コピー機のカウンター料金が格安や無料って?
どういう仕組みで無料となり、保守はどうなるのか
コピー機のリース契約に伴う比較的新しいプランとして、コピー機のカウンター料金を格安にする・あるいは無料にするプランが見られます。
格安・無料プランを用意する業者は、本来なら負担しなければならない金額が不要になるため、次第に人気を集めています。
しかし、表面的に無料とうたっていても、細かく契約内容を紐解いていくと、そこまでお得にならないケースも少なくありません。
この記事では、カウンター料金の格安・無料プランについて、その仕組みや実際の保守形態についてご紹介します。
カウンター料金のディスカウントは可能?
そもそも、カウンター保守契約はリース契約の8割を占めているとも言われ、毎月の印刷枚数に応じて料金を請求する業者が大半です。
しかし、料金自体はリース会社によって変動があり、リースしているモデルによっても変わってきます。
料金差が生まれれば、結果的にそれが他社から見てディスカウントに見えるケースもあるでしょうし、交渉の結果最初の見積もりから値段を引き下げてくれた場合もあるでしょう。
いずれにせよ、ディスカウントに近いことは現場で広く行われていると言えそうです。
印刷枚数が相場を作っているカウンター料金
カウンター料金の相場は、各機種の印刷機能・すなわち分単位の印刷枚数によって、白黒・カラーそれぞれで価格帯がある程度決まっています。
特徴として、印刷枚数が少ないほど単価が高く、逆に多いほど低くなる点が挙げられます。
せっかく性能の良い機種をリースしてくれた顧客に対し、高性能だからといってカウンター料金も高くしてしまうと、多くの顧客がリーズナブルなモデルで手を打とうとします。
この点に対策を講じる意味でも、カウンター保守契約の仕組みは上手くできています。
費用の内訳は会社によって違うことに着目したい
カウンター保守契約の仕組みに変わりはなくても、実際にどのような単価を提示するかは業者次第ですから、単価は自由競争となります。
そこで、費用の内訳・契約の詳細について工夫することで、名目上「カウンター保守契約」にかかる料金を抑えることに成功した例もあるようです。
こうして、見栄えの面でカウンター料金を格安にできた業者は、市場の中で存在感を発揮できたものと推察されます。
格安感を出すための工夫
ディスカウントを成功させた業者は、カウンター保守契約に関する価格を表に出さず、総額表記でお得感を表現することに成功しました。
リースだけでなく、レンタルを行っている業者でも同様のプランを提案することがあり、具体的には月額料金の中にカウンター保守料金を組み込んでいます。
そうすると、リース料も含めた総額計算では確かに安くなるケースもあり、実際に他社比較を用いて具体的な金額を算出している業者も存在しています。
自社が似たようなケースに合致するようであれば、取り入れるメリットは十分あると言えるでしょう。
完全にカウンター料金を無料に抑えることはできる?
総額プランでカウンター料金を実質的に安くできるなら、賢い業者は「無料という扱いでプランを考えられるのではないか」という考えに至るはずです。
確かに、その方法を使えば「実質無料」とうたうことはできるものの、実際にそのような形で業者が経営を続けるのは難しいように思えます。
しかし、定額制プランの枠を設け、枠外に至った印刷枚数分を別途請求する形にできれば、枠内ならカウンター料金は無料という扱いになります。
ここからは、少々ややこしいですが、カウンター料金を無料にした場合のケースを掘り下げてみましょう。
見積もり上で無料にすることは可能
カウンター料金無料の契約は、要するに「カウンター保守料金」という形で料金を請求しない、という意味合いを含んでいます。
よって、見積もりの中でカウンター料金を請求していないのなら、それは無料という解釈にできます。
しかし、どれだけ使っても無料なのかと言えばそのようなことはなく、プランの中で枚数に制限をかけているケースが多く見られます。
契約によっては、カウンター料金も含めて換算すると、相場より異常に高い場合もありますから注意が必要です。
そもそも、カウンター保守契約という仕組み自体が、ある意味では保険を兼ねています。
精密機械であるコピー機の故障にサービスマンが都度対応できるよう、一定の料金を設定して、ユーザーに唐突な費用負担をかけない仕組みを作ることが目的だからです。
サービスマンが定期的に点検にやって来る以上、何らかの形で費用は回収しなければなりませんから、その定期的な点検がない分の費用をどこからねん出しているのか、気にかける必要があります。
点検・修理は毎月の支払いで無料で行ってもらえるのか、事前にプランを念入りに確認しておきましょう。
