実はコピー機は寒い地域は注意が必要?
結露はコピー機の故障の原因にも。その予防や対処法
寒い地域は要注意?実は結露はコピー機の故障の原因にも。その予防や対処法電車で通勤している人の中には、混雑を避けようと早めに出社して、誰もいない静かなオフィスで仕事を片付けようと考えている人がいます。
そんな人が巻き込まれるトラブルの一つに、いざコピー機を起動しようとすると、なぜかエラーが出て立ち往生してしまうケースがあります。
すべてのエラーに言えることではありませんが、コピー機がエラーを起こす理由の一つに「結露」があり、場合によっては故障につながるリスクもあります。
特に、寒い地域や冬場によく起こる傾向があるため、事前の予防と起こった際の対策が必要です。
この記事では、コピー機で結露が発生するメカニズムと、結露が極力起こらないようにするための予防策・実際に結露が起こった際の対処法についてご紹介します。
コピー機で結露が発生するのはなぜなのか
コピー機は精密機器であるだけでなく、ミラーやレンズなど、機器に取り付けるには繊細なパーツも多く見られます。
結露が起こるメカニズムを理解すると、なぜそれが問題なのか理解が早まるはずです。
コピー機には「ガラス」が使われている
窓ガラスで起こる結露を思い浮かべると分かりますが、ガラスはちょうど空気の境目に配置されています。
壁に比べて薄い構造になっているため、室内の空気が窓近くで急激に冷やされることにより、空気が水を含める量が減って結露が発生します。
空気には、高い温度であればあるほど水蒸気を多く含めるという性質があります。
窓ガラスは、高温の環境と低温の環境とをわずかな薄さで分けているため、部屋が暖かいと外の寒さの影響を受けた窓ガラス周りの空気が水蒸気を含み切れず、結果的に水滴としてガラスに残ってしまったものが結露になります。
同じ状況が、コピー機のガラス面にも発生するため、複合機内部と外気との温度差の影響を受けやすくなります。
そして、冷え切った部屋を暖めるため急激に暖房を付けると、コピー機内に結露が発生し、精密機器にとってNGの「水分」が機内に発生する状況が生まれるのです。
冬場や寒い地域で結露は起こりやすい
結露は、比較的暑い時期には起こりにくいですが、冬場・寒い地域では起こりやすくなります。
0℃以下の環境で、人間が暖房に頼らずオフィス作業ができる環境はまずありませんから、寒いところで暖房をたいて作業をする以上、どんなオフィスにも結露のリスクがあると考えてよいでしょう。
しかし、夏場だからといって結露がないとは限りません。
梅雨の時期は湿度がとても高いため、気付かないうちにコピー機内部に水分がたまっていることもありますから、季節に関係なく結露対策は行っておいた方がよいでしょう。
復旧まで時間がかかり、仕事に支障をきたすことも
結露がコピー機内で発生した場合、明確にエラーコードが出るケースもありますが、問題が具体的な症状として発生することもあります。
例えば、用紙を見ると半分しか印刷されていない・一部分が真っ黒なまま印刷された・一部が印字されていないなど、印刷物に何らかの悪影響が及んでいるケースが多いようです。
ある程度室温が上がってくると、コピー機本体の温度も上がり、最終的には結露が解消されます。
ただ、それまでに長い時間がかかることもあり、午前中の仕事に支障をきたすケースも考えられることから、やはり事前に対策を講じた方が安心して利用できるでしょう。
「それなら朝当番を決めて早出出勤者をローテーションしよう」と考える人もいるかもしれませんが、働き方改革を進める上では逆効果に働くおそれもあります。
できる限り、社員の負担を減らすためにも、問題解決を仕組み化してしまうことが大切です。
コピー機の結露をどうやって予防するか
コピー機の結露を予防するためには、温度管理が重要になってきます。
空気が暖かければ、その分空気中に含まれる水分は増えていきますから、できるだけコピー機周りの温度を一定に保つ・暖かくする努力が必要だと言えるでしょう。
室内とコピー機内の温度差を減らす
結露が生じるところには、少なからず温度差が生じているため、結露を防ぐためには極力室内とコピー機内の温度差を減らしておくことが大切です。
具体的には、部屋が寒い時には素早く部屋を暖めて、水蒸気を水滴にしないことが肝心です。
室内から徐々に暖めていけば、やがてコピー機のガラス・レンズの結露も落ち着いてくるでしょう。
空気を暖める場合も、できるだけ極端な温度変化を避けるようにして、徐々に一定の温度になるよう意識して気温管理を行います。
寒冷地など、地域によっては仕方がないことなのですが、職場でストーブを使う場合は注意が必要です。
灯油ストーブ・ガスストーブなどを使うと、短時間で室内の気温を上げることができる反面、温度差が生じやすくなるため、結露のリスクも高くなってしまうのです。
灯油ストーブの場合、加湿のためにヤカンや蒸発皿などをストーブ上部に置いているところもありますが、こちらもオフィスが狭いと急激に温度が上昇する一因になります。
