古くなったコピー機や複合機の処分について。
契約によって変わる処分・廃棄方法と費用と注意点

オフィスで使われるコピー機・複合機は、処分方法に悩む機器のひとつです。

リース契約が満了した際は、買い上げ・返却・再リースといった方法から選ぶことになりますが、自社に所有権があるコピー機・複合機の場合は、何らかの形で処分しなければなりません。

業務用コピー機は、家庭用と同じ扱いでゴミとして廃棄できないため、別の処分方法を選びます。
方法もいくつかあるため、自社にとって最も得になる方法を選びたいところです。

この記事では、古くなったコピー機・複合機の処分・廃棄方法について、実際にかかる費用や注意点などに触れつつご紹介します。

コピー機・複合機を処分する際、最初にやっておきたいこと

不要になったものは、できるだけ早く処分したいと考えるのが人情ですが、コピー機・複合機を処分する前には、いくつか事前に済ませておかなければならないことがあります。

言われてみればとても簡単なことですが、実際のところ意外と忘れがちなので、廃棄・処分する前に把握しておきましょう。

リース契約を結んでいる場合は、リース会社に連絡を入れる

そもそも論を言えば、リース契約を結んでいるコピー機・複合機は勝手に処分などはできません。
不具合などの理由から処分したいと考えることがあるかもしれませんが、リース契約のコピー機は、あくまでも所有者は自分ではなくリース会社になります。

そのため、いかなる理由であっても、まずはリース会社に連絡する事無く処分することはできません。
コピー機・複合機の所有権を持っているリース会社に一度連絡し、どのような形で処分すべきなのか、担当者と話をしてから処分しましょう。

仮に、リース会社への連絡をせずにコピー機を処分すると、損害請求の対象になる場合がありますから、事前連絡を決して忘れないようにしてください。

あくまでも自由に処分や破棄して良いとなるのは、購入や自社が所有権を持つコピー機となりますのでくれぐれも注意しましょう。

コピー機の中にあるものを取り除く

コピー機本体の中に入っている備品については、処分する段階で回収することを忘れないようにしましょう。
具体的には、トレイに入っているコピー用紙・各種トナーなどが該当します。

使っていないコピー用紙は捨てずにそのまま使えますから、コピー機の廃棄が決まった段階で、処分する前日には回収するようTODOを設定しておきましょう。

トナーはコピー機と一緒に考えてしまいがちですが、こちらも処分方法が異なりますので、マナーとしてトナーは取り外します。

データを全削除する

コピー機自体の処理としては、内部に保存されているデータの全削除が重要です。

オフィスなどで使用している機種の中には、自動でデータが削除される仕様になっているものも多いですが、ビジネスシーンでは大事なデータを残しておくため、設定を変えているケースもあるからです。

個人情報・顧客の重要なデータが流出してしまうのを防ぐためにも、きちんとデータを消去しておかなければなりません。

データを消去する方法は、各機種によって定められています。
簡単な方法は「初期化」で、コピー機本体の初期化スイッチを押す方法・タッチパネルから初期化のメニューを選ぶ方法などが挙げられます。

また、機種に記録媒体があるなら、できればそれも取り外したいところです。
機種にもよりますが、HDDの取り外しができる構造になっているなら、回収・売却等の処分を行う前に取り外しておくとスムーズです。

処分方法・費用を選ぶ

処分する方向性が決まったら、次は処分方法を選びます。
それぞれ、費用がかかるもの・かからないものがありますから、予算やモデルの質に応じて検討しましょう。

家庭用の延長線にあるような大きさなら、ゴミとして扱っても支障はないかもしれませんが、図体が大きければ大きいほど、処分に気を配る必要があるでしょう。

ゴミとして廃棄・リサイクルを検討する方法

コピー機・複合機は、家庭用の粗大ゴミと同じように処分することはできません。
そのため、自治体に事前に連絡を入れて、業務用のゴミとして廃棄する必要があります。

大抵の場合、産業廃棄物として専門業者に回収をお願いします。

コピー機以外の機器と合わせて処分してもらうこともできますが、その分料金が発生するため、一般ゴミとして廃棄できるものは、できるだけ自力で処分した方がよいでしょう。

状態によっては、廃棄するよりもメリットがある方法もあり、その一つがリサイクル業者への売却です。
費用をかけず商品として回収してもらえるなら、その方が得です。

条件として、大きな傷やパーツの破損などがないことを挙げる業者が多いですが、問題がなければ買取は成立しますし、損傷等がなければ別のパーツも一緒に回収してもらえます。

査定の際は掃除を行い、できるだけきれいな状態で出し、コピー機自体も正常に動くかどうか確認しておくと安心です。

何らかの形で売却する方法

単純にスペックの古さが処分の理由で、使えばまだ元気に動くなら、市場に頼らず自分で売却を検討する方法もあります。

一例として、オークションサイトやフリマアプリを使う方法があり、手続きが面倒で送料も負担する可能性はあるものの、上手くいけば二束三文でリサイクル業者に回収を依頼するよりも高値が付く場合があります。

