こんな提案や見積もりがきたら要注意!
コピー機の悪徳代理店がよく使う手口を事例で紹介

コピー機のリース契約は、一度決まれば大きな収入が得られるため、代理店側も必死に営業活動をしています。
もちろん、多くの代理店はルールに従って適切な営業活動を行うものですから、ユーザー側のメリットにつながる提案を心がけるのが基本です。

よって、日本では大多数の代理店と安心して取引ができるわけですが、中には悪いことを考えて私腹を肥やそうとする代理店も見られ、残念ながら被害に遭ってしまった企業も少なくありません。

しかし、リース契約を組むことを前提にやり口を考える以上、特徴や傾向などはある程度決まっているため、手口を理解していれば騙されるリスクは少なくなります。

リース契約の期間は長いですから、最初の段階でどれだけ代理店を見定められるかが、その後の安心につながります。
この記事では、コピー機の悪徳代理店が使う手口について、具体的な事例をご紹介します。

悪徳代理店の具体的な手口を確認しよう

現代では、消費者保護の観点から法整備が進み、悪質な業者は罰せられるリスクが高くなったため、正直なところ悪徳代理店を巷で見かけることはまずありません。
しかし、リース契約自体は今なお特殊な契約の部類であり、契約満了までの期間が長いため、トラブルを避けたい心情から拒否反応を示す人も一定数存在しています。

過去には一部の代理店でリース契約のトラブルが続いた事例もあり、代理店側に悪いイメージがつきまとってしまう結果になったのは事実です。
ただ、インターネットが広く普及する中で、代理店の悪い口コミなども隠し切れなくなりましたから、もはや悪徳代理店も風前の灯火といったところでしょう。

とはいえ、確実に「いない」と断言するのも難しいですから、ユーザー側としては騙される確率を低くするため、事例を学ぶ努力が必要です。
まずは、悪徳代理店の具体的な手口について、各種事例をご紹介します。

見積もりの金額がおかしい

コピー機のリース契約における相場を知っているなら、見積もりをチェックした段階で問題に気付けます。
一般的なオフィスユースの場合、1台で毎月10,000~15,000円ほどが相場になりますから、そこを基準にオプション・台数の追加などを考えることになります。

もちろん、スペックに応じて料金も変わってきますが、同条件で見積もりを出したにもかかわらず、なぜか相場よりもはるかに高い金額を提示された場合、詳細を確認しましょう。

パンフレットやメーカーの公式サイトを見てみても、実際に商品自体は存在していてハイスペックだったりするので、人によっては「嘘は言っていないようだ」と担当者に納得させられてしまうおそれがあります。

しかし、仮に高性能機を導入したとしても、頻繁に印刷をしない・コピー機を使わない会社にとってはランニングコストが高くついてしまうため、あまりメリットはありません。
明らかに求めている性能と比べて豪華すぎる場合は、それを理由に契約を断るのが賢明です。

オプション推しが強い

悪徳代理店は、基本的に自社の利益・さらに掘り下げると自分の売上のことしか考えていません。
そのため、少しでも金額をつり上げるために、オプションのメリットを過剰に強調する傾向があります。

確かに、オプションを追加することで、コピー機ができることは増えていきます。
操作性がよくなったり、製本が楽になったりすると、業務が効率化するケースは多いことでしょう。

ただ、それらの機能を必要とするかどうかは、会社によって事情が異なります。
どんな会社でも必要とする機能は、せいぜいFAX・スキャン・プリンタ機能くらいで、それ以上のスペックを必要としない場合も多いはずです。

少し考えれば誰でも分かるようなことを無視して、将来性や未来に言及する聞き心地のよいセールストークを展開しようとする担当者の意見は、とりあえず疑ってみることです。
場合によっては「弊社がどこまで成長するのか、御社はどこまで理解されていらっしゃるのですか?」などと、担当者に確認してみるのもよいでしょう。

そこで言葉に詰まるようであれば、具体的なプランを何も用意していないことが分かります。
勢いだけで勝負しようとする担当者の話は、基本的に中身がありませんから、聞き流してしまいましょう。

コピー機に直接関係ない特典を用意している

悪徳業者のメジャーな手法の一つとして、コピー機・オフィスとは直接関係のない特典を用意するというものがあります。
テレビショッピングでも、抱き合わせで商品を販売しようとする動きがありますが、それと似たような手口と考えてよいでしょう。

例えば、オフィス立ち上げ・備品の見直しを理由に、ビジネスホンやデスク・チェア、さらには家電といったものをプレゼントするプランを提案されます。
その手法自体はよく使われているので違和感こそありませんが、問題はその必要性です。

特段交換する理由もないのに、あえてビジネスホンなどのニーズを想起させようと試みるのは、一言で片づければ「余計なお世話」です。
仮に、必要なくても口車に乗って契約すると、その分の金額がリース料に上乗せされているというカラクリが用意されています。

必要な物だけを提案してくれるのが、良心的な代理店です。
無駄な特典を並べ立てる代理店からは、できるだけ早い段階で離れましょう。

契約期間が普通じゃない

コピー機のリース契約は、5年という契約期間がベースになっています。
再リースなど、例外的に使用期間を延ばすケースはあるものの、それを前提に契約を結ぶ例はあまり聞かれません。

