激安のコピー機や複合機ってどうなのか
激安価格の理由と保守や修理などにおける注意点

  • 2020.04.05
  • 2022.02.03

コピー機の基礎

事務用品やオフィス機器を揃える場合、機能性・耐久性が同じなら、購入する側はできるだけ安いものを手に入れたいと思うはずです。
コピー機・複合機についても同様で、特に資金を節約したいと考える人は、激安リース・激安コピー機の購入を検討するようです。

どのような商品にも言えることですが、あまりに相場とかけ離れたコピー機・複合機を購入してしまうと、結局安物買いの銭失いで終わってしまうおそれがあります。
この記事では、激安コピー機・複合機のリース契約や購入について、リスクやメリットを相場観と合わせてご紹介します。

相場から見て「激安」扱いとなる新品リースの価格帯

リース契約は、原則として新品のコピー機のみ適用されますが、一口に新品と言ってもその品質・年代は多岐にわたり、種類を選べば激安価格でリース契約を結ぶのは不可能ではありません。

そこで、リースで激安の部類に入る相場観について、一般的な価格帯との違いから紐解いていきましょう。

オフィスで不安なく使えるレベルの相場観

コピー機・複合機は多くの場合、事務所・出張所などのオフィスで使われるものです。
よって、オフィスでの事務作業に必要な機能として、コピー・FAX・スキャナ・プリンタといった機能は、最低限用意しておかなければなりません。

オフィスで使えるモデルを選ぶなら、本体価格が「1,250,000~1,500,000円程度」のものを選べば、必要十分な機能が手に入るでしょう。
毎月の支払額で換算すると、概ね6年リース契約で20,000円前後になります。

まずは、この価格帯を基準として、激安がどの程度の価格帯になるのかを知っておくと確実です。

月額費用が大幅に安い、激安タイプの相場観

新品のリース契約でも、品物を選べば本体価格が安いものも見つかります。
実際、本体価格も300,000~800,000円と抑えめで、価格の幅も広くなっています。

価格が安くなればなるほど性能に限りが生まれ、オプションや月間印刷枚数の縛りも生まれてきます。
また、年式もどうしても古くなりがちです。

ただ、オフィスの規模によっては不要な機能も少なからず存在しているため、取捨選択の要素がはっきりしている場合は、激安タイプを選ぶのも一つの方法です。

リース料が安く設定されている理由

コピー機・複合機のリース契約に際し、リース料が安く設定されているのはなぜなのでしょうか。

理由はいくつか考えられますが、総じて見ると「大きな技術革新が生まれておらず、すでに成熟している」市場であることが挙げられそうです。
以下に、主な理由をご紹介します。

人件費の削減

インターネットが普及する前までは、コピー機・複合機の契約につき、営業マンが飛び込みも辞さずに営業を行い、契約を担当していました。

ところが、インターネットでサイトを公開すれば、コピー機・複合機のリース契約に興味のある顧客が、自分でサイトを調べて見積もりを希望してくれます。

コピー機の契約にとって重要な「担当者」という概念にも変化が見られ、直接顔を合わせることなく、電話・メールのやり取りだけで注文が完結してしまうケースも珍しくなくなりました。

こうなると、人件費にかかっていた費用を別の部分に振り分けられるため、良い商品をより安く提供できるようになっても何ら不思議ではありません。

地元重視企業との取引

大都市や中核都市であれば、コピー機を使うオフィスも多数存在しているため、契約者にとっては価格競争の恩恵を受けやすくなります。
しかし、地方になるとコピー機の取扱業者・リース業者自体が少なくなり、各種オフィスでも「購入して済ませる」ことに抵抗がなくなります。

ここで力を発揮するのが「地元密着型」の経営方針で、家族経営などのお店なら、得意先にはそれほど利益にこだわらずコピー機をリースできます。

また、老舗と付き合いがあるなら、顧客を増やすために四苦八苦しなくてもよい場合もあり、地域限定型のビジネスモデルは決して悪くありません。

リース契約自体が長期間の契約になるため、深い付き合いを築いていく地元重視の姿勢とは相性がよく、あまり値段を気にせず契約ができるケースに数えられます。

取り扱いが多い

大量生産や大量仕入れを行うと、どの業界でもコストが削減できるのは定説です。
これは、コピー機・複合機の世界でも例外ではありません。

激安リースをうたう業者の中には、販売台数・メーカーへの大量発注というファクターを武器に、大量仕入れによるコスト削減を価格の根拠とする場合があります。
実際、価格帯も月5,000円以下と、かなり攻めている業者を見かけますから、価格競争では有利に働くはずです。

