コピー機をリース契約する場合どこを経由するのか。
メーカー直接?代理店経由?今のコピー機の契約事情。
コピー機をリースしたいと考える場合、リース会社の公式サイトから問い合わせたり、地域の代理店を探して見積もりを依頼したりする方法が考えられます。
しかしながら、今のコピー機界隈で最も一般的となっているのが代理店を経由して契約するパターンです。
実際、ほとんどのコピー機に関するリース契約は、いずれかの代理店を通して行われます。
また、意外かもしれませんが、諸事情から自社指定のリース会社で契約したいという場合も、代理店で対応してくれることがあります。
そのくらい、リース契約において代理店は重宝されています。
ここで疑問に思うのは、代理店を通さず「メーカーと直接契約を交わす」方法なら、もっとリース料を安くできるのではないか、という問題です。
この記事では、メーカーとの直接契約の可否に加え、代理店を介した契約が大多数を占める事情についてご紹介します。
メーカーとの直接契約は、購入という形が該当する
そもそものスタートの知識として、リース契約はメーカーと結ぶものではありません。
リース契約は、リースを提供してくれているリース会社と結ぶ事になり、メーカーと結べるわけではありません。
仮に、メーカーとコピー機のリース契約をしようと試みるなら、それはリースではなく直接購入という形になるため、リース契約という形態では扱われないのです。
リース契約の構造は三角関係
基本的な考え方として、リース契約というのは「メーカー・ユーザー・リース会社」の三角関係で成り立つ契約です。
それぞれの立場を簡単に説明すると、以下のようなニーズがあります。
- 【メーカー】コピー機を売りたいが、ユーザーには高く買ってくれない
- 【ユーザー】コピー機を買いたいが、先立つもの(お金)がない、抑えたい
- 【リース社】コピー機の購入の資金はあるが、自社が購入しても儲けがない
つまり、メーカーは買い手を探していて、ユーザーは資金提供者を探しています。
その2者の橋渡しをするのが、リース会社です。
リース会社はその資金力で、「お金がないけれどコピー機が欲しい」ユーザーのためにコピー機を購入し、耐用年数分を想定してユーザーに貸し出します。
すると、メーカーはコピー機が売れて喜び、ユーザーは初期投資額を抑え、経費的にも賢くコピー機を使えて喜ぶという構図が生まれます。
極めて単純な説明ですが、リース契約とはこのような契約です。
メーカーから直接購入するなら、やり取りはリースではなく「割賦」になる
もし、メーカー直属の販売店からコピー機を手に入れる場合、買取が原則です。
そのため、リースに類似した形でのやり取りを行うなら、「割賦契約」の形態が該当し、いわゆる分割払いとなります。
所有権は割賦を完了するまではメーカー側にあり、支払いを完了した段階でユーザーの所有物となります。
また、割賦契約は通常5年以内の完済というスケジュールで組まれるため、支払い後も使用する場合はランニングコストが安くなります。
こちらもリース契約と同様、中途解約は不可となることが多く、割賦契約を結ぶための審査も必要です。
大きな違いは、所有権が移転するかどうかという点です。
もちろん、割賦契約ではなく直接購入することもでき、その場合は販売店側にまとまった金額を支払って購入します。
要するに、リース会社という「資金提供者」がいなければ、リース契約は成立しないものと考えて差し支えありません。
リース料とカウンター保守料金の支払先は違う
ちなみに、コピー機を導入した場合、毎月支払う額として必要なものは2種類の料金が存在します。
- リース料金
- カウンター料金などの保守契約費
この時のリース料とカウンター保守契約の支払先は異なります。
請求先が違うことに気付いて、そこで初めて事実を把握する経理担当者も少なくありませんが、代理店はあくまでも契約の窓口に過ぎません。
実際にリース料を支払う相手はリース会社で、カウンター保守料金はメーカー(サービスマンを派遣するため)に支払います。
カウンター保守料金に関しては、メーカー側で直接契約を結ぶケースもあります。
基本的なお金の流れ・契約の流れを覚えておくと、イレギュラーケースで契約を結ぶ際に話の通し方が分かりますので、参考情報としてお伝えします。
後述しますが、代理店とカウンター保守料金の契約を結ぶ場合もあります。
コピー機のリースは代理店を通す必要がある?
