似て異なるコピー機のリース契約と購入とレンタル。
それぞれの違いや特徴と、用途別でのオススメを比較。
コピー機は、主に3つの方法で取得するのが一般的です。
具体的には、リース契約・購入・レンタルの3つが挙げられます。
主流となるのはリース契約ですが、契約を結べないケースも一定数存在しているため、リース以外の選択肢も頭に入れておきたいところ。
実際、事業規模や事務所の形態などによって、必要な期間・スペック・数量は変わってきます。
この記事では、コピー機のリース契約・購入・レンタルという3つを比較した上で、それぞれの違いとお得になるケースについて、特徴を比較しつつご紹介します。
一見お金がかかりそうな手段であっても、長い目で見れば得をすることもありますから、できるだけ先入観を持たずにチェックすることをおすすめします。
リース契約と購入の違いを比較
まずは、リース契約と購入の違いを確認してみましょう。
契約形態が異なれば、その分自由度や責任の範囲も変わってくるため、費用だけのことを考えずにイメージすることが大切です。
購入すれば「自社のもの」として好きに扱える
コピー機を一括購入すれば、そのコピー機は自社のものです。
よって、リース契約につきものである「中途解約の違約金」や「5年間リース」といった、契約期間にかかる縛りがありません。
また、リース契約は原則として新品のコピー機を購入する必要があるのに対し、購入の場合は新品・中古のいずれを選んでも問題ありません。
基本的には備品を購入する感覚のため、価格帯によってはリースよりも気軽に手に入れられます。
減価償却の手続きに加え、一括償却には条件を満たしていなければならないなど、経理的な処理はリース契約よりも面倒かもしれません。
ただ、大きく負担がかかるわけではなく、数年にわたって償却できるため、実質的にリース契約とそう変わらないと判断するケースも十分考えられます。
注意点としては、カウンター保守契約を別途結ぶ必要がある点で、こちらは購入時に事前の確認をしておいた方がよいでしょう。
所有権が自社にあることで、リース会社に配慮せず、コピー機を自由に扱えるメリットもありますから、オフィスの移動が多い・事務所単位でコピー機を管理している会社であれば、購入の方が勝手は良いかもしれません。
リース契約を結べば、初期費用と面倒な処理を省ける
リース契約を結ぶ最大のメリットは、コピー機という大きな備品を購入する初期費用を、リース会社に肩代わりしてもらえることです。
コピー機は中古でも数十万円を支払う必要があり、新品ともなると100万円単位のお金が動きます。
会社が軌道に乗り、資金が潤沢ならまだしも、できれば一気に手持ちの現金を減らすようなことは避けたいところ。
そこで新品のコピー機をリースして、毎月の安いランニングコストで使えるのなら、長い目で見てそちらの方が経営者としては魅力的です。
一度コピー機を購入してしまうと、それは帳簿上「減価償却資産」となってしまい、税金が発生します。
こういったデメリットを理解した上で、好き勝手に使うことを選んで購入するか、費用や経理手続きを楽にするためにリース契約を結ぶか、各社の事情に応じて選ぶことになるでしょう。
コピー機を利用する期間によって選択肢が変わる
コピー機を手に入れるにあたり、購入・リース契約のどちらを選ぶかは、自社でコピー機をどのくらい利用するのかによって変わってきます。
少なくとも5年はオフィス移転を考えていないのなら、リース契約を結んだ方がメリットは大きいでしょう。
ただ、リース契約を結ぶためには「審査」という関門があります。
ここを通すことができない場合、残念ながらリース契約を結ぶこともままならないため、必然的に購入を選ばざるをえません。
特に、中古品を購入する選択肢を選ぶ場合は、取り急ぎ必要なものを用意するというニュアンスがほとんどです。
リース契約を結ぶ選択肢を選べるなら、基本戦略としてリースを考え、保険として購入を検討する二段構えで臨んだ方が賢明です。
リース契約とレンタル契約の違いを比較
続いて、コピー機をレンタルした場合、リース契約と何が違うのかについて触れていきます。
購入と違い、定期的にランニングコストを支払った上でコピー機を利用するのは同じですが、メリットやデメリットはそれぞれで異なります。
何事も「レンタル」は気軽に対応できる
レンタルしているコピー機の所有者は、コピー機のレンタル業者です。
つまり、自社が何らかの形で1つのコピー機に深く関わっているわけではないため、経費としての処理もスムーズですし、いつまで借りるのかを柔軟に決められます。
レンタルという契約形態は、リース契約の欠点である「中途解約ができない」という問題点を解決してくれています。
会社を小さくする・事業所を移転するなどの事情が生じても、痛みを伴うことなく解約ができるのは大きな魅力です。
また、期間を細かく区切ることができるため、イベントの期間中や現場が稼働するまでの間だけ、コピー機を使うこともできます。
