リース契約したコピー機の移動や移転について。
オフィス移転時やレイアウト変更時はどうすれば良い?

事務所の移転や新規開店に伴う機器の移動など、リース契約中のコピー機・複合機を動かすことは、機会こそ少ないものの比較的よくある話です。

一般家庭で言えば引越しと同じようなものですから、オフィスにあるものは全て移動させることになりますが、コピー機・複合機の移動は少し気を付けなければなりません。

コピー機を移動させる際には、それが自社で購入したもの(資産)である場合と、リース契約中のものである場合とで、段取りが異なってきます。
今回は、主にリース契約における移動・移転時の注意点についてご紹介します。

リース契約における「持ち主」は誰なのか

コピー機・複合機をオフィスから移動させる際は、誰がコピー機の所有者なのかが問題になってきます。
簡単に言うと、持ち主の許可なく機器を動かすことは、原則として禁止されています。

自社の独断だけで動かすことはできないため、その点が移転時のネックになります。
引越しにおける順番を決める上でも、持ち主の問題を勘違いしないようにしましょう。

移動・移転を決めたら、リース会社とのやり取りを行う

リース契約中のコピー機は、リース会社が所有者となっていることがほとんどです。
よって、リース会社あるいは関連会社(販売会社等)に、一度移転について連絡を入れなければなりません。

意識している社員は少ないかもしれませんが、契約時のリース会社とのやり取りにおいて、自社の住所や電話番号などはリース会社に伝わっているはずです。
しかし、移転を行う場合、そのまま電話番号を持ち越すことはできるかもしれませんが、住所は間違いなく変わりますから、変更の連絡を入れる必要があります。

自分がコピー機・複合機の持ち主ではないため、場所を移動させる場合や機器に何らかの事情が生じた場合は、一度リース会社に報告しなければならないことを覚えておきましょう。

自社の社員が動かしても大丈夫?

リース会社等に連絡を入れ、引越しの段取りを組んだ後は、コピー機を新しいオフィスに移動しなければなりません。
この時、人手が多ければ、自社の社員を使って動かそうと考えるかもしれませんが、それはやめた方がよいでしょう。

コピー機・複合機は、大きさこそ家電のようなサイズ感ですが、中身は非常に繊細にできています。
単純にコピーだけを担うわけではなく、FAXやスキャナ・クラウドなど多種多様な機能を一手に引き受けている、さながらオフィスの中継基地です。

乱暴に取り扱っているつもりはなくても、コピー機の移動に慣れていない人が作業すると、動かしたりトラックに積んだりした際に衝撃を与えてしまうかもしれません。

大きさによって状態も不安定になりがちですから、重さもあいまってバランスを崩し、破損してしまうことも十分考えられます。

こういった問題を解決するには、できるだけオフィス機器の移動・運搬を専門とする運送屋などに依頼するのが正解です。
プロの梱包によって、安心してコピー機を移動させることができますから、自社スタッフだけで対応することは避けるべきです。

もし、自社の人間だけで運搬して後日不具合が生じた場合、高い修理費用を支払わなければならなかったり、補償がきかなかったりするので、安全料として見積もっておくのが賢明です。

オフィスで考えた場合、コピー機・複合機の移動を優先した方がよい

オフィスへの移転を考える際には、まず大物を移動させる想定で動いた方がスムーズです。

コピー機で言うと、部屋の中央に配置するのか・端に配置するのか・コンセントの位置をどうするのかなど、あまり深く考えずに当日に決めると、どうしてもとっさに出た判断で決めてしまいがちです。

後々他のものを配置してから、使い勝手が悪いことに気付く場合もあり、そうなると模様替えも手間がかかります。
コピー機は不特定多数がそれぞれのタイミングで利用するため、あまり不便な場所に配置してしまうと、社員が使うのに手間がかかります。

机の島を中心に考えるなら、先に島を配置した場合の見取り図を作っておくなどして、シミュレーションをしておくことをおすすめします。
できれば、各席の社員に確認した方がよいでしょう。

全員が納得できる場所というものは存在しませんが、最大限便利な環境に配置することはできるはずです。

移動させる際には、業者との連携が必要

コピー機・複合機の移動は、運搬を業者に依頼したとしても、配線等の準備は別途お願いしなければなりません。
これらも自力でできることには限界がありますから、引越し当日に対応してもらえるよう、配線も含めて業者を選んでおくことが肝心です。

取り外し・取り付けの配線について

オフィスの配置は会社ごとに異なりますが、一つのフロアに複数の部署が集まっていることも珍しくなく、そのような中で複数人がコピー機を使うとなると、できるだけ多くの人が使いやすい場所に配置できるよう、配線を考えなければなりません。

現代ではwi-fiが主体となっているとはいえ、ケーブルに何らかの問題が生じた場合、インターネット環境にまで影響を及ぼすおそれもありますから、できるだけムリ・ムラ・ムダを省けるよう、事前に検討が必要です。

移転の際、配線は引越し業者の方でやってくれることが多いのですが、配線のプランはこちらで用意しなければ、業者は配線を進められません。
また、実際に新しいオフィスに足を運び、コンセント・広さ・障害物などを事前に確認しておかないと、机の配置を失敗したときに面倒です。