悪徳代理店はその点にも悪い意味で特徴があり、契約期間を6~7年とするケースが見られます。
月々のリース料金自体は安くなっているように見えますし、代理店側もそのように提案するかもしれませんが、結局のところ支払総額は膨らんでいます。

具体的な数字を出すと、同じ150万円という数字でも、リース期間が60ケ月(5年)なら月額25,000円で、84ケ月(7年)なら18,000円弱となり、確かにランニングコストは安くなります。

ただ、ここで問題になるのがコピー機本体の耐久性で、原則として法定耐用年数5年をベースに開発されているコピー機がほとんどですから、長く使い続けるだけ性能面では不利になります。

その点を知らないユーザーに対して、あえて提案を試みようとすることが問題です。
もし、5年を超える契約期間を提案された場合、どんなに魅力的に感じられる提案であっても、具体的な理由を説明してもらう必要があるでしょう。

契約内容がユーザー側にとって不利

リース契約は、多くのユーザーにとって特殊で面倒な契約です。
さらに、契約期間も長いので、そういった手続きを代行してくれる代理店を頼って、ユーザーは契約を依頼します。

悪徳代理店は、そんなユーザーの期待に付け込みます。
細かい文字が並ぶ契約書の中に、圧倒的にユーザーにとって不利な事項を書き加え、紛れ込ませるのです。

先ほど、リース契約は5年契約がベースとお伝えしましたが、これは「1台のコピー機を5年間使用する」という、とてもシンプルなものです。
しかし、もし契約書の中に「機種変更は2年ごとに行う」と書かれていたら、原則がまったく意味をなさなくなってしまいます。

他にも、代理店変更時に手数料を支払うという義務を盛り込むなど、とかく代理店の利益に直結する・契約を継続しないと損をするような文言が、契約書に含まれているおそれがあります。

こういった内容を一切説明せず、聞いても納得のいく回答をしてくれない代理店から契約するのは、リスク以外の何物でもありません。

【リース期間=保守期間】ではない

コピー機をリースする場合、本体のリース契約とは別に保守契約を結びます。
一般的には、リース契約期間同様に5年とするケースがほとんどですが、保守期間がそれよりも短い場合は注意が必要です。

もし、コピー機のリースは5年で終了するのに、保守期間を3年にすると、その後のメンテナンスが有料になってしまい損をします。
悪徳代理店がそのような契約をすすめるのには裏があり、保守を引き続き受けたいならリース組み直しをして欲しいと提案できるのです。

こちらも、優良代理店では必要としていない提案にあたりますから、基本的にユーザーにとっては無駄になります。
リース期間と保守期間に差がある契約を提案された場合は、詳細を確認する前に話を切り上げましょう。

悪徳代理店かどうかを判断するためのステップ

リース契約時、代理店側にモラルがあるかどうかを判断する際のステップは、大きく分けて3つあります。
それぞれのタイミングで不安が生じたら、とりあえず判断を保留するなり、取引を中止するなりすれば、ダメージを受けずに済むはずです。

ステップ1:相見積もりを取る

他の業種・商品でも基本的な考え方になりますが、相場観を知るためには相見積もりが確実です。
リース料金・カウンター料金などは、地域・代理店で金額が変わってくるため、まずは各社がどんな料金・プランを提示するのか、チェックを入れることが大切です。

仮に、一社だけ突出した金額の見積もりが見つかれば、そこに連絡を入れなければ済むことです。
自分が騙されるおそれがあることを想定して、複数の選択肢を用意しましょう。

ステップ2:営業担当者のモラルをチェック

見積もりをもらう段階で、実際に営業担当者と話をする機会があったら、その後の対応についてもチェックを入れましょう。
もし、営業担当者が電話や訪問をしつこく繰り返すようなら、その担当者は悪徳代理店に所属しているおそれがあります。

営業の格言の一つに「あっさり・しつこく」という言葉があります。
これは、断られた段階で一度引き下がっても、次の日に気持ちが変わる可能性があるから、できるだけ多く訪問して顔を覚えてもらい、成約につなげようというものです。

ただ、あくまでも失礼にならない範囲での話であり、信頼を得られないような訪問・電話は相手に不快感を与えます。
そういった基本を知らない担当者と話をすることは時間の無駄ですから、気付いた段階でやり取りは早めに切り上げましょう。

ステップ3:性格の悪さを見極める

悪徳代理店で勤めている営業担当者の中には、かなり攻めた口調で言質を取ろうと必死になる担当者もいます。
そのような担当者は、自社にとって(自分にとって)有利になる発言を細かく覚えており、そこを責めて成約にこぎつけようとする特徴があります。

中には、強気な姿勢で「前はそのようにおっしゃっていたじゃないですか」・「約束と違いますよね」などと言ってくる担当者もいます。
しかし、この段階では口約束に過ぎず、契約書に捺印さえしていなければ、極端な話無視しても良いのです。

あまりにしつこいようなら、警察や消費者センターに相談して、訪問等を控えてもらう対応も検討しましょう。

この記事のまとめ

悪徳代理店とは、関係を持たないことが第一ですが、見積もりを依頼する段階で紛れ込んでいる可能性は否定できません。
万一、不条理なリース契約を結んでしまうと、契約期間が終了するまで解約できません。

見積もりの金額・営業担当者の対応・契約書の内容に注意することで、トラブルを未然に防げます。
自分が不利になる要素はないか、綿密に確認する姿勢が、自社の将来を守ることにつながると押さえておきましょう。

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