少ないけれどゼロではない、コピー機の悪徳代理店。
悪徳代理店のどんな手法や手口に注意すれば良いのか?
コピー機のリース事業は、日本国内で見ると競争率が高いので、少しでも売上を確保するため必死になる代理店は少なくありません。
中には、契約した人にとって不利な条件を提示する悪徳代理店も見られ、契約する側が気を付けていないと騙されるおそれもあります。
リース契約は長丁場になるので、中途半端な理解で契約を結ぶと、後々失敗してしまう可能性があります。
この記事では、コピー機のリース契約において注意すべき悪徳代理店の特徴について触れるとともに、具体的な手法・手口などをご紹介します。
コピー機リースにおける「悪徳代理店」の特徴とは
悪いことを企んでいる人は、基本的に良い情報しか流しませんし、自分たちのプロフィールを極力知られないようにしようと試みます。
これは悪徳代理店についても言えることで、何となく不審な雰囲気があるなら、できるだけ早く話を打ち切った方が得策です。
以下に、主な悪徳代理店の特徴についてお伝えします。
自社の情報を積極的に公開しない代理店
本来、会社にとって広報は重要ですから、どんなに小さな代理店であっても何らかの宣伝媒体は利用しているものです。
雑誌や新聞に情報を掲載できるような大手は別としても、SNSや自社サイトなどを使って自社の情報を発信するのは、現代において基本的ともいえる手法です。
にもかかわらず、自社サイトが見つからなかったり、そもそも会社の所在や担当者の立場といった説明がなかったりする状況で、商談を始めようとする業者に出くわすことがあります。
こういった代理店は尻に火がついている可能性があるので、契約を結んでトンズラされるおそれがありますから、最初から怪しいと思って接しましょう。
商談することが分かっているなら、事前に営業元のWebサイトやブログなどをチェックしましょう。
また、自社に関することを営業マンに質問し、歯切れよく回答してくれるかどうかもポイントになります。
コピー機以外の製品を推してくる代理店
コピー機のみならず、各種OA機器もオフィスにおけるリース契約の対象となります。
具体的には、パソコン・ビジネスホン・デスクなどがワンセットになる契約が該当します。
それ自体は違法ではなく、何ら問題のない行為ですが、中にはオフィスに直接関係のない機器も契約の中に含まれる場合があります。
例えば、コピー機を制約してくれたら「冷蔵庫・テレビ」といった家電をプレゼントしてくれる、というものが有名です。
確かに、開業間もないオフィスであれば、家電を用意したいというニーズもあるでしょう。
しかし、本当にそれらが無料になっているかどうかは、リース契約の複雑な計算内容を紐解いて見ないと分かりません。
極端な話、その家電代金がリース料に含まれていたとしても、表向きは全く分からないように細工されている可能性もあるのです。
本来の目的から大きく外れるような商品の提案を受けた場合は、少し慎重になった方がよいでしょう。
中古リースという選択肢を提案する代理店
とても分かりやすい悪徳代理店の特徴としては、中古品のリース契約を提案するケースがあります。
基本的に、再リースなどの一部例外を除き、コピー機のリース契約は新品のみが対象となります。
これは、リース契約が5年以上という長期契約になっていること・コピー機の法定耐用年数が5年であることなどに起因しています。
また、数年間にわたり複数の社員が多用する精密機器であるため、消耗も激しい傾向にあります。
つまり、中古リースという契約形態は、ユーザーが大きく損をする可能性が高いため、契約として成立しません。
それなのに、担当者が「中古だから格安でリースできますよ」などと営業するようなら、その段階で悪徳代理店の可能性が大です。
中古リースという文言は分かりやすいキーワードなので、あえてカマをかける意味で「中古リースできますか?」と怪しい業者に振ってみるのもよいでしょう。
そこでOKの返事が出たら、その商談は断るのが賢明です。
悪徳代理店は、どのようにして契約を強要するのか
契約を結ぶ際には、お互いに内容をきちんと確認し、納得のいく形で契約を結ぶことが必須条件です。
しかし、悪徳代理店は一方通行のコミュニケーションで話をまとめようとするため、押しが強い営業担当に当たった場合、こちらの話をきちんと聞いてくれるかどうかをチェックしましょう。
優秀な営業というのは、話すよりも聞く能力に優れているものです。
ユーザー側が歓迎しないトークを展開するような担当者からは、早々に離れた方が賢明です。
お得なプランをアピールする
コピー機という同タイプの商品を取り扱っている以上、代理店が目に見えてお得なプランを組めるとしたら、そこには何らかのカラクリがあると考えてよいでしょう。
語弊はありますが、相場をきちんと理解していないユーザーは何がお得か分からないので、場合によっては担当者の言いなりになってしまうリスクもあります。