時間的な自由度に加え、予算も使う分だけに抑えたい場合は、有効な選択肢と言えるでしょう。
リースなら新品が使える
期間の面では大きな制限のあるリース契約ですが、利点としては新品が長期間使える点にあります。
レンタルは、そのビジネスモデル上、新品を常に貸し出すことはできません。
中古商品ということは、その分新品よりも機能性は劣るため、予期せぬ故障やトラブルに見舞われる確率は高くなります。
また、想定していた機能が付属していないことも想定され、そもそも選択肢自体が限られるというリスクもあります。
金額の面でも、レンタルは毎月のランニングコストの中に保守料金も含まれているため、総じて見ると高くつきます。
会社としてコピー機を利用する期間が長く、印刷物の一定の質を担保する必要があるなら、リース契約を選んでおいた方が確実かもしれません。
予算と期間の間で判断が分かれる
レンタルを使う場合、あくまでも短期契約・短期利用の場合に限り、メリットを最大限受けられるものと考えた方がよいでしょう。
具体的な期間としては、概ね3ケ月~半年といったあたりが、レンタルの恩恵を最大限受ける契約期間です。
これ以上長くコピー機を一カ所で使用するなら、やはり今後のことを考えてリース契約を結んだ方が賢明です。
開業してから2年目で移転を考えたとしても、その後場所を転々とすることは考えにくいでしょうから、やはりリースの方が長い目で見て有利です。
最大で1年をベースに、移転の頻度と相談して、より予算が安くおさまる方法を選びたいところです。
購入とレンタルの違いを比較
基本的に、法人のコピー機の使用に関しては、リース契約ありきで話が進みます。
しかし、購入やレンタルにもそれぞれの利点があり、一概にリース契約ばかりが事業形態等を問わず法人に向いているとも言い切れません。
そこで、参考情報として、購入・レンタルを比較した際はどうなのか、それぞれの特徴・メリットなどをまとめました。
リース契約を見送る場合の参考情報として、比較検討に役立てていただければ幸いです。
購入なら長い目で見て月ごとの費用は安い
コピー機を購入するなら、一括払いが基本です。
そもそも割賦で購入するくらいなら、リース契約を結んだ方がメリットも大きいからです。
購入時には、かなりの大金が飛んでいくことになりますが、購入後のコピー機に関する料金の請求はないので、今後の支払いを気にする必要はありません。
保守料金の支払いは原則として毎月あるものの、隔月払いのところもあるため、予算に応じた出費の調整ができます。
また、購入時は新品・中古を問わず、自社の欲しい・必要な機能を探しながら機種を選べます。
利用頻度が比較的多く、本当に必要なものを選びたいなら、レンタルよりは購入の方が有利です。
借りたら返すレンタルは身軽さが魅力
一度に大きなお金を必要とする購入に対して、レンタルはその身軽さをフルに活用した利用方法が適しています。
特に、事務所をこれから移転することが分かっている場合・営業先がコロコロと変わるような場合は、印刷物を用意するニーズが最低限のものならレンタルで十分です。
中古品しか選べないというデメリットもありますが、短期的に使用する限りはコスパと自由度が高いので、リースや購入とは違う便利さがあります。
借りる期間をあらかじめ想定しておけば、その分だけ予算が組めるため、ランニングコストの不安も少なくなるはずです。
長くは使えませんが、それでも当座の役割を果たしてくれる機種を手早く用意できるため、数ある選択肢の一つに据えておくのがよいでしょう。
リース契約が結べなかった際の「プランB」として
購入にせよレンタルにせよ、ベースとなる「リース契約」というプランが選べなかった場合のために、保険として残しておく意味合いが強い購入方法です。
そのため、コピー機を何らかの形で利用しようと考えているなら、まずはリース契約の審査に通るかどうか試してみることをおすすめします。
経営状況や借金の残存額などが審査では考慮されるため、残念ながら審査に通らなかった、というケースは珍しくありません。
ただ、自社に十分な体力があり、少なくとも設立から3年以上が経過しているなら、挑戦する価値はあるはずです。
そこで、残念ながらリースの審査に通らなかった場合に限り、購入やレンタルを検討した方が失敗は少ないでしょう。
もちろん、明らかに購入・レンタルを選んだ方が得になることが分かっている場合は、その限りではありません。
この記事のまとめ
リース契約・購入・レンタル、それぞれの特徴や利点についてまとめてきましたが、実際のところ、この問題は会社によってニーズが異なります。
つまり、会社によって結論がそれぞれ異なるため、最終的には自社の事業規模や営業形態に応じて判断しなければならない問題です。
ただ、リース契約をベースに考えるのと、購入・レンタルのみに絞るのとでは、選択肢の幅が違います。
もともと考えていた予定を見直す余地を設けるためにも、選ぶ段階では可能な限り選択肢を増やしておいた方が、長い目で見て後悔しないはずです。