リース契約は、基本的にメーカーとユーザーの間に「リース会社」という存在がいなければ成立しません。
しかしながら、今のコピー機業界において、リース会社を通す際には、さらに代理店をもう1社はさむのが一般的です。
経由する会社が多くなればなるだけ、当然費用などがかさむため、一見デメリットに見えるかもしれませんが、メリットの方が大きいからこそ、今そうなっており、代理店を通す必要性についてを見ておきましょう。
ここで言う代理店というのは、それぞれのお店でリース会社との加盟契約を結んでおり、ユーザーの代わりにリース契約を結べる立場のお店を指します。
やはり、全国的に組織が多数存在しているだけあって、代理店を通して契約することのメリットは、確実に存在しています。
代理店を通すと手続きが早い
代理店の存在を一言で表すと「リース契約代行のプロ」です。
さらに言えば、コピー機を専門としているところも多いため、「コピー機のリース契約代行のプロ」であり、「コピー機に関するサポートもプロ」というところが今は一般的です。
自社の担当者が過去にリース契約を経験していたとしても、できるだけスムーズに契約を進め、見落としを避けるには、日々契約に携わっているプロに任せた方が早い場合があります。
リース契約を結ぶ際は、単純な契約内容・契約年数だけではなく、機種の質やコストの見逃しなど、事細かく数字を確認しながらチェックを入れなければなりません。
また、小さな会社は法務・総務担当者などがいないことも多く、よほど業界に精通していない限り、自力で契約書を作成して取り交わすのは難しいでしょう。
ただ、代理店もピンキリですから、できるだけ親切な対応をしてくれるお店を探さなければなりません。
自社の業態にそぐわない・無駄なサービスを付け加えられるおそれがあるため、一方的な説明に終始する会社・対応が不親切に感じられる会社とは、即座に契約を打ち切る姿勢が大切です。
できるだけ確実性を高めるためのポイントは、複数の代理店に「相見積もり」を依頼することです。
同じ希望・条件で見積もりを依頼しても、お店によって値段や用意する機種が変わってくることもありますから、自社に合致する見積もりを妥協なく選ぶことが大切です。
リース会社に直接依頼もできるが、正直現実的ではない
仮に、近所の代理店の対応が信用できないので、リース会社と直接契約を結ぼうと考えた場合、結論から言えば直接依頼を申し込むことができる会社もあります。
しかし、結局のところコピー機の販売会社とは別途やり取りが必要になりますし、そもそも直接ユーザーとリース会社がやり取りする窓口を明確に設けていない会社もあります。
また、代理店を経由するよりも審査条件が厳しいことも多く、新規設立した会社・負債の多い会社などは、それだけで門前払いを食らうことが予想されます。
代理店を介したからといって、極端に審査の通過率が上昇するわけではないものの、顧客の属性に応じたプランを用意できる可能性は高いはずです。
依頼するにあたり必要な情報は何か
代理店に対し、ユーザーである自社はどのような情報を伝えるべきなのでしょうか。
お店によって流れは様々ですが、基本的には見積もりを出してもらった後、担当者と契約にあたっての条件を詰める必要があります。
代理店の担当者は、ユーザーがどのくらいコピー機を使うのかについて把握するため、以下のような情報を確認します。
- 1ヶ月あたりのコピー枚数
- 普段行っている作業内容
- 業務において必要性の高い機能
上記の内容を確認した上で、ユーザーのニーズに最も合致した機種を担当者が選び、その提案内容にユーザーが納得すれば、そこから審査をかける形になります。
重要なのは機種とニーズのすり合わせで、この点をどれだけ丁寧に行えるかが、代理店の力を見せるポイントの一つです。
代理店の選び方とポイント
代理店は、親切であること・誠実であることが第一ですが、それ以外にも選び方の判断基準はいくつか存在します。
続いては、コピー機のリースにおける代理店の選び方について、いくつか気に留めておきたいポイントをご紹介します。
大手と中小の違いを知る
代理店は、大きく分けると大手と中小に分かれます。
それぞれの違いはやはり規模間で、大きいからこそ生まれる利点と、小さいからこそ生まれる利点があります。
大手は価格や機種の面で選択肢が多い反面、柔軟な対応が難しい傾向にあります。
これに対して中小企業は選択肢が大手よりも狭まる反面、対応がスピーディーで柔軟です。
コピー機を選ぶ以上、できる限り自社の希望に最大限合致したモデルを導入したいという場合は、大手に依頼した方が納得のいく結果につながるでしょう。
逆に、とにかく早くコピー機を導入したい・早めの回答が欲しいといった事情であれば、中小代理店の方が気軽に頼めるはずです。
メーカーを絞って選ぶ方法もある
規模感以外では、その代理店が「どのメーカーを扱っているか・どのメーカーに強いか」という点にフォーカスするのも一つの方法です。
代理店によって結びつきが強いメーカーというのが存在していて、例えばA店は京セラに強い・B店はシャープの品ぞろえが豊富、といった情報は、大事にしたいところです。
一つのジャンルに強いお店は、メーカーの縛りこそあれ、その範囲では無類の強さを発揮します。
メーカーにこだわらず、とにかく機能と値段のバランスを考えたいなら、逆に一つのメーカーとの取引が多い代理店の方が、選択肢が多いことも珍しくありません。
メンテナンス形態についても確認する
代理店を選ぶ際にもう一つ気にしておきたいのが、メンテナンス形態の違いです。
保守契約を結ぶ場合、メンテナンス形態は大きく分けて対応が2種類あり、メーカーがサポートするか代理店がサポートするかで決まります。
メーカーサポートのメリットはその安心感で、専門性の高いサービスを受けられます。
ただ、ある意味ではそれだけの関係なので、ビジネス・リースに関する相談を受けてもらうことはできません。
代理店がサポートする場合、保守料金は代理店に支払う流れとなり、メンテナンスに関する相談も比較的スムーズになります。
ただ、技術の精度にバラつきがあることも想定され、誰もが同じ技術を持ち合わせているとは限らない点に注意が必要です。
こういった違いを理解しつつ、最終的に自社がどのお店を選べば満足できるのかを確認することが、長期間の契約となるリースにおいて重要です。
この記事のまとめ
コピー機をメーカーと直接契約する場合、それはリース契約ではなく割賦契約という扱いになります。
あくまでも、第三者がユーザーの代わりにコピー機を購入して、それをユーザーに貸し出す契約が「リース契約」となる点に注意しましょう。
また、代理店を介さずにリース契約を結ぶことは不可能ではありませんが、数多くの手間がかかるので、やはり代理店を通した方が賢明です。
ニーズに応じて代理店の選び方も変わってきますから、できるだけ自社の考え・希望を汲んでくれる代理店を選びましょう。