コピー機の契約で圧倒的に多いリース契約。
色々な噂もあるリースの仕組みやメリットとデメリット
コピー機を事業で使う場合、多くの人はリース契約を検討します。
むしろ、コピー機を事業で導入する場合、今ではほとんどがリース契約と言ってもいいくらいの割合を占めます。
リース契約をすることで、一度に大きなお金を用意することもなく、毎月の負担額も少なくなることから、特に疑問を持たずに契約するケースが多くあります。
しかしながら、リース契約はその契約内容や仕組みをきちんと理解した上で利用・契約をしなければ、思いのほか高い授業料を支払うことになるリスクもあります。
事実、悪徳業者のせいでコピー機でも他の事業などでも、過去にリース絡みでトラブルになった事例はたくさんあります。
そのせいもあってか、リースという単語自体に嫌悪感や拒否感を持つ方も年配層には多かったりします。
この記事では、コピー機のリースの仕組みやメリットとデメリットについて、その概要を紹介していきたいと思います。
コピー機のリース契約の仕組みについて
コピー機を手に入れるにあたって、業者と契約する際の主流となるのが「リース契約」です。
よく耳にする機会はありますが、実際にリースとは?と聞かれると答えられない方も多いのではないでしょうか。
リース契約がどのようなものか、契約前に骨組み・仕組みを知っておくと、契約後の取り扱いに関する注意点をイメージしやすくなります。
「リース」とは、あなたのために用意されたモノを借りる契約
リース契約は、よく似ていて勘違いされる方もいますが、いわゆるレンタル契約とは異なります。
レンタルの場合は、既に業者などが持っているものを一定期間、費用を払って借りる事になります。
ですが、リースの場合、「利用者が欲しいと思っているものを、利用者の代わりにリース会社が購入した後、利用者のために貸し出す」という契約形態です。
本来なら、コピー機を買って使う場合、利用者側が負担すべきコピー機の購入金額を、リース会社が肩代わりをし、その上で利用者にコピー機を貸し出すのが「リース契約」なの。
そのため、利用者は、料金を毎月リース会社に支払う形が一般的です。
また、リース契約したコピー機を半永久的に利用する必要はなく、契約にあたっては一定の期間が定められており、数年間で契約満了となります。
また、タイミングによっては最新機種への乗り換え契約・契約の組み直しも可能です。
コピー機の場合、リース期間はコピー機の法的耐用年数が5年と定められていることもあり、リース期間は5年間となっていることがほとんどです。
保有者のリース会社がメンテナンスを行ってくれる
リースしたコピー機の所有権は、あなた自身やあなたの会社ではなくリース会社になります。
そのため、リース契約の場合は保有者であるリース会社がメンテナンスを行う契約が一般的となり、利用者側の負担を大きく減らしている点が魅力です。
利用料も、契約に応じて多少の変動こそあるものの、概ね負担の少ない金額におさまっています。
ランニングコストに関しては、契約が長くなればなるほど安く、契約が短くなればなるほど高くなる傾向にあります。
借りた物は返さなければならない
先ほども書いたように、リース契約において、あくまでもコピー機を保有しているのは「リース会社」です。
そのため、契約期間が満了になれば、使っているコピー機も返さなければなりません。
使い勝手のよい機種であれば、契約満了後にリース会社から買い上げることも不可能ではありませんが、その後のメンテナンス等は自分持ちとなるため、あまりうまみのある話とは言えません。
逆に考えれば、自分たちが保有している機器ではないため、コピー機の処分などに手をわずらわされることが無いとも言えます。
リースは、ある意味では利用者が「保有しないことのメリットを最大限受けられる」契約と言えるでしょう。
コピー機リース契約のメリット
実際に、コピー機のリース契約を結ぶと、利用者にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
以下に、いくつか具体的なポイントをまとめてみました。
新しい機種=新品のコピー機を使える