個人オフィスなどで使うような小型機は、同じように小型機を使う人にとってニーズがあるものと考えられますから、ひょっとしたら買い手がつくかもしれません。

時間的余裕があるなら、出品を検討してもよいでしょう。

少しでも売れやすくするには、ネット上での見た目が肝心です。
情報量が多い出品者を買い手は歓迎するため、写真写りをキレイに見せるだけでなく、一つひとつの箇所を細かく撮影して出品します。

また、交渉のメッセージについても、できるだけ丁寧な対応を心がけ、販売条件を柔軟に考えることをおすすめします。
最低「このくらいで売れればいい」という利益を見積もった上で、値下げ交渉を想定して出品価格を検討することもテクニックの一つです。

その他の方法あれこれ

ここまで、主に自社でコピー機を保有している状況において、基本的な処分方法・少しでも利益を出せる処分方法についてお伝えしてきました。
ここからは、直接的な利益が出るわけではないものの、間接的に得をする処分方法・ちょっと変わった処分方法についてお伝えします。

買い替え・乗り換え

コピー機を購入した場合で、新しい機種に買い替えを検討しているなら、かつて購入した業者に相談してみましょう。
費用をかけて処分したり、売却したりするために知恵を絞ることなく、古い機種を引き取ってくれる場合があるからです。

逆に、メーカーに連絡して回収してもらおうとすると、お金が余計にかかってしまいますから、やめた方が賢明です。

リース契約自体はまだ続いており、将来的に処分を検討してるなら、新しい機種への乗り換えが便利・お得です。

残債の一括払いも必要なくなりますし、長期リース契約を結ぶことでランニングコストを減らせる場合もありますから、検討しているなら一度見積もりを出してもらいましょう。

以下の条件を満たしていれば、乗り換えが有利になる可能性があります。

  • 同じコピー機、複合機を3年以上使っている
  • 残債を組み込んでも毎月のランニングコストが安くなる試算ができる
  • 保守契約の割り引きもある

最終的には、同じリース会社に頼んで見積もりを出してもらってからの判断になりますが、現在使っている機器の不具合が目立つようなら、検討してみる価値はあるでしょう。

寄付

お金を寄付することはあっても、コピー機を寄付するという発想はないかもしれません。
しかし、コピー機の寄付を募集している国もあります。

一部の国では、現在使用しているコピー機に不具合があり、業務に支障が出ているから寄付をして欲しいと呼びかけている団体もあるようです。

身近なところでは、会社近所の住民・周辺の会社・学校などで、まだ使えるコピー機を欲しがっているケースが考えられます。
寄付という形を取れば、相手方にも感謝してもらえ、今後の関係を円滑に進めることもできるかもしれません。

団体によっては、寄付した場合の送料負担に応じてくれるところもあります。
モデルの古さから売値がつかない・離島や僻地のため引き取り手がいないなどの理由であれば、選択肢の一つとして寄付を考えておくのも良い方法です。

物々交換

自社で「コピー機の代わりに欲しいもの」があり、その交換対価としてコピー機を用意する考え方もあります。
いわゆる物々交換です。

インターネット上には物々交換サイトが複数立ち上がっており、使わなくなったコピー機と、自社で必要としている他のものと交換することができます。
相手方とのマッチングが必要ですが、お金を介さずモノ同士を交換できるのは、合理的で便利です。

交換の対象となるものは、ニーズに応じてまちまちですが、比較的大都市が多い都道府県であればニーズも豊富なので、交換に応じてくれるユーザーが現れるかもしれません。

都道府県別に案件を検索できるサイトもありますから、まずは軽い気持ちで出品してみましょう。

この記事のまとめ

コピー機・複合機が古くなったからといって、まだ使えるものを処分するのは、人によっては抵抗を感じるかもしれません。
しかし、コピー機の劣化は使用する回数が増えれば増えるほど進んでいき、最終的には週に何度も修理をお願いすることになるかもしれません。

精密機械であるコピー機・複合機は、その性質上繊細に扱わなければならず、しかも複数人が同じ空間で使うため、どうしても負担が集まりがちです。
オフィスに1台しかないようなら、やはりコンディション良好な機種に切り替えた方が、後々のことを考えるとプラスに働きます。

処分方法はたくさんあり、自社にとってどの方法がよいのかを検討する必要はありますが、上手くすれば損をせずにコピー機・複合機が処分できます。
また、目先の損得をあえて考えず、必要なところに寄付する方法を選べば、後々その際に構築された関係が活きてくる場面もあるかもしれません。

  • 公開日:2020.05.04

テーマ:コピー機の基礎

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