バランスを考えておかないと、一部のコンセントにだけ負荷がかかり、電力を余計につかってしまうことにもつながります。
コピー機・複合機の設置一つとっても、実にこれだけの面倒なことが控えているのです。

まずは、社内で十分に席や配置を検討してから、業者にプランを教えたいところです。

設置する際の場所について

コピー機・複合機は、社員が座る席の配置から逆算して考えることが大切ですが、機器自身のパフォーマンスを落とさないことを考えた配置を検討することも重要です。

コピー機は精密機器のため、どこにでも、どのようにでも置いてよいオフィス機器ではありません。

まず、コピー機は直射日光が嫌いです。
もし、直射日光の当たる場所に設置されていると、おそらくコピーした書類に縦スジ・白スジが出るでしょう。

次に、水周りや湿気の多い場所に配置することも避けるべきです。
コピー機は機械ですから、水を避けるべきだというのはイメージできると思いますので、故障のリスクを増やすような配置は控えましょう。

その他、海沿いなら潮風を避け、置き場所がないからといってホコリの舞うような部屋に安置するのは避けましょう。
磁気で誤作動が起きることもありますから、パソコン・スピーカー・ホワイトボードなどの近くにも置かない方が安心です。

普段の使い勝手やトナー交換を考えた場合、設置する向きと余分なスペースの確保は大切です。
あまりに壁や机などに近いと、紙やトナーの交換・年賀状の印刷などが面倒になります。

少しずつ移動させながら使うのも手間がかかりますし、配線に支障をきたす場合も考えられますから、入念にイメージすることが大切です。

備品や周辺機器の配置について

コピー機単体の配置に関しては問題がなくても、コピー機近くの備品や周辺機器に関しては、コピー機に不具合を生じさせないよう気を配りたいところです。
特に、コピー機のコンセントはタコ足厳禁です。

仮に、コピー機・複合機とその周辺機器を一緒に延長コードでつないでいた場合、両方が一蓮托生となり、延長コードをつないだコンセントでトラブルが起こった際に、2つともダメになってしまうかもしれません。

コピー機・複合機は、ただでさえ内蔵している機能が多いので、故障した時のダメージは大きいですから、なるべく他の機器とは離した状態で使いましょう。

パソコンとコピー機の連携について考えると、オフィスにあるほとんどのパソコンが連携を必要とするはずですから、各スタッフの業務内容と印刷頻度を比較して席を考えることも大切です。

移転時はお金の準備も大事

コピー機・複合機も含めたオフィス移転に関しては、専門業者の協力を得る必要があるため、ある程度お金の用意も必要です。
ただ、極力出費を減らすためにも、自分たちでやれることは考えておいた方がよいでしょう。

誰に何を頼むのかを把握しよう

個人の引越しは、荷物を段ボールに入れてさえおけば、業者にほとんどの作業を任せても問題ないかもしれません。
しかし、会社の場合は社員総出で引越し準備を進めた方が、無駄な出費を省けます。

重要なのは役割分担で、誰に対して何を頼むのか、あらかじめまとめておくとスムーズに事が運びます。
例えば、コピー機・パソコンの運搬を専門業者にお願いして、多少乱暴に扱ってもよいものは社員が運ぶといった具合です。

もちろん、出費を惜しまず全ての作業をプロにお願いするのも一つの方法です。
自社において何を優先するのか、十分に考えることが大切です。

日程を決める場合は、コピー機以外の手続きも視野に入れること

オフィス移転の日程は、会社の人間だけで決めることができません。
リース会社に連絡を入れるのもそうですが、それ以外にも運び出すもの・配線するもの・連絡する相手など、様々なことを考慮しなければなりません。

引越し業者は運搬と配線ぐらいのことはやってくれますが、ネット環境の整備や内装・電話などは別途業者に依頼をかけなければなりません。
また、金融機関や官公庁には、住所等の変更を届け出る必要があります。

全体感を把握して、最終的に無理のないようスケジュールを組むことが求められます。
各社員の協力も必要ですから、全員が進捗を確認できるよう、表を作っておくと分かりやすくなります。

最終的にどのくらいの予算で移転を進めるか

小さなオフィスならまだしも、それなりの人数を収容するオフィスに引越しを考えるなら、やはり金額の大小は無視できません。

中小企業であれば、コピー機の運搬だけを専門業者に依頼し、後は自分たちでやろうと考えるところも出てくるかもしれませんが、それならいっそ引越しを一通りお願いした方が、費用面で得をします。

単体で頼めば、細かい部分で料金が発生することもありますが、ひとまとめに頼めば一部が無料になることもあります。
例えば、コピー機の運搬費用を実質無料扱いしてもらうことも、不可能ではないのです。

予算を組む場合は、全体感で想定した方が、最終的に得をすると覚えておきましょう。

この記事のまとめ

オフィスを移転する際にコピー機・複合機を移動する場合、持ち主であるリース会社に連絡を入れなければなりません。
また、移動中に壊れてしまった場合に損害賠償金を支払う可能性も出てきますから、できるだけ丁寧に運ぶ手段を考えなければなりません。

実際に配置する際は、場所や周辺機器・配線などにも気を配り、コピー機・複合機の故障が起こらないよう心掛けることが大切です。
自分たちにできること・できないことを事前に考えておき、無理のないようスケジュールを立てましょう。

  • 公開日:2020.05.01

テーマ:コピー機の基礎

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