先にご紹介した家電プレゼントの件もそうですが、何でこれがオフィスに必要なのか、という視点がないと、目先のお得感に騙されてしまうおそれがあります。
自社が求めるプランを優先し、それで値段が変わらない・あるいは高くなると言われたら、何かがおかしいと疑うべきです。
即決して欲しいというニュアンスを崩さない
営業において重要になるのがクロージングで、いかに「お客様に満足いただいて購入してもらえるか」というのは、業種を問わず重要な部分です。
コピー機を契約する際も、できるだけお互いに満足できるようなやり取りを進めることが常識ですが、中には即決を求めるようなスタンスで営業をかけてくる担当者もいます。
戦略の一つとして、即決を促すスタンス自体は間違いではありませんし、状況によってはユーザーも納得するでしょう。
ただ、ユーザーが当日の契約を避ける意向を伝えた場合、担当者はいったん契約を保留とするのがセオリーです。
ところが、粘れば絶対に契約できると考えている悪徳代理店の中には、ひたすら話し続け、契約を決めるまで帰らない戦略を取る業者がいます。
全く帰る素振りを見せないようなら、それは単なる代理店側のわがままですから、関わり合う必要はありません。
言質(げんち)を取りたがる
言質というのは、後で約束の証拠となる言葉のことで、取った側が有利になります。
ただ、録音をしているなどの特殊な場合を除き、現場ではあくまでも交渉材料の一つとして活用するに過ぎず、契約書ほどの重要性がある話ではありません。
顧客の側が忘れていることもありますし、状況が変わることもあります。
しかし、悪徳代理店は「言質を取る」ことにこだわります。
例えば、電話越しに「条件が良ければ今日決める」などと顧客が担当者に話してしまうと、担当者はそれをバカの一つ覚えのように使います。
「今日買ってくれるお約束でしたよね?」としきりに話を強引に進めようとしたり、「もう今日から動くお話でこちらは進んでいます。どうしてくれるんですか」などと詰め寄ったりします。
代理店の担当者と話をする際は、誰が相手だとしても、一見人が良さそうに見えても、確約するような言葉は出さないようにすることが肝心です。
悪徳代理店に関わってしまった場合の対処法
万一、やり取りの中で「このお店は悪徳代理店かもしれない……」と感じてしまった場合、どうすればよいのでしょうか。
基本的には、何とかして契約を結ばないようにすれば問題ない話なので、いかなる場面でも毅然とした態度で、辞退できるスタンスで交渉に臨むことが大切です。
相見積もりを根拠に辞退する
実際に担当者と密なやり取りをする前に、まずは複数の代理店から相見積もりをもらいましょう。
その中で、いくつか良い条件のものを取っておき、交渉の段でそれを理由に辞退を申し入れます。
また、できるだけ顔を合わせる前に、話している様子から態度を確認しましょう。
やり取りが少しでも横柄・生意気に感じられたら、その時点で電話を切るなど、多少勢いを付けて断ることも大切です。
契約前に契約書の内容を入念にチェック
やり取り自体はスムーズに進んでいても、いざ契約となった際には、契約書に隅々まで目を通す必要があります。
文字で注意事項をまとめている分、その気になればユーザーにとって不利な条件を小さな文字で書いておくこともできますし、誤解を招くような文言が載っている可能性もあります。
その中には、ごくまれに違法性のある表記がなされているものもありますから、書かれている単語・文章一つひとつに気を配り、納得した上でハンコを押さなければなりません。
例えば、販売店変更に伴う違約金・2年に1回新しい機種に取り換えるなどの文言が書かれていたら、契約を破棄した方が賢明です。
最悪、警察を呼ぶことも視野に入れる
どのような理由であっても、自社で契約しないことを決めてしまったら、悪徳代理店側としては損失を避けるために粘る姿勢を崩さないでしょう。
このような場合は、頃合いを見て警察に連絡を入れ、話を強制終了させるのが効果的です。
お茶を出すふりをして事務所に戻り、警察に連絡を入れてから話を続け、やがて警察がやって来たら事情を説明するような形で段取りをつけます。
警察を呼ぶと脅すよりも、実際に一度呼んだ方が代理店側から警戒されますから、今後のことを考えて強気な対応をするのがベターです。
この記事のまとめ
悪徳代理店は日々淘汰されていますが、それでも運悪くそのような業者につかまってしまう可能性は十分あります。
大事なのは、決定的な状況に追い込まれないようにすること・不利になる要素を極力減らして交渉に臨むことです。
一見すると有利に感じられるプランでも、契約書の中身を見てみないことには、本当のところは分かりません。
リース会社の審査に通るかどうかも重要ですが、代理店の内情をこちらが審査することも、忘れてはいけない要素の一つです。