カウンター料金はコピー機メーカーで変わる?
A3での印刷や両面印刷の場合の料金はどうなるのか

カウンター保守契約を結んだ際に発生するカウンター料金は、全国統一の規格として料金が定まっているわけではありません。
各メーカーごとに違いがあり、メーカー同士を比較した時、単価の面で大きく差が付くケースもあります。

また、印刷するのに使った用紙の大きさや印刷方法の違いによっては、カウンター料金も変わってくるため、単純にコピー機の機能やリース料だけで選ぶと、後々のランニングコストに影響を及ぼすおそれがあります。

この記事では、カウンター料金のコピー機メーカーごとの違い、用紙・印刷方法の違いによる金額の差についてご紹介します。

メーカーごとにカウンター料金は異なる

冒頭でお伝えした通り、カウンター料金は全国一律ではなく、各メーカーごとに金額が違います。
リース契約は5年以上にわたって続くものですから、できるだけ契約を結ぶ前の段階で、料金体系の違いについて理解しておきたいものです。

特に安いのは京セラ

日本でコピー機を提供しているメーカーは多数存在していますが、カウンター料金の安さで異色なのは京セラです。
どの代理店経由で情報をチェックしても、モノクロ・カラーともに最安値となっていいます。

また、基本的にカウンター料金は印刷枚数が多ければ多いほど安くなるよう設定されていますが、京セラの場合は月間の印刷枚数が少ない会社であっても、全国平均を下回る単価で提供できている例もあるようです。

ランニングコストの安さありきでメーカーを選ぶなら、京セラに軍配が上がるでしょう。

もちろん、いくらランニングコストが安くても、カウンター料金だけで機種を決めるのはリスキーですから、必ず機種の特徴や機能を把握して、自社で使うのに必要十分なものかどうかを確認しましょう。

富士ゼロックス・キャノンなどは高め

ハイスペックな機種を揃えているメーカーとして知られているのが、富士ゼロックス・キャノンなどの老舗メーカーです。
こちらはカウンター料金も高い傾向にあり、主要メーカーの中でもトップクラスに位置します。

カラーの印刷性能が高い機種が多いため、デザイナーからは好まれる反面、一般的なオフィスで多用することを考えた際にオーバースペックという意見もあります。
よって、印刷物が特に多い職場や、印刷物の質にこだわりたい会社は、富士ゼロックス・キャノンを選んでも損はしないでしょう。

少しでもカウンター料金を安くしたいなら、シェアを奪い合う他メーカーとの競合が効果的です。
一概には言えませんが、やはり老舗メーカーはプライドが高い傾向にあるという声も少なからず聞かれるため、そこを突いた戦略です。

例えば、富士ゼロックスのカウンター料金を安くしたいなら、キャノン・リコーなどで安い単価を提案してくれた代理店の見積もりを持って行くと効果的です。
ライバル意識がよい方向に向かってくれれば、大きく見積額が下がることも十分期待できます。

仮に、京セラで安い見積もりを出してくれたものを持って行っても安くなるとは思いますが、下げ幅はそれほど期待できないでしょう。
あくまでも、富士ゼロックスが「ライバル視」しているメーカーであることが大切です。

印刷性能の高い機種は、メーカー問わずカウンター料金が安くなる

カウンター料金を考える上で忘れてはいけないのが、各コピー機の性能です。
分速で何枚印刷できるのか・月間でどのくらいの売僧を印刷するのかによって、単価は大幅に変わってきます。

月間の印刷枚数が10,000~20,000枚と大量であれば、その分モノクロもカラーも安くなりますが、1,000枚を切るようなら全国平均よりも高い価格になってしまうおそれがあります。

自社の月間印刷枚数の平均を知っておくことが、メーカー選び・機種選びにおいて価格を下げるのに重要ですから、リース契約を検討する前に毎月の印刷枚数をチェックしておくことをおすすめします。

A3紙・両面印刷を行った場合でも、カウンター料金に違いはない?

カウンター料金は、コピー機で印刷された枚数を基準に料金を計算しています。
一般的なオフィスで印刷することが多いのはA4紙ですが、枚数でカウントされるとなると、1つ疑問を抱く方も多いかもしれません。

仮にA3紙など大きいサイズで印刷をかけたり、A4紙で両面印刷を行ったりした場合は、それでも1枚としてカウントされるのかという疑問です。

結論から言うと、どの用紙・印刷方法であっても1枚とカウントするわけではなく、2枚分としてカウントするケースもいくつか存在しています。
以下に、主なケースについて解説します。

印刷枚数のカウントにおける「ダブルカウント」とは

印刷枚数のカウントには、ダブルカウントという概念があります。
これは、枚数自体は1枚だったとしても、印刷方法などの違いによって2枚とカウントするケースを言います。

ダブルカウントに該当するケースは、大きく分けて2つあります。
用紙のサイズと両面印刷です。

コピー機で印刷できる用紙のサイズは幅広く、はがきサイズからA3サイズまでなら、一般的なコピー機で難なく印刷がこなせます。
小さいサイズに関しては問題にならないのですが、サイズが大きくなった場合に、契約内容によってはダブルカウントされる場合があります。

また、両面印刷は1枚の紙に印刷していること自体は間違いないものの、実質的に2ページ印刷となっていることから、ダブルカウントの対象となることが多いようです。

紙というよりは、印刷面の数によってカウントがなされると考えた方が分かりやすいかもしれません。

A3=A4紙2枚分?