プランによっては一般的なカウンター保守契約よりも安くなる
原則として、カウンター料金無料の契約は、そうでない契約に比べてランニングコストが高くなりがちです。
それは、インク・トナー代を別途支払う形になっているケースが多いからです。
使用した分のトナー料金だけを請求するプランは、いわゆる「キットトナー契約」と呼ばれ、修理代金は無料ですがトナーは別途料金を請求されます。
業者側では、トナーは格安料金になっていると宣伝することも多いのですが、実はここに落とし穴があります。
契約上、一般的なカウンター保守契約では、枚数に応じて料金の変動はあっても、用紙の別で価格が変動することはありません。
しかし、キットトナー契約の中には「A4紙以下のサイズまで」を格安契約の範囲に絞っているケースもあり、その場合はB4・A3紙を使うと単価が上がります。
印刷の頻度・用紙サイズに制限があり、その中で自社で購入するよりはメリットのある範囲を考えると、おそらく業種・事業規模はかなり限定されてきます。
契約する際は価格帯だけで選ばず、見積もりや契約の詳細を確認しておきましょう。
全ては利用者の使用頻度次第
結局のところ、カウンター保守契約を格安で結ぶ・あるいは無料で契約するとなると、何らかの制限がかかる点は否めません。
よって、契約形態をどうするかは、ユーザー側の使用頻度次第で変わってきます。
現在の契約と見比べて安くなりそうなら見直しの価値はありますし、逆に他社見積もりを見せて現在契約している会社に対応を迫る方法もあります。
格安・無料という言葉に惑わされず、きちんと「今よりお得になるか」を自社目線で把握することが大切です。
メンテナンスはきちんとやってくれるのか
どんな契約・商品にも言えることですが、もともとの金額が安くなると、その分だけ中身もチープになりがちです。
カウンター保守契約について言えば、サービスマンがきちんとメンテナンスに来てくれるのか・スピーディーに対処してくれるのかが気になるところです。
続いては、料金の安さと保守契約との間に存在するリスクについて、保守の契約形態にスポットを当てて解説します。
もともと、カウンター保守契約を結ぶ形であれば問題ない
契約上、カウンター料金が発生する形になっていて、単純にその金額が格安である場合、保守自体の心配はありません。
料金が発生している以上、毎月の支払いは行われますし、自動更新の契約になっているはずです。
もちろん、トナー交換・修理代金もかからず、所定の電話番号に連絡すればサービスマンが対応してくれるでしょう。
料金が安いからといって、サービスマンが修理・点検に来てくれないという話にはならないはずです。
スポット保守契約には注意が必要
カウンター料金は、カウンター保守契約・トナー交換・修理代という3つの柱を成り立たせるために必要な料金です。
コピー機のリースでは、これらを別々に分解して、カウンター料金という概念をなくした契約もあります。
具体的には、トナーが有料となる「キットトナー保守契約」・トナーに加えて修理代も有料となる「スポット保守契約」・年単位での更新となる「年間保守契約」などが挙げられます。
この中で、保守に関して注意したいのがスポット契約で、この契約におけるサービスマンの対応は、一般的なカウンター保守契約に比べて遅くなります。
理由は、作業代・パーツ代などの修理費用を実費で支払わなければならず、修理依頼も自分で出さなければならないためです。
リース会社のホットラインを使えないのは、特に急いでいる時など非常に面倒に感じるはずです。
「保守料金0円」に注意書きがないかどうかをチェック
見積もりや広告をチェックする場合、保守料金0円とうたわれていたら、その下や別ページに注意書きがないかどうかを確認しましょう。
基本的には0円でも、諸々の事由があれば別途料金をもらう旨が箇条書きされていたら、その条件が大抵の会社に十中八九適用されるものと考えるべきです。
もし、注意書きを見てそれでも魅力的な契約だったら、厳密にカウンターの月平均をチェックして、損をしない範囲で契約を検討しましょう。
逆に、将来的に枚数が増える可能性があるなら、一度見送った方が賢明かもしれません。
この記事のまとめ
カウンター料金は、格安になることはあっても、完全無料になることはありません。
仮に、カウンター料金という名目で請求しなかったとしても、保守がある以上、結局のところ別の形で料金が請求されることは間違いないからです。
安さを追い求めることも大切ですが、肝心なのは「費用に対して適切なサービス・パフォーマンスが得られるかどうか」です。
費用を節約する部分と、節約してはいけない部分を見極めた上で、プランを選ぶことが大切です。