パネルヒーターなどがあるなら、時間はかかってもそちらを使うなどして、暖の取り方を工夫しましょう。
できるだけ空調に気を配る
部屋を暖める上で、最もコピー機に負担をかけずにすむのは、やはりエアコンなど空調を正しく使うことです。
室内の湿度と温度を調整しながら空気を暖められ、室温も少しずつ上昇していきます。
暖房と決定的に違うのは、単純な灯油ストーブのように「空気を暖める」ことだけに特化しておらず、所定の温度・湿度を保てる点です。
一般的なオフィスビルであれば、個々の暖房に頼るよりも、エアコンに頼った方が確実でしょう。
窓の近くなど、温度差の大きい場所にコピー機を配置しない
オフィスのレイアウトにもよりますが、コピー機を窓際に配置していると、季節を問わずトラブルが生じやすくなります。
日中は日光の影響を受けますし、夜から早朝にかけては気温の変化の影響を受けてしまいます。
壁際・日陰など、できる限り気温の変化に乏しい環境に配置し、その上でエアコンを使っていれば、結露のリスクを減らせます。
どうしても窓の近くしか選択肢がないなら、窓にブラインドを設けるなど、気温の変化が生じにくいよう工夫する必要があります。
冬場は電源をONのままにする
コピー機の冬場の不調を防ぐなら、コピー機本体の熱を奪わないよう、あえて電源をONのまま保つ方法があります。
これは、コピー機自体が起動して熱を持っていることだけが理由なのではなく、一部機種には結露を防止するための保温ヒーターが付いているからです。
省電力・節電モードになっている場合でも、基本的に保温ヒーターはONになっていることから、できるだけ電源はOFFにしない方がよいでしょう。
もちろん、24時間空調管理されている環境であれば、その限りではありません。
乾燥剤を使う
結露に関しては、コピー機内の湿気をとって結露を防止するアプローチも有効です。
具体的には、給紙トレイの中に乾燥剤を入れておき、機器の湿度を下げる方法があります。
この方法を使えば、結露の他にコピー用紙の湿りを減らすことにもつながりますから、雨の日や梅雨の時期などにも有効です。
コピー機専用のシリカゲルも販売されているため、湿気の厳しい時期が来る前に、事前に用意しておくとよいでしょう。
もし、結露になってしまったら
予防・対策をしっかりしていても、急な寒波の影響などで、コピー機に結露が発生してしまう可能性があります。
このような状況下でも冷静に対処できれば、通常の状態に戻るまでの時間を短縮できるはずですから、まずは落ち着いて以下の行動をとりましょう。
とりあえず電源を入れる
結露の発生に気付く・気付かないに関係なく、結露の状態を解消する最善の方法は、とりあえず「電源を入れてしまう」ことです。
先にご紹介したヒーター機能もそうですが、電源を入れることでコピー機自体が熱を持ち始めるため、そのままにしておけば結露が自然と解消されるケースは多いのです。
朝早くに電源を入れて待てば、気温が上がり切る昼過ぎには、問題が解決していることも珍しくありません。
次の日に同じ問題を起こさないよう、まずは電源を入れて放置し、本体の様子を見てみましょう。
暖房を入れる
前日に暖房を切ってオフィスを出た場合、それが原因で室温が下がり、結露が発生するケースも多く見られます。
室内の気温が低いと、部屋に置いてあるコピー機もその影響を受けるため、内部との温度差から結露が生じます。
また、暖房はできるだけ空間全体を暖めるエアコンを使い、一気に温度を上げるストーブは避けた方が無難です。
とはいえ、プレハブの事務所などは寒さ対策の方が重要になることも多いですから、窓の近くに配置しない・できるだけ温度変化の少ないスペースに配置するなど、ちょっとした工夫が必要になるでしょう。
コピー機本体を温める
どうしても結露の影響が続くようであれば、最後の手段として、コピー機自体を早めに温めてしまう方法があります。
空気は気温が高くなればなるほど水蒸気を多く含めるため、できるだけ水分を空気にとどめられるよう、コピー機内部・周辺の温度を上げて結露を解消する方法です。
具体的な温め方ですが、ストーブやヒーターなどを使って、直接コピー機に熱を送ります。
場合によっては、ドライヤーなどで局部的に熱を与えて解消する方法もあります。
ただ、この方法は本体に著しく負担をかけてしまうため、常時使うことはおすすめしません。
他に方法がない場合に限り使える方法として、緊急事態のみ使うようにしましょう。
この記事のまとめ
コピー機で結露が起こったら、まずは当面の問題を解決するために、室温を調整することが基本です。
また、電源が入っていないようであればすぐにスイッチを入れ、本体の温度を上げることも重要です。
必要に応じて乾燥剤などを使えば、湿度が高くてもコピー機周りの状態を悪化させるリスクを減らせます。
複数の方法を組み合わせて、寒い時期の室温・湿度の変化に対応しましょう。