コピー機の印刷枚数カウントは、基本的に紙の枚数・印刷面数で計算されるものとお伝えしました。
しかし、一部例外として、A3用紙をダブルカウントするケースがあります。

代理店と契約を結ぶ際に注意したいのがこの点で、A4紙を基準として大きな用紙に印刷する場合、【A3=A4紙2枚分】と判断して、ダブルカウントの対象となる場合があるのです。

もっとも、ほとんどのケースでこのようなカウントは行われませんが、契約が特殊な場合・リース料やカウンター料金を安くしている契約の場合などは、このようなルールで契約する可能性があります。

不動産の間取り図や建設に関する資料など、A3紙の印刷が多い業種については、この点に注意が必要です。

気を付けたいFAXの送受信

カウントの例で他に気を付けたいのは、FAXの送受信です。
印刷におけるカウントは、1面を印刷した段階で1カウントとなっているので、相手方からのFAXを受信したとしても、印刷したらそれで1カウントになります。

機種によっては、受信したFAXを印刷せずに終了することもできますから、何でもかんでも紙出力しないように気を配りたいところです。
もちろん、自社からFAXを送信する場合は、紙ベースで印刷しないので印刷枚数にはカウントされません。

取引先がある程度固定されているなら、あえてFAXを使わずに取引を進めることを考えてもよいでしょう。
メールへの添付・ネットFAXなど、紙を使わない方法で資料をまとめれば、オフィスに無駄な資料がない状態で仕事ができるメリットもあります。

カウンター料金を安くするためにできること

カウンター料金の面から毎月のランニングコストを安くしたいのであれば、いくつかの方法・注意点があります。
どれか一つについて調査・導入するだけでも、カウンター保守契約の経済的なハードルが下がるはずです。

カウンター料金が安いメーカーのラインナップに絞って選ぶ

印刷物・メーカーなどに特別なこだわりがない限り、基本的にカウンター料金が安いメーカーのラインナップに絞って選んだ方が、無駄な相見積もり・交渉を経ずに費用を圧縮できるでしょう。

代表的なメーカーはやはり京セラで、一般的なオフィスで事務仕事に使う限りは、必要十分なパフォーマンスを見せてくれます。
一部高度な印刷性能が必要な資料・書類があるなら、別途家庭用プリンターなどを購入し、品質の向上を図ってもよいでしょう。

印刷が必要な業務のすべてをコピー機で済ませようとせず、必要に応じて他機種も使いながらタスクを処理していった方が経済的です。

オフィスで使う用紙のサイズを統一する

やや原始的ですが、最も効果的な方法の一つとして、オフィスで使用する用紙のサイズを最初から統一してしまう方法があります。
基本的にA4紙だけで印刷するスタンスにして、それ以上の大きさの印刷が必要になった場合は、A4紙に縮小して印刷することを徹底するようにします。

契約・諸費用の都合上、どうしてもA3紙の印刷がダブルカウントになってしまうようであれば、印刷用紙のサイズ統一を検討してみましょう。
逆に言えば、契約上で紙のサイズを気にする必要がないなら、あえて統一しなくても問題ありません。

印刷機能の種類について理解する

コピー機には数多くの印刷機能が備わっており、文字の大きさにこだわらないのであれば、1面に2ページ分・4ページ分を印刷できる機能があります。
いわゆる2up・4up印刷と呼ばれるもので、使い方次第では印刷面の数を大幅に減らすことができます。

冊子などを作るのであれば、やはり両面印刷は避けられないかもしれませんが、資料や社内用掲示物を作成するなら多少文字が小さくても問題にならないでしょう。
どんなものでも一律の大きさ・一律の枚数で印刷するのではなく、目的に応じて印刷方法を選ぶことが、費用圧縮につながります。

この記事のまとめ

カウンター料金の価格体系は、コピー機のメーカーによって異なります。
全国的に単価が安いメーカーもあるため、すべてのメーカーを一律に考えることはできませんから、費用を気にするなら相見積もりや市場分析は必要です。

印刷物のクオリティが求められる業種であれば、多少高いモデル・メーカーを選ぶ必要があると考えるかもしれませんが、一部を別プリンターで代用する方法もあります。
よって、極力柔軟に自社のニーズをとらえ、ランニングコストの総額を減らす努力をしたいところです。

また、用紙の大きさや両面印刷など、カウンター料金がダブルカウントされてしまう例もあります。
カウンター料金を少しでも節約したいなら、契約内容を注意して確認するとともに、できるだけ1面に印刷できる量を圧縮できないかどうか考えるようにしましょう。

  • 公開日:2020.12.19

テーマ:コピー機の基礎

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