を聞かない会社・もしくは悪評が目立つ会社は、できるだけ避けた方が無難です。
この記事のまとめ
リース会社を自社指定のリース会社にできるかどうか、自社指定に関する細かい事情も含めてご紹介してきました。
イレギュラー対応であることに変わりはありませんが、ルール上絶対に許されない方法ではないため、詳しく事情を説明すれば代理店も協力してくれるかもしれません。
ただし、あくまでもポジティブな理由で依頼するにとどめ、審査を通しやすくする目的で変な会社に騙されないよう注意しましょう。
自社指定を依頼する場合は、代理店のアドバイスを聞きつつ、どうしても譲れない理由がある場合のみお願いするのが賢明です。