地方や離島でコピー機のリース契約は可能かどうか。
契約後のコピー機の保守やメンテ・修理はどうなる?

コピー機・複合機は、主に都市部オフィスで使われることを想定しており、競争率の関係から都市部の方がサービスも手厚い傾向にあります。
しかし、人口の少ない地方・交通の便が少ない離島など一部の地域では、複合機のリース契約を結ぶ際に制限があります。

条件こそ都市部に比べて厳しい傾向にありますが、決して不可能ではありませんから、その点は安心して契約できるものと考えて差し支えありません。

この記事では、地方・離島におけるコピー機・複合機のリース契約につき、契約を結べるかどうか・保守や修理サービスはどうなっているのかについてご紹介します。

地方における保守と修理

まずは、地方でコピー機・複合機を契約する場合の保守・修理についてお伝えします。

一般的に地方と言えば、大都市と比較して人口が少ないケースを想定しますが、都道府県によっては県庁所在地でも人口が少ない場合があり、簡単にくくることはできません。

コピー機・複合機を契約する際に「地方」として考えておいた方がよい地域の特徴、その地域における保守・修理サービスはどうなっているのかを知ることが、人口が少ない地域でのリース契約では重要です。

都道府県における人口差

東京・大阪のような大都市をベースに考えると、ほとんどの地域が地方都市扱いされます。
しかし、各都道府県に絞って考えると、人口100万人を超える都市はいくつもあります。

「実際にコピー機を使うことが多いオフィス」がたくさんある地域の方が、競争率も高い傾向にあるため、どちらかというと人口ベースではなく、オフィスベースで数を捉えた方が、コピー機・複合機のリース契約に関して言えば分かりやすいでしょう。
都会ほど価格が安くなり、オフィスが相対的に見て少ない地方になるほど、相場が高くなる傾向にあると考えられます。

人口の多い都市を把握する一つの定義として、以下のようなものがあります。

  • 県庁所在地
  • 政令指定都市
  • 中核市
  • 特別区(東京23区)

政令指定都市と中核市は、明らかに人口で区分されていますが、それ以外は区分に人口が関係しているわけではありません。
ただ、人口が集中しやすい要件を備えているためオフィスも多い傾向にあり、リース契約の際の不便も少ないものと考えられます。

主要都市から離れた地域を「地方」とすると……?

各都道府県の主要都市から大きく離れた地域を地方と定義した場合、リース会社側でカバーできる範囲なのでしょうか。
結論から言えば、都道府県の主要都市から車で数時間かかる街でも、十分リース契約・保守契約を結ぶことは可能です。

ただ、どうしても人口の多い地域に比べて相場は高くなりがちです。
本体は半値近い価格に下げてもらえたとしても、カウンター保守料金はかなりキツい相場になることも珍しくありません。

お店によってスタンスが違うことも珍しくなく、コピー機以外で稼げる要素をお店側が持っているかどうかによって、価格設定に差が生じる場合もあります。
やはり、基本は相見積もりで価格をチェックする必要がありそうです。

全国対応できるか、地域限定か

都市部で安い価格帯を実現している業者の中には、関東や関西といった人口の多い地域に絞って対応することで、価格を下げているところもあります。
大手になればなるほど、全国対応できるような仕組みを整えている傾向にあり、必然的に地方では大手との契約を余儀なくされる例が多くなります。

特に保守に関しては、サービスマンがどのくらいのスピードで来てくれるのか、不安に感じることもあるでしょう。
この点について、契約時に自社のある地域ではどうなるのか、事前に確認しておくことをおすすめします。

離島・僻地における保守やメンテナンスと修理

陸続きの地方とは違い、離島には海があり、交通の便は船か飛行機という状況です。
このような事情から、リース契約を結べる業者には制限があり、ほとんど大手のみの対応と考えておいた方が賢明です。

また、山間部のように人里から離れた地域も、事実上離島と同じ扱いを受けるものと覚悟しておきましょう。
これは、リース契約以外の契約についてもほぼ同様で、例えばレンタル契約なども地域に制限がある場合がほとんどです。

どうしても沖縄や離島は省かれたり例外扱いされやすい

各種リース会社には「対応エリア」というものがあり、コピー機・複合機の設置やサービスマンを派遣する地域に一定の制限を設けている会社が多く見られます。

通販サイトなど、他の商売でも同様のケースが多く、残念ながら沖縄・離島は省かれる率が高い傾向にあります。

沖縄・離島は本土と離れていることから、流通・流行も島独特のものとなっています。
例えば食料品などで、いわゆる「沖縄限定」の商品などが多数存在しているのは、本土で作って配送しようとすると、賞味期限の都合などから販売が難しいためです。

空輸しようにも、コピー機・複合機の大きさを考えると無理があり、関東や関西を中心に営業しているリース会社では、なかなか手を広げるのは難しいというのが現実です。

よって、リース契約を考える場合、どうしても一部の大手に頼らざるを得ないため、価格も割高になってしまいます。

大手だったら絶対に大丈夫か

全国対応を掲げている大手なら、沖縄・離島だからといって一概に断られる可能性は低いでしょう。
沖縄本島周辺の小さな島にも運べるよう、流通条件を整えているところもありますから、まずは全国対応可としている業者から当たってみるのが近道です。

