コピーをする以外に、どんな機能や特徴があるのか。
最新&イマドキのコピー機や複合機の特徴について。

日本の電化製品は、厳しい顧客の目線に合わせるうちに独自の進化を遂げ、それは時に「ガラパゴス化」と呼ばれるほど国際基準から離れてしまうことがあります。

結果的に多くの製品がシェアを海外に奪われましたが、コピー機に関しては日本企業が多くのシェアを握っている状況です。

コピー機・複合機は、オフィスワークに求められるニーズの移り変わりとともに、その機能を向上させてきました。
現代では、PCなどの端末と連携して使用することが当たり前になり、機種によってはより便利・高度な機能を惜しみなく搭載しています。

この記事では、最新のコピー機・複合機について、コピーなど基本的なもの以外の機能・特徴をご紹介します。

2020年現在における最新機能

コピー機・複合機の機能は多様化しており、今なお新しい機能の開発・導入が進んでいます。

すべてのオフィスにとって必須ではありませんが、導入した方が便利になるケースは多々ありますから、次回の買い替え・乗り換えの際に検討したいところです。

無線LAN

一昔前のオフィスでは、コピー機をネット環境に接続する場合、ハブを使って有線で管理するオフィスが多かったと思います。
しかし、現代では無線LANを搭載した機種が登場しており、古い機種でもオプションで無線LANを利用できるようになりました。

有線の管理はオフィスにとって面倒な作業の一つで、ちょっとした接続不良でPCから指示を飛ばすことができなくなると、回線の復旧に時間がかかるケースも珍しくありませんでした。

しかし、無線LANを使ってPCから印刷指示を送る場合は、そもそもケーブルが散らかることもなく、安心して作業を進められます。

ただ、この方法にはデメリットもあり、セキュリティ面で対策を施していなければ、機密情報が漏洩するおそれがあります。
また、電波を中継するルーター自体が故障した場合、コピー機・複合機もPCも使えなくなり、作業が滞ってしまいます。

原則として無線LANを使い、場合によっては有線に切り替えられるよう準備しておいた方が、使用上の不安は少ないかもしれません。

スマートフォンとの連携

スマートフォン(スマホ)が世の中に普及してから、人々の生活は大きく変わりました。
人によっては、PCを持たなくても仕事ができてしまう環境が成立するほどで、オフィスワークでもその恩恵を受ける機会が多くなってきています。

コピー機・複合機に関しても例外ではなく、比較的新しい機種の中には、スマホとコピー機が同じwifiでつながっていれば、スマホ内にある画像データ・文書などを直接印刷できる機能が搭載されています。

逆に、スキャンしたデータをスマホに送信することもできますから、紙ベースの資料をデータとしてスマホに保存することがかんたんにできます。
ビジネスシーンでもスマホを使う機会は多くなったため、非常にメリットの大きい機能と言えるでしょう。

幅広い機能拡張

現代では、コピー機・複合機自体がインターネットに接続できるタイプの機種も多く、オフィスワークをスムーズにするためのアプリケーションを直接ダウンロードできます。

アプリを使えば、コピー・スキャナ・FAXといった基本的な機能をよりかんたんに使えるようカスタマイズしたり、過去に設定した履歴を呼び出したりできます。

アプリケーションの中には、会議資料のコピーに特化した機能・本をコピーする際に原稿中央や周囲の影を消してコピーする機能などがあり、きめ細かいところまで手が届くようになっています。

オフィス機器の取り扱いが苦手な人向けの機能を重視したり、逆により効率的に作業を進められる機能を選択したりと、カスタマイズの方向性を自由に決められるのもメリットです。

その他、便利な機能としては、以下のようなものがあげられます。

  • 消耗品に気付いた段階でプリンターから注文できる機能
  • IDカードの表面と裏面を一度にコピーできる機能
  • 異なるサイズの原稿をまとめて電子化する機能

アプリケーションサイトの中から、自社に必要な機能を随時拡張することで、コピー機・複合機を利用する環境に応じたカスタマイズが可能になります。
利用者が決まっているオフィスで使うなら、非常に便利な機能です。

パネルの操作性向上

古い時代からコピー機・複合機を使い続けている人にとっては、モノクロの画面を見ながら本体のボタン(キー)を操作するのが一般的だったと思います。
しかし、最新型のモデルを見てみると、まるでタブレット・スマホのように画面を直接タッチして操作するものが増えてきています。

液晶フルカラーで、アイコンを直接触って操作する方法は、基本操作に慣れていない人にも親切です。
また、操作パネル自体の角度を調整する機能が追加されているものもあり、身長差に関係なく操作できるのがメリットです。

画面も大型化が進んでおり、紙詰まりのようなトラブルシューティングなど、イラスト・アニメーションで見やすいよう説明が作り込まれていて、大型化の利点が十分に生かされています。

