コニカミノルタのコピー機の特徴。
他社との違いや料金や修理、故障などについて

フィルム・写真のイメージが強いコニカミノルタですが、現代ではワープロ・コピー機などOAの分野で有名な企業です。
コピー機に関しては、経営統合する前のミノルタが1960年に複写機を完成させており、古くから高い技術を持っていたことがうかがえます。

コピー機だけでなく、X線画像診断システムなどのヘルスケア・産業用インクジェットなどの分野でもその名を知られており、プラネタリウム施設の運営なども行っています。

この記事では、そんなコニカミノルタのコピー機について、他社との違い・料金・修理・故障対応などに関する情報をお伝えします。

カメラのイメージから複合機へ

コニカミノルタは、2003年に経営統合される前、コニカ・ミノルタという2つの会社に分かれていました。
コニカはフィルム・ミノルタは国産カメラの分野で認知され、その後複合機などの分野に進出しています。

コニカ・ミノルタそれぞれが歴史を刻んできた老舗

コニカは1873年・ミノルタは1928年に創業した会社で、それぞれの会社が古くから歴史を紡いできました。
両方とも写真に関連する商品を開発・販売していましたが、ワープロ・複写機などオフィス機器で有名だったのはミノルタの方でした。

この2社が経営統合することを決めたのは、両社が有する強みを結集するためと言われています。
それぞれの事業領域が同じであること・事業展開の方向性が似ていることなどが、経営統合を進める上でプラスに働いたものと推察されます。

国内市場で一定のポジションをキープし、海外シェアも高い

コニカミノルタは、富士ゼロックス・リコー・エプソンの3強には及ばないものの、他メーカーに劣らないシェアを確保しています。
また、海外での人気も根強い傾向にあります。

コニカミノルタ公式サイトの情報によると、2020年4月現在の推定データでは、オフィス用A3カラーMFP(コピー機ベースの複合機)地域シェアは、中国で24%・東欧州で34%・インドで22%となっており、中国と東欧州では地域シェア1位です。

世界市場ではモノクロ機からカラー機への移行が進んでおり、カラー機市場の成長を見込んだ戦略が成功したことが、コニカミノルタ人気につながった一因と考えられています。

プロフェッショナル向け印刷機も人気

印刷機に求める機能は多様化が進んでおり、印刷物をたくさん刷れる機能が重宝されてきた従来の利用方法だけでなく、1枚の印刷物のクオリティを高める方向性への進化が求められています。

そのような中、コニカミノルタはプロフェッショナル向け印刷機のシェアも堅調で、プロダクションプリント事業は2018年度の営業利益が前期比49%となっています。

具体的なニーズを一部ご紹介すると、インドには結婚式で豪華なフォトブックを配布する文化があります。
肌の色や衣装の鮮やかさを再現できる高彩度トナーを搭載した、コニカミノルタ製のデジタル印刷機は、現地の写真館にとって魅力的に映ります。

日本以上に世界を見据えてニーズを汲み取っているのが、コニカミノルタの特徴の一つです。
もちろん、世界に照準を合わせて機能を磨いている分、コニカミノルタのコピー機は日本の厳しい評価にも堪えうる機能を備えています。

海外で評価される質の高さ

日本と海外のニーズが異なるとはいえ、ただ価格が安いなどの理由だけでは、なかなかユーザーを増やすのは難しいでしょう。
コニカミノルタのコピー機には、海外で評価されるだけの機能が搭載されており、見た目の面でもクールな印象を与えます。

特筆すべきは本体のデザイン性

実は、コニカミノルタの製品は、多くの分野でグッドデザイン賞を受賞しています。

コピー機も例外ではなく、2019年度のグッドデザイン賞では、A3カラー複合機「bizhub C360i/C300i/C250i」・A4カラー複合機「bizhub C4050i/C3350i/C3320i/C4000i/C3300i」が選ばれています。

コピー機と言えば、白を基調としたゴツいデザインが基本でしたが、コニカミノルタは白と黒のモノトーンを組み合わせた都会的なデザインを採用しています。

操作パネルを大型化している反面、コピー機全体の形状はコンパクトにまとまっており、場所を選ばず配置できる点が魅力です。

他のメーカーと比較して、一歩先を行く洗練さを備えている点は、デザイン事務所など景観を重視するオフィスでは重宝するでしょう。
例えば、受付や応接室など、本来ならコピー機を置かない場所であっても映えますから、さりげなく配置して商談時に使用するという使い方もできます。

印刷機能のレベルも高い

コピー機の価格帯・グレードによって機能に差はあるものの、コニカミノルタの印刷機能はレベルが高いため、利用者の期待を裏切りません。
本体価格が安いモデルでも、分速33枚の印刷速度を実現しているモデルが見られます。

