カウンター料金は、メーカーで名称が変わる?
間違えないためにも、正式名称を知っておこう!
コピーした用紙の枚数に応じて料金が発生する「カウンター料金」という概念は、日本のOA機器業界において広く普及しています。
しかし、各メーカーの正式名称をチェックしてみると、一見しただけではカウンター料金のことを言っているのかどうか分からないものも少なくありません。
ふたを開けてみると、そこでようやくカウンター料金のことを言っていると分かるのですが、コピー機関連の契約に詳しくない人にとっては、混乱しやすいポイントの一つでもあります。
この記事では、メーカーごとに名称が変わるカウンター料金の正式名称について、国内主要メーカーのものをご紹介します。
富士ゼロックスの場合
まずは、富士ゼロックスのケースについてお伝えします。
正式名称の中に「カウンター」という文字が含まれていないため、名称だけを聞くとプランが分かりにくいかもしれませんが、基本的にはカウンター料金という位置づけで問題ありません。
保守サービス契約名は「トータルサービス契約」
富士ゼロックスの保守サービス契約名は、トータルサービス契約という名称が正式名称です。
ドラム・トナーカードリッジなどの消耗品と、保守サービス料金が含まれています。
消耗品の中には用紙・ホチキス針は含まれておらず、有効期間は5年間です。
機械の修理と点検・トナーカードリッジなどの配送・部品交換が具体的なサービス内容になります。
スポット保守契約は「スポット保守サービス方式」
カウンター契約という形ではなく、要請の都度有料で保守対応を依頼する方式は、富士ゼロックスではスポット保守サービス方式と呼ばれます。
消耗品は機械本体とは別に購入し、保守サービスは都度有料で依頼する流れになります。
キャノンの場合
続いては、キャノンにおける正式名称についてお伝えします。
名称を見て、メンテナンスにかかる料金だということは分かりますが、人によっては聞き慣れない単語が含まれているかもしれません。
保守サービス契約名は「メンテナンスギャランティ」
キャノンの保守契約サービス名は、メンテナンスギャランティという名称が正式名称です。
ギャランティとは英語で「guarantee(保証)」であり、メンテナンスギャランティを直訳すると「管理保証」となります。
契約期間は契約開始から1年間で、次年度以降は1年単位で更新がかかります。
キャノンの認定カスタマーエンジニアがユーザーのオフィスに向かい、点検・部品交換を行います。
また、保守サービス料金は「MG料金」と略され、サービス技術料・ドラムユニット貸与料・トナー・消耗部品代が含まれています。
オプションとしては、設定変更・追加設定を行うサービス「設定おまかせサポートサービス」などがあります。
スポット保守契約は「スポットサービスギャランティ」
いわゆるスポット契約の正式名称は、スポットサービスギャランティが正式名称となっています。
ユーザーの要望に応じて、本体の修理や調整・部品交換を都度有料で行うタイプのサービスです。
契約締結時に、トナーとドラムユニットを購入する形となります。
リコーの場合
続いては、リコーにおける正式名称についてお伝えします。
こちらも一目見てカウンター料金だと気付きにくい名称になっているため、確認しておいた方が確実です。
保守サービス契約名は「パフォーマンス契約」
公式サイトでは、リコー独自の複写機保守サービスシステムと説明されており、正式名称はパフォーマンス契約です。
保守契約のことは「パフォーマンス」・保守料金は「パフォーマンスチャージ」という名称で呼ばれています。
定期的な保守・部品交換・修理依頼への迅速な対応など、基本的な内容は一般的なカウンター契約と同じものと考えてよいでしょう。
契約有効期間は5年となっており、5年経過後は1年ごとに自動更新され、部品の打ち切りまで有効となります。
注意点として、パフォーマンスチャージが6年目は8%増し・7年目以降は12%増しとなります。
再リースを検討する際は、単価・見積もりを確認する必要がありそうです。
スポット保守契約の名称は、ほとんどそのまま
都度有償で修理・部品交換などを行うスポット保守契約については、名称に特徴があるわけではなく、スポット保守と紹介されています。
感光体・トナー・廃トナーボトルなど、状況に応じて購入が必要です。
エンジニアの訪問は、保証期間内であれば基本料金・技術料金ともに無料ですが、保証期間を過ぎると、基本料金と技術料金が発生します。
京セラの場合
続いては、京セラにおける正式名称についてお伝えします。
名称を見る限り、他のメーカーと比較すると、何に対する料金なのかが分かりやすくなっています。
保守サービス契約名は「コピーチャージ保守」
京セラにおける保守サービス契約の正式な契約名は、コピーチャージ保守です。