せっかくコピー機を使うなら、できるだけ新品を使いたいと思う人は多いはずです。
コピー機は消耗品とも言われますから、印刷の頻度が多い人ほど、壊れにくい新品を選びたいと思うのは当然の心理です。
しかし、新品のコピー機を自分たちだけを用意しようと考えると、事業規模によっては数百万円の負担を余儀なくされる場合もあります。
中小企業の規模であったとしても、数十万~100万円といった負担は必要になります。
その点、リース契約なら毎月わずかな支払いでコピー機を利用できるため、ランニングコストを圧迫せずに高性能のコピー機をオフィスに配置できます。
事業主にとっては、できるだけ利益に直接つながるような設備投資を考えるのが自然です。
コピー機はあくまでも間接的な設備投資に過ぎず、コンビニなど一部の例外を除けば、コピー機自体が売上に貢献してくれるわけではありません。
備品に大きな投資を必要としないリースは、事業運営に大きく貢献してくれます。
資料やスキャンの必要性が特に高いオフィスであればあるほど、リース契約にメリットを感じる場面が多くなるはずです。
大きな初期費用がかからず、設置や初期設定、メンテナンスも楽
コピー機を自前で用意しようと考えた場合、割賦で支払う方法もありますが、大抵の場合は一括支払いでの購入を検討することになります。
というのも、割賦、いわゆる分割払いにするくらいなら、かえってリース契約にした方が、メンテナンスや処分の負担が少なくなるからです。
また、自前で用意してしまうと、オフィスへの配置、その後のネットワーク設定といった諸々の初期設定などもすべて自力で行わなければならず、時間的負担や苦手な方であれば精神的な負担も増えてしまいます。
社員の数が少ないのであれば、その分だけ本業の時間を取られる事になります。
購入ではなくリース会社を利用していれば、専門のスタッフが対応してくれるため非常に効率的です。
もちろん、編集者・新聞社など、自分たちのニーズでとことん使い倒すことを想定しているのであれば、話は変わってきて、リースではなくあえて購入してしまった方が得になる場合もあります。
しかし、例えば個人事業主のような小規模事業では、そのような大金をはたいてコピー機を購入すること自体、初期費用が必要になり難しくなりがちです。
リース契約を結べば、新しい機種を安価なランニングコストで利用でき、メンテナンスも定期的に入ります。
トナー・インクなどの交換も折々で頼めるため、自分で購入する手間が省けます。
減価償却など面倒な経理・会計処理が不要
リースにおけるメリットの1つとして、「会計処理を楽にできる」点が挙げられます。
少し専門的な話になりますが、企業や事業主の立場でコピー機を購入した場合、それは備品という「資産」になります。
一般的には、何か「モノ」を購入した場合、それは経費とみなされます。
しかしながら、コピー機は半永久的に利用できるものではなく、耐用年数が存在しており、その年数を超えると価値がなくなっていきます。
会計上、それを処理する方法が減価償却と呼ばれるもので、計算が煩雑なため経理の面ではあまり好まれない傾向にあります。
よく経理や税理士から、10万円を超える買い物、30万円を超える買い物をする時は連絡を!といった事を言われることがありますが、あれはこの減価償却があるためです。
また、コピー機は動産のため、動産保険の契約も別途必要となるなど、購入の場合は色々と面倒な処理が必要になります。
これに対して、リース契約を行った場合、コピー機にかかる費用は全て経費に計上されます。
税務上は損金という扱いになり、自社にコピー機があっても、それを資産として計上する必要はなくなり、もちろん減価償却の計算も要しません。
専門の経理スタッフがいない状況であれば、そのような負担を考慮し、リースを選択した方が有利になります。
特に、事業規模が小規模になればなるほど、リース契約のメリットを享受できるはずです。
コピー機リース契約のデメリット
これまでを見ると、リース契約にはメリットばかりと思うかもしれません。
しかしながら、リース契約はきちんと知らずに利用すると痛手を見る事もある契約の1つのため注意も必要です。