ハイクラスのモデルであれば、分速65~75枚の印刷・A3サイズの全面プリントにも対応しています。
プロ向けの仕様として「Fieryコントローラー」と呼ばれるイメージコントローラーが使える機種もあり、高画質のグラフィックを再現できます。

コピー機の種類も豊富で、フルカラー複合機・モノクロ複合機・大判図面に対応している広幅複合機など、ニーズに合わせて機種を選べます。
ユーザーが欲しい機能を吟味できるラインナップが揃っているのは、コニカミノルタを選ぶ大きなメリットと言えるでしょう。

タッチパネルの使い勝手がよい

コニカミノルタのユーザーが高く評価しているものの一つに、タッチパネルの使いやすさがあげられます。
9インチのモデルだけでなく、10.1インチの大画面タッチパネルを搭載しているモデルも見られ、スマートフォン・タブレットに近い感覚で利用できます。

アイコンが大きく、解説や消耗品補給のガイダンスに音声・アニメーションが使われるなど、どんな人でも使いやすいデザインとなっています。

操作画面を使い勝手のよいものに変更したり、オフィスで働く社員が使いやすい形に変えたりすることも難しくありませんから、操作性を重視する職場にもおすすめです。

ちょっと変わった機能としては「ウィジェット機能」があり、こちらは操作パネル内にふせんのようなメッセージを残せる機能です。
使用事例としては、間違えやすい操作方法の指摘・使用時に変えてはいけない設定・社内での連絡事項確認などがあげられます。

耐久性や故障時の対応などはどうか

デザインやユーザビリティの面では優秀なコニカミノルタですが、長期にわたり使用する以上、耐久性や故障時の対応なども気になるところです。

コニカミノルタは、ことさらに頑丈さやサポート体制をアピールしているメーカーのイメージはありませんが、海外でも高い評価を受けているだけあって、きめ細かい対応が受けられます。

壊れにくさをアピールしてはいないけど……

公式サイトの商品説明を見る限り、コニカミノルタ製のコピー機は、耐久性・頑丈さを細かくアピールしていない印象を受けます。

しかし、コニカミノルタ製が口コミで高い評価を得ているポイントの一つに耐久性がカウントされており、ユーザーの中には3年間故障がないと話す人もいるほどです。

定評があるのが給紙トレイで、紙詰まりの機会が少なく供給枚数も多いことから、使い勝手の良さと頑丈さがストレスを減らします。

電源を入れてから印刷できるまでの時間も22秒以下と短く、ハイクラスの機種であれば17~18秒となっており、スピード感を重視するユーザーのニーズにも対応しています。

保守対応への評価は高い

コニカミノルタの保守対応に対する評価は高く、特に来社後の対応が迅速な点が評価されています。
オペレーターに電話連絡後、30~60分以内に到着してくれる・作業開始から30分以内で対応が完了するなど、概ね良い口コミが確認できます。

また、コニカミノルタ製のコピー機を選ぶと、機種によってはリモート管理サービスを受けることができます。

本部へのカウンター数の自動送信・故障時の自動通報・パーツ/消耗品の管理など、事細かな情報を逐一管理してくれますから、万一故障が起こった際の対応もスムーズです。

メンテナンス体制が整っていることで、機械本体の寿命も延びることから、結果的にユーザーの満足度も高まります。
同じ機種をできるだけ長く使いたい人にとって、コニカミノルタのサポート体制は魅力的です。

全体的にバランスの取れた印象

コピー機メーカーは、大きく分けてバランス型と特化型に分かれます。
全体の性能向上に加えてプラスα的な機能を備えたメーカーがバランス型・値段や耐久性など一部の機能に特化したメーカーが特化型です。

コニカミノルタを上記2つのいずれかに分類するならば、バランス型に区分されるでしょう。
一般的なオフィスユースで考えれば、価格もそれほど高くなく、性能やサポート体制も整っているからです。

予算の面でどうしても上限があり、価格帯を重視して選ぶ場合は除いて、安定した状態でコピー機を使い続けたいなら、コニカミノルタは有力な選択肢です。
画質が良い・デザインが美しい・保守対応が良いという、三拍子そろったメーカーですから、導入して後悔するケースは少ないものと思われます。

この記事のまとめ

コニカミノルタは、老舗同士が経営統合して生まれた、比較的新しい会社です。
それぞれの得意分野を活かした営業戦略が功を奏し、国内のみならず海外でも評価されています。

画質や印刷機能・ユーザビリティの面で優れ、誰もが使いやすいコピー機がラインナップされています。
デザインは洗練されており、どんな場所にも溶け込みつつ、ユーザーの心をつかみます。

保守サポートは、リモート管理も含めて盤石の体制を整えています。
コピー機を使うにあたり、不安要素を極力排したいと考えている人は、コニカミノルタを検討してみてはいかがでしょうか。

  • 公開日:2022.08.16

テーマ:各コピー機メーカーの特徴

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