東芝のコピー機の特徴について。
他社との違いや料金や修理、故障などについて

テレビ・家電・携帯電話・パソコンと、電化製品のメーカーとして高い知名度を誇る東芝ですが、実はコピー機の製造にも携わっています。
オフィスであまり東芝製のコピー機を見かけることはありませんが、他のコピー機メーカーと比較してシェアが低いことから、そもそもコピー機を製造していることさえ知らない人も多いようです。

実際にコピー機の安さや性能をチェックしてみると、他メーカーに比べて頑張っている部分も多く、決して魅力のないメーカーではありません。
この記事では、東芝のコピー機が持つ特徴について、他社との違い・料金・修理・故障対応などの面から、知っておきたいポイントを幅広くご紹介します。

日本人なら誰もが知っているメーカー名

コピー機メーカーとしてはともかく、家電メーカーとしての東芝は、日本人なら誰もがその名前を知っていることでしょう。
有名アニメの長年のスポンサーだったこともあり、製品そのものは買わなかったとしても、誰もが東芝のCMを目にしているはずです。

「サザエさん」の長年のスポンサー

日曜の夜6時30分から放送されている「サザエさん」は、2017年11月に降板を発表するまで、長年東芝がスポンサーでした。
世代を超えて親しまれているアニメの一つであり、本編の合間にかかるCMは冷蔵庫など東芝の商品が多かったため、多くの日本人にとっては馴染み深いメーカーの一つでしょう。

しかし、製造会社である東芝テックの公式サイトを見る限り、東芝は家庭用コピー機を製造していないため、おそらく一般家庭で東芝製コピー機のTVCMを見る機会はなかったものと思われます。
メーカー自体の知名度はあるものの、コピー機を製造していることは広く知られていないという、珍しいケースの一つです。

意外とコピー機とはつながりが深い

世間一般には認知されていませんが、東芝とコピー機の関係は意外と深いところにあり、日本にコピー機を導入したゼロックスとほぼ同時期に複合機の販売を始めています。
ただ、この時に東芝が取り扱っていた機種がオフィスユースに不向きなインクジェット型ということもあって、その他のメーカーにシェアを奪われる結果となりました。

よって、知名度さえ向上していれば、上位メーカーの牙城に食い込んでいた可能性は十分あるメーカーと言えます。
日本のメーカーが持つきめ細やかさ・オフィスユースでの耐久性などは最低限備えているため、使い勝手は決して悪くありません。

国内シェアは少ないものの、海外では一定の評価

性能面での不安を払拭する情報として、東芝は国内シェアこそ少ないものの、世界を見渡すと高いシェアを誇っています。
国内の生産拠点が2カ所なのに対し、海外ではアジア・アメリカ・フランスに6カ所の拠点を持っていて、トナーや複合機の製造を行っています。

海外の拠点数が多いことから、どちらかというと、東芝は国内よりも国外を見据えた戦略を立てているものと推察されます。
このことから、決してコピー機や周辺機器の基本性能に問題があるわけではないと分かります。

東芝を選ぶ理由は「価格+α」

数あるコピー機メーカーの中で、東芝はそもそも知名度が低いこともあって、なかなか選ばれにくい部分があります。
しかし、東芝のコピー機にも選ぶメリットは存在していて、大手メーカーだからこそ使える「価格」という武器を用意しています。

低価格路線では独特の存在感を放つ

東芝製コピー機を選んだユーザーに理由を聞いてみると、多くの人がその「安さ」をあげています。
大手メーカーにありがちな戦略ですが、価格競争になった場合は一気に価格を下げてユーザーにアピールし、ある程度シェアを確保できた段階で価格を戻していく方法を採用していることが一因と考えられます。

ただ、日本ではなかなかシェアを伸ばすのが難しいことから、なかなか価格を上げることができていない状況のようです。
東芝の場合、過去に粉飾決算など内部的な問題もあって顧客が離れたことから、代理店に残ってもらうために価格を下げざるを得なかった事情もあるのかもしれません。

上記の通り、本体価格・カウンター料金は安い傾向にありますから、オフィスユースで最低限使用できるクラスの複合機を安く仕入れたいのであれば、東芝も検討する価値は十分にあります。
相見積もりを取る場合、代理店が東芝の機器を用意できるのであれば、そちらも確認しておきましょう。

特殊用紙への印刷ができるのがメリット

東芝で特筆すべき機能は、特殊用紙への印刷ができることです。
公式サイトで紹介されている特殊用紙には、全部で以下の10種類が紹介されています。

エコクリスタル

高い耐水機能・耐久性を備えた用紙です。
水や油汚れに強く、屋外・工場に用いるPOPに便利です。

エコクリスタルマグネット

反射が抑えられたマグネットシートの印刷用紙です。
カットも自由に行えるため、一枚を複数に分けて使用することができます。

エコクリスタルラベル

こちらも耐水性ですが、シール型になっていて、粘着力も選べます。
製品シール・ラベル・施設の案内・掲示板などに使われることが想定されています。

リポップ(耐水シール)

シリコンが使われており、貼ったりはがしたりする用途に最適です。
耐水性があるため、屋外などに用いるのにも適しています。

和紙ラベル

粘着型の用紙で、下地の模様が和風となっています。
和菓子やお茶の宣伝など、和の雰囲気が欲しい場面で役立ちます。

オンデマンドクリアホルダー/プレコ

用紙ではなく、コピー機で印刷できるタイプのクリアホルダーです。
クリアホルダーにそのまま印刷できるので、ホルダーごと顧客に渡したい場合など、別注で業者に依頼をかける手間が省けます。