ただし、注意しなければならない点もあります。
離島はどうしても一律の価格で費用を算出するのが難しく、価格表に必要な金額が載っていないことが多いからです。

もっとも、これはコピー機のリース会社ばかりを責められるものではなく、運送会社・通販会社も同様です。
離島料金は運送会社によっても価格帯が異なるため、どの会社がどこまでコピー機を運ぶのかによって、金額が大きく変わってきます。

どうしても、大都会を中心とした価格体系になっている点は否めず、その点は離島のデメリットと言えます。
ただ、そもそも契約を結べないリース会社も多いことを考えれば、対応してくれるだけありがたいと思った方が建設的かもしれません。

山奥も厳しい場合がある

離島は海が交通の便を制限していますが、地域によっては山が交通に影響を及ぼしている場合があります。
時々、地図上で場所が分からないような集落を見かけることがありますが、そのような場所にコピー機をリースする場合、難しいと断られる可能性は高いでしょう。

大都市の中でも、本当にここは市内なのかと疑うような地域は少なくありません。

一例として札幌市などは、区によっては自然が豊富で、山間の地域や郊外は集落のようになっているところも多いため、山に近い地域は事前に確認することをおすすめします。

東京も、奥多摩町や檜原村など、山梨に近いところには田舎がありますし、小笠原諸島や八丈島も行政区分は東京です。
自社の周辺が田舎だと自覚しているなら、できるだけ最初の段階でリース会社に確認した方がよいでしょう。

制約を考える必要はあるが、改善はなされている

ここまでご紹介してきた通り、地方や離島は確かに不利な一面は否めませんが、一概に地方だからといって不便を感じる必要はないでしょう。
離島・僻地はどうしても手を伸ばせない業者が多い部分は否めないものの、こちらも改善傾向にあります。

格安アピール業者よりもメーカーベースで

コピー機・複合機をメンテナンスしてもらうなら、やはり正規のメーカーを優先して選んだ方が、地方・離島に関しては安心できるでしょう。
全国規模で拠点があるため、何かあった時の対応力はスピーディーです。

地方に関しては、極端な僻地でない限り、概ね当日対応が可能となっているところが多く見られます。
離島は海を挟むため、どうしても時間がかかってしまう点はネックになりますが、それでも「修理に来てくれる」という安心感はありがたいはずです。

契約を結ぶ前に、メンテナンスのやり取りなどを、できるだけ事前にシミュレーションすることが大切です。
そうすることで、できること・できないことを事前に把握できるため、相見積もりや契約に関する相談がスムーズになるでしょう。

人材を柔軟に確保している業者を探す

リース契約を結ぶと、大抵の都市ではサービスマンが保守の対応をしてくれます。
ただ、地方・離島・僻地になると、そのサービスマンの内訳が変わってくる場合があります。

当然ながら、メーカーと言えど離島も含めた全国に営業所を持っているところは少なく、沖縄に営業所があれば大手クラスと考えてよいでしょう。
そのような中で重要なのは、柔軟にサービスマンを確保しているリース会社を選ぶことです。

特に、保守サービスを実施する先に拠点がない場合、業務提携先があるかないかで、対応にかかる時間が変わってきます。
契約前には、サービスマンはどのくらいで到着するのか・誰が対応してくれるのかを確認しておくと、離島や僻地では特に安心できるはずです。

購入で対応できるか

あまりに本土から離れていると、リース契約を結ぶのではなく、通販などでコピー機・複合機を購入して対応しようと考える人も多いと思います。
この判断が吉と出るか凶と出るかは、購入を検討している機種の性能や新しさが関わってきます。

購入機の場合、基本的にはカウンター保守契約などを結ぶことはありませんから、修理は別途費用が発生します。
ただ、新品で購入し、使用頻度もそこまで多くないなら、少なくとも耐用年数の間は気にしなくてもよいでしょう。

問題となるのは中古品の購入で、もともと使い古している分ガタがきているものを、遠方からはるばる運んでやって来るわけですから、到着したと同時に不具合が発生していてもおかしくありません。

このような場合は、単独で保守契約をあっせんしてくれる業者から購入した方が、故障時のリスクを減らせます。

この記事のまとめ

地方でのコピー機・複合機のリース契約は、基本的に支障なくできるものと考えて差し支えありません。

ただし、田舎の山間・離島でリースを検討しているような場合は、できるだけ対応範囲が広い・拠点が近いリース会社を選んだ方が、メンテナンスも楽になるでしょう。

利用頻度が低い場合は、あえて購入という選択をすることもできますが、それでも保守なしで使い続けるのはリスキーです。
まずは、リース契約の見積もりをチェックして、それで予算が合わない場合にのみ購入を検討することをおすすめします。

  • 公開日:2020.05.10

テーマ:リース契約, 保守・メンテナンス

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