中古販売時の激安価格帯とは

新品のリースに関しては、月額費用の価格帯で激安かどうかを判断します。
しかし、中古品は購入すれば自分のものとなるため、総額で換算して考えることが大切です。

新品時代から逆算を行い、現在で換算してどのくらいの価値があるコピー機なのかを考えた上で、購入を決断することが求められます。

新品の時代は、どのモデルも小売価格が1,000,000円以上

オフィスユースを想定しているモデルは、どんな中古品であっても「新品時代は1,000,000円以上の価値があった」モデルです。

オフィスで不安なく使える機種のメーカー小売価格は、概ね1,250,000~1,500,000円ですから、そこから値崩れが起きている以上、間違いなく新品同様のパフォーマンスは期待できません。

中古品を選ぶ場合は、新品時代と金額にどのくらいの差異が生じているのかを把握した上で、性能のバランスをとらえましょう。
また、耐久性を期待するなら、できるだけ年式の新しいものを選びたいところです。

どの程度の価格帯なら良品と言える?

具体的に、どの程度の価格帯なら良品と言って差し支えないのか、正確な答えは分かりません。
新品と違い、中古品は前の利用者がどのような形でコピー機を使っていたのかによって、状態が大きく変わってくるからです。

ただ、価格帯である程度良品かどうかを判断することはできます。
以下に、いくつか基準をご紹介します。

元高級品クラス(総額200,000万円以上)

コピー機は精密機械のため、ハイレベルのグレードでも値崩れが激しい傾向にあります。
元々、メーカー小売価格が1,500,000円を超えるグレードでも、年数を重ねたことでこの金額に落ち着きます。

型は古いものの、もともと上位機種として君臨していたグレードが多く、最先端機能を備えているモデルも見つかります。
しっかり選べば、費用対効果が非常に高いものも見つかるため、チェックするなら高値のものから順に選ぶことをおすすめします。

一般オフィス対応クラス(総額100,000円以上200,000円未満)

サブ機として検討するレベルのクラスで、一般的なオフィスで使うには必要十分の機能を備えています。
元々の価格帯は1,000,000円以上といったところで、ケタを落とした事情は各個体によって様々です。

製造後3年以上が経過している・年式は古いが頑丈なモデルなど、会計上不利でも十分使用に堪えるものが市場では多い印象です。

一時的に使用するクラス(総額100,000円未満)

中古市場で激安クラスにカウントされるのが、このクラスです。
他の中古品と比較しても、目に見えてダメージが分かることから、正直このクラスを買うなら新品を検討してもよいのではないか、というレベルです。

画質の粗さ・機能の不具合・交換パーツがない・故障の頻度が高いなど、色々とケチがついてしまうグレードです。
後述しますが、保守契約を断られてしまうケースもあるため、購入を検討するなら十分注意が必要です。

激安機の保守・修理について

新品・中古品それぞれの激安機についてお伝えしてきたところで、これらの保守についてどうなっているのかをご紹介します。
保守・修理に関しては、年式・製造年月日が大きなポイントとなるため、相対的に中古品が不利になるものと考えておきましょう。

新品コピー機を取り扱っている会社であれば基本は問題ない

どんなに価格が安かったとしても、メーカーで取り扱い中の新品がオフィスに届くなら、保守・修理はきちんと受けられます。
カウンター保守契約の保護の下、定期的な点検やトナー交換・不慮の事態における迅速な修理が期待できるでしょう。

ただし、全国展開している業者の中には、一部地域をサポートの対象外としているところがあります。
契約する際は、自分たちのオフィスがサポートの適用を受けられるかどうか、事前に確認が必要です。

中古品の保守は、コピー機の交換サイクル上、難しい場合がある

中古品を購入した場合は、その機種の年式・製造年月日をチェックすることが重要です。
コピー機の登場サイクルは、法定耐用年数の5年が1つの区切りになっていて、製造部品や耐久性も5年を想定して作られているからです。

せっかく購入しても、部品の生産がすでに止まっていたら、保守契約を結んでも修理できないという状況に陥るおそれがあります。
あまりに古いモデルは、業者側から保守契約を断られるケースもありますから、できるだけ新しいものを選びましょう。

オプションのチェックも忘れずに

激安系の業者には、ビジネスに必要な各種機器をセットで契約してもらうことで、料金を安くしているところもあります。

必須条件になっていると、かえって総額で高くなる・不要なものをオフィスに置くことになるなどのデメリットを背負うことになりますから、見積書に余計なものが乗っかっていないかを確認しましょう。

この記事のまとめ

激安品は、消費者にとっても嬉しいものですが、業者にとってうまみがなければ続きません。
新品・中古品問わず、それで利益が出る以上、何らかのカラクリがあります。

安さに不安を感じるのは当然ですが、プロが品質を見定めて利益を出している以上、一概に性能が劣るとは言えません。
保守・オプションなどの脇をしっかり固めておけば、契約・購入する価値は十分あるはずです。

  • 公開日:2020.04.05
  • 更新日:2022.02.03

テーマ:コピー機の基礎

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