人感センサー搭載

人感センサーと聞くと、防犯対策や省エネ対策として照明機器に取り付けられるケースが多いという印象ですが、コピー機に搭載される例も増えてきています。

一見、何か便利なことがあるのか疑ってしまいますが、実際にコピー機を多用する人にとっては、あると嬉しい機能の一つです。

コピー機・複合機は、オフィスの誰もがいつも使い続けているわけではありません。
人員によっては、長時間使わないままの状態が続くこともあります。

そこへ、急ぎの仕事が入ってすぐにコピーを取りたい状況が発生したら、スリープモードに入っていたコピー機が再び使える状態になるまで待たなければならず、この時間がオフィスワーカーにとって意外とストレスになるのです。

人感センサーを搭載したモデルなら、操作開始時にはスリープモードが自動で解除されているので、スムーズに印刷作業を進められます。

クラウド対応

最新機種に備わった機能の中でも、特にこれからのオフィスを大きく変えるものと想定されるのが、各種クラウドへの対応です。

コロナウイルスの影響で、テレワーク・アウトソーシングの力に頼らざるを得なかったオフィスなど、自宅や遠方で働くスタッフとデータをやり取りする際には非常に重宝する機能の一つです。

Dropboxのようなクラウドストレージを使えば、情報の管理やアクセスが誰でもできるようになります。
例えば、遠方のスタッフが送信した画像を、オフィス勤務のスタッフが印刷するという使い方もできるようになります。

クラウドを経由することで、逆に会社から離れたところにいるスタッフが、近くのコンビニでデータを印刷することも可能になり、働き方の多様化が実現します。
今後、より進化が期待される機能の一つです。

コピー機メーカーごとの傾向

新しい機能を備えたコピー機・複合機は、これからも続々と市場に投入されることでしょう。
また、機能の多様化は決して一律ではなく、各メーカーごとに特徴があるため、自社に合ったメーカーを絞ることも大切です。

以下に、新機能に見られる傾向のうち、コピー機メーカーの中でも特に目立ったケースをご紹介します。
もちろん、すべての機種に網羅される傾向ではありませんから、見積もりをもらう際に各機種の機能はきちんと確認しておきましょう。

リコー:最新機能のアップデートを求める人に

リコーで力を入れているものの一つに、内臓ソフトウェアのバージョンアップがあり、現在使っているコピー機に最新機能を随時取り込めるようになっています。

この仕組みは「RICOH Always Current Technology」と呼ばれ、タイムリーに必要な機能を取り入れられるメリットがあります。

また、セキュリティに関しても最新の機能がアップデートできるようになっており、同じコピー機をできるだけ長く使いたい人のニーズを満たせるようになりました。

機器が元気に動くのであれば、再リースを活用する方法も視野に入れやすくなり、予算の節約につながります。

富士ゼロックス:複数の事業所・営業所の費用を管理したい人に

富士ゼロックスでは、クラウドの対応をスムーズにできる機能が多々用意されており、特に大企業向けのサービスが多いという特徴があります。
例えば、「Device Log Service」というサービスを使うと、社内にある複合機について、使用情報をグラフなどで集計でき、経費対策を講じるのに便利です。

本社集計による費用の付け替えなど、細かい仕事を分かりやすく行えるため、費用面での引き締めが必要だと考えている会社では非常に役立ちます。
支店が多く、経理を本社で一括している場合は、この機能で書面のやり取りが少なくなるでしょう。

シャープ:家電並みの強さと速さが欲しい人に

もともと家電メーカーとして知られるシャープは、ハード面での物理的な機能向上にこだわりがあります。

高速かつ大量の印刷ができるよう設計された「ハイブリッドフレーム」は、金属部分と樹脂部分をバランスよく組み立てており、マシンの歪みを減らして長期的な安定性を実現しました。

最新機種では、1分間で片面80枚の高速読み取りを実現しており、オフィスの電子化に貢献します。
とにかく速く書類をさばき、できるだけ頑丈なコピー機を求めている人にとっては、頼りになるメーカーと言えるでしょう。

この記事のまとめ

世界で初めて登場してから数十年が経過し、今なお進化を続けるコピー機・複合機ですが、時代の変化とともに多くの機能が追加されています。
あまりにも多すぎて、内蔵された機能をすべて使いこなせていないというオフィスも多いでしょう。

しかし、機能をうまくカスタマイズすれば、オフィスワークの効率をより高められる可能性があるため、基本的な機能だけにこだわるのは損をしているかもしれません。

現在使っている機種はもちろん、新しく導入を検討している機種については、選ぶ際に「自社の仕事を効率化できる機能があるかどうか」という観点から検討することをおすすめします。

  • 公開日:2020.08.25

テーマ:コピー機の基礎

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