リース契約を選ぶメリットは数多くあるものの、事業規模によってはデメリットを感じる場面も多々存在します。
最終的な支払額は購入するよりも高くなる
コピー機をリース契約すると、初期費用や毎月のランニングコストは安くなります。
しかしながら、毎月の費用の中には、利息・保険料などが含まれていることは忘れてはいけません。
仮に同じコピー機を、一括購入する場合とリース契約する場合とで比べると、総額で見れば、間違い無くリース契約の方が高くなります。
純粋に費用の安さ“だけ”を理由として購入を検討するなら、一括購入の方が安くなります。
とはいえ、コピー機というのは購入して終わりという商品ではありません。
導入してから、何年もの長い期間の利用を想定して購入するものですから、多少総額は高くなってもリース契約に魅力を感じる層は多く存在しています。
原則として中途解約はできない
リース契約を躊躇う方の一番の理由がこれかと思います。
リース契約というのは、一度契約をすると、中途解約することは原則として認められていません。
これは、仕組みを理解すれば理由がわかるのですが、リース会社が「利用者の代わりに、利用者が欲しいコピー機を購入している」という点に理由があります。
リース契約は、利用者が間接的にリース会社からお金を借りている契約形態です。
そのため、リース会社からしてみても、途中で解約されてしまうと、先にそのコピー機を買うために支払っている分の料金の回収すらできません。
意図しない解約は「貸し倒れ」につながるおそれもありますから、リース会社は解約するなら残額を全て支払うことを契約書に付記し、廃業による不払いリスクなどに備えます。
もちろん、他の備品のように、簡単に買い替えすることもできません。
契約年数が経過し、新しい機種への乗り換えを検討する場合を除いては、一度導入したコピー機の変更も難しいものと覚えておきましょう。
「自分のもの」ではない
リース契約しているコピー機は、あくまでもリース会社が所有権を持っています。
コピー機を社内で自由に使えるものの、その取り扱いには一定の制限が設けられています。
例えば、オフィス移転に伴いコピー機を移動しようと思ったら、一度リース会社に連絡を入れなければなりません。
コピー機も精密機器で、扱いが雑だと故障の原因にもなるため、大きな移動の場合は、移動に関する取り決めが定められている場合もあります。
そのため、段取りを組む前に担当者と連絡を取っておくといったことも必要になるケースがあります。
また、所有権が自分にないということは、仮にコピー機が不要になっても自分で処分することができません。
要らないから別の会社に売ろうと考えても、自分のものではないので転売できません。
また、分割払いなどとは違うため、あくまでも支払いはリースの料金の支払いになります。
そのため、契約年数分の支払いが完了し、契約満了となった後は、コピー機は自分のものというわけではなく返却しなければなりません。
リース契約を結ぶ場合、数年にわたり同じコピー機を利用するのかどうか、契約前にしっかりイメージしておくことが大切です。
この記事のまとめ
コピー機のリース契約は、一つの機種を長く使えば使うほどメリットが大きくなります。
反面、数年に及ぶ契約を結ぶ事になるため、しっかりと慎重に考えてすすめていかなければなりません。
途中解約などもできない契約のため、長期間の契約を結べるかどうかが不透明な事業者にとっては、別の方法を選んだ方がメリットのある場合もあります。
契約内容が比較的厳格で、支払いも継続的に発生することを勘案すると、リース契約を結ぶかどうかの判断基準は、事業の成長性・安定性に左右される部分が大きいはずです。
とはいえ、リース契約には非常に大きなメリットもたくさんあります。
特にコピー機などの場合は、初期費用、メンテナンスなどにおいてリースだからこそのメリットが多々あります。
そのため、実際には今のコピー機の導入においてはリース契約を結ぶのが主流になっています。
実際に契約を結ぶ際は、契約期間とランニングコストなどを加味しつつ、メリットとデメリットをしっかり考えて、できる限り有利な選択肢を選ぶように心がけましょう。