レーザークロス(耐水クロス紙)

紙が布のような風合いを持っていて、しかも耐水性を備えています。
のぼりやゼッケンなど、やや特殊な用途にも使用できます。

レザック(特殊加工紙)

エンボス加工がされた用紙で、高級感を出すのに適した用紙です。
クーポン券・賞状・案内状など、特別な印刷物に使われているケースが多いようです。

レーザーイルミネ(LEDパネル用フィルム)

電飾看板用のフィルムで、LEDパネルと組み合わせて使うことを想定しています。
イベント・展示会場などで使うことを想定しています。

撥水紙

水や汚れなどをはじくタイプの用紙で、鉛筆や油性マーカーで書き込みができます。
建築設計図・観光マップなど、屋外で使う資料用の用紙です。

それ以外の機能は平均的

価格帯と用紙に関しては、かなり目立つ形で差別化されていますが、逆に言えばそれ以外の機能は平均的なレベルにとどまります。
特殊用紙は多種多様ではあるものの、飲食業・スーパー・建築業・観光施設といった一部の業種では重宝するものの、一般的なオフィスワークではニーズが少ない機能かもしれません。

また、東芝製コピー機の画質は評価が分かれるところで、再現性が低いという声がある一方、飲食店のメニュー印刷などでは美味しそうに印刷できるなどの意見もあります。
ただ、印刷物の質にそこまでこだわらないオフィスであれば、特段気にするようなレベルではありませんから、費用対効果を考えるとお得なモデルを用意しているメーカーと言えそうです。

耐久性・保守対応はどうか

コピー機をリースする場合、やはり5年という期間が問題になります。
できるだけ長い間良い状態で使い続けたいというのが、多くのユーザーの希望だと思います。

果たして、東芝のコピー機はユーザーのニーズを満たすことができるのでしょうか。
口コミをチェックする限り、一般的にコピー機がガタつき始める導入後3年目が勝負になりそうです。

耐久性に関しては「3年目以降」の評判に偏りがある

口コミをチェックすると、東芝製コピー機の耐久性は、3年目以降の稼働状況が評価の目安になります。
モデルによっては、導入後3年が経過しても問題ないと話すユーザーがいる一方で、3年経過してから紙詰まりなどの故障が増えるという声も聴かれます。

具体的なポイントとしては、大量印刷を試みた際にトラブルが生じるケースが目立ち、はがきを連続印刷したり、大量の書類を印刷したりすると、紙詰まりなどに見舞われるユーザーが多いようです。
基本的な性能に関して不満を述べるユーザーが少ない反面、故障などのトラブルが多く報告されている点は、やはり不安要素となるでしょう。

拠点数は決して少なくないが、サービスマンの対応はまちまち

東芝のサポート体制・例えば拠点数に関しては、ユーザーに不安を感じさせるような規模ではありません。
主要都市に支店や営業所がありますから、基本的に全国各地でサポートが受けられる体制は整っています。

ただ、それが評価に必ずしも結びついていると言い切れないのは、サービスマンの対応を快く思っていないユーザーが一定数存在しているからです。
そのこと自体は他メーカーも同様ですが、単純な対応の問題ではなく、実務に影響を及ぼすレベルの対応がなされているケースがあるため、問題視する声が多いものと推察されます。

例えば、対応が翌日以降になってしまったり、部品交換の取り寄せに時間がかかってしまったりと、オフィスでの稼働を一時的に止めざるを得ない状況に追い込まれるおそれがあります。
こういった状況が生じると、どのオフィスでも業務が滞ってしまうため、導入後に不満を感じるケースが多いようです。

別メーカーへの乗り換えを検討すべきか

とはいえ、格安でコピー機を導入できるなら、とりあえず3年間はもたせておいて、その後別メーカーへの乗り換えを検討する方法もあります。
ただ、このような方法を前提にコピー機を選ぶのは、果たしてユーザーにとってメリットのある方法なのか疑問が残ります。

安さだけを追い求めるなら、安いメーカー品を3年ごとに乗り換えて渡り歩く方法も有効かもしれません。
しかし、それなら中古で状態の良い機種を購入した方が、長い目で見て得をする場合もあります。

状態が悪くなって乗り換えを検討するならまだしも、3年後の乗り換えを前提にコピー機をリースするのは、契約期間の点を考えると自由度が低い選択肢です。
中古購入・レンタルなど、予算と相談しながら他の選択肢も含めて模索しましょう。

この記事のまとめ

東芝は、メーカー自体の知名度に反して、コピー機の製造を行っていることはあまり知られていません。
しかし、特殊用紙への印刷や価格帯の安さなど、他メーカーにはないメリットも持っています。

基本性能はオフィスユースに堪えうるものですが、耐久性やメンテナンスに関しては評価が割れる部分があります。
ただ、年数が経過した機種の調子が悪くなるのは、コピー機である以上仕方ない側面がありますから、乗り換えや他の選択肢も検討しつつ付き合い方を考えるのが賢明なコピー機と言えそうです。

  • 公開日:2024.01.29

テーマ:各コピー機メーカーの特徴

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