コピー機に関する料金のことを言っていて、さらに保守にかかっていることが分かりますから、パフォーマンス・ギャランティなどの表現よりは直接的かもしれません。
サービスマンが直接現地に向かい、点検・調整をしてくれるのは他のサービスと一緒です。
また、オペレーターの電話対応も含まれていることが、公式サイトで明記されています。
カウンター料金に含まれるものは、トナー代・感光体代・部品代(交換含む)・修理代・出張費・人件費となっています。
スポット保守契約の名称は大きく変わらない
京セラも、他メーカー同様にスポット保守対応を行っています。
公式サイトでは「スポット保守」という名称で紹介されていますから、意味を誤解することはないはずです。
スポット保守を選んだ場合、サービスマンの出張費や修理費・部品の交換など、一般的な保守サービスにおいて発生する料金を都度支払う形になります。
コニカミノルタの場合
続いては、コニカミノルタにおける正式名称についてお伝えします。
他のメーカーと比べてストレートな表現になっているので、見ただけで何のことを言っているか分かるでしょう。
保守サービス契約名は「チャージシステム」
コニカミノルタの保守サービス契約名は、チャージシステムとなっています。
機種ごとの最低料金に加えて、月間印刷枚数に応じた単価がカウントされます。
不具合が生じた場合に無償で修理してくれるのも、他サービスと変わりません。
有効期間は申込日から2年間で、部品・資材の供給終了となるまでは、1年ごとの自動延長となっています。
スポット保守契約の名称は「スポットシステム」
スポット契約に関しては、ほぼそのままの名称が使われています。
機械の修理やトナー・部品の交換など、要請した都度料金を支払う契約内容になっているのは、他のメーカーと変わりません。
OKIの場合
ちょっと変わったケースとして、いわゆるカウンター料金という形でお金を支払うわけではないものの、5年間の無償保証をつけている会社・OKIについても触れておきます。
こちらもインターネット上では名前を見かけるメーカーで、無償・有償の別でサービスの名称が変わるため、新しく契約を検討している人は頭に入れておくとスムーズかもしれません。
定額料金制は「オンタイム(定期契約)サポートサービス」
多くのメーカーが導入しているカウンター料金の仕組みは、OKIにはありません。
代わりに、5年間の製品保証・メンテナンス品の5年間無償保証がついてくるプランがあり、それをオンタイムサポートサービスと呼びます。
契約期間中、何度でも出張修理サポートを呼べて、故障した場合も優先的に対応してくれます。
カウンター料金0円プランとしてOKI製品を紹介している代理店もありますが、この点については詐欺の類ではありませんから、安心して大丈夫です。
カウンター料金が0円なのに、どうして無料で提供できる?
他のメーカーがカウンター料金を請求しているのに、どうしてOKIは無料にできるのでしょうか。
答えは、そもそもカウンター料金とは別の方式で、ユーザーに費用を請求しているからです。
OKI製品は、いわゆる「トナーキット契約」以外の契約ができません。
そのため、無償保証があったとしても、たくさん印刷する会社の場合は、かえって費用が高くつく可能性があります。
しかし、宣伝内容として「カウンター料金0円」と表示しているケースは往々にして存在するため、実際にトナーを交換したらどのくらいの値段になるのか、事前にシミュレーションが必要です。
契約内容としては、どちらかというと中級者~上級者向けになりますから、その点は注意しましょう。
スポット契約は「スポット修理サービス」
OKIでもスポット契約は用意されており、依頼ごとに料金を支払う形で契約することもできます。
こちらの名称はスポット修理サービスとなっていて、特段分かりにくい名称ではありません。
この記事のまとめ
カウンター料金の名称は、各メーカーでちょっとずつ違い、中には一見して何の費用を示しているのか分からないケースも珍しくありません。
代理店を通して話をする場合、カウンター料金という名前で説明してもらえば話が通るのですが、本体購入後に単独で保守契約を結ぶ場合、正式名称が分からないと戸惑ってしまうかもしれません。
また、メーカーによっては、そもそもカウンター保守契約に対応していないケースもあることから、一見同じような名称だからといってすんなり契約してしまうと、結局高くついてしまって後悔するケースもあります。
「本体価格が安い」・「カウンター料金無料」という宣伝文句だけを鵜呑みにしたまま契約すると、後々ランニングコストを振り返ってみて、こんなに高かったのかと驚いてしまうでしょう。
暗記する必要はまったくありませんが、各メーカーのサービス名称と、具体的なサービス内容を見比べておくと、契約時の勘違いや見落としを防げます。
特に、一風変わった契約だったり、極端に初期投資が安かったりする場合は、その名称が意味するところをきちんとチェックすることが大切です。