中古コピー機の「部品供給期間」は注意が必要。
どういうもので、この期間が過ぎたらどうなるのか?
コピー機にはトラブルがつきもので、どのオフィスでも有事の際にはサービスマンを呼ぶなどして対応します。
中には、部品交換が必要になるくらい重度のトラブルもあり、その場合は部品が届き次第交換となります。
この時に一番の問題は、肝心の部品がなくなってしまう場合があることです。
そのため、どのメーカーも「部品供給期間」という期間を設けており、その期間を過ぎると、修理に必要な部品が調達できなくなる可能性があります。
この記事では、中古コピー機を利用する際に死活問題となる部品供給期間について、その概要と問題になる理由・中古コピー機の購入前に知っておきたいことなどをまとめています。
そもそも、部品供給期間とは何か
まずは、部品供給期間とは何なのか、その概要を確認しましょう。
これはコピー機に限った話ではなく、実は全ての電化製品に当てはまる話でもありますので、私たちの日常生活でも実は存在しています。
そのため、初めて耳にしたという方は、今回のコピー機に限らず、どんなものでも中古品を購入する際や、長期間使って行くような家電類などを購入する際にはしっかりチェックしておきたいところです。
製品の品質維持のために設けられている期間
部品供給期間とは、メーカーが製品を修理できるよう、必要な部品を保有していなければならない期間のことです。
例えば、各種電化製品やOA機器などの製造物は、それら機器の保守や修理に必要な部品を一定期間保有していないと修理ができなくなってしまいますから、それを防ぐための仕組みと考えればよいでしょう。
部品供給期間は製品によって異なる
部品供給期間がどのくらい設けられているのかは、その機器・製品によって異なります。
全国家庭電気製品公正取引協議会によると、例えば、オフィスで使われることのある以下のような製品にも、部品供給期間が設けられています。
- 電気冷蔵庫:9年
- 電子レンジ:8年
- 電気ポット:5年
- カラーテレビ:8年
- 扇風機:8年
- 電気掃除機:6年
ただし、メーカーによって保有期間が異なる場合もあるため、取扱説明書などを確認しなければ、その製品の正確な部品供給期間は分かりません。
あくまでも、目安として考えておきましょう。
コピー機の場合は原則7年間
コピー機の部品共有期間は、「その機種の製造打ち切り後から7年間」と定められていることが多く見られます。
大手の富士ゼロックスでも、サポート終了商品に関する回答として「補修用性能部品の最低保有期間は、機械本体製造中止後7年間です」と公式サイトで質問に回答しており、業界では一般的な取り決めと考えてよいでしょう。
ただし、メーカー・モデルによっては、販売終了後5年間までを部品供給期間と定めているものもあり、コピー機全てを一括りにして判断できない点に注意が必要です。
中古コピー機において部品供給期間が問題となるのはなぜ?
部品供給期間という概念と、コピー機のおおよその期間について理解したところで、続いては「なぜ部品供給期間が問題になるのか」という点についてお伝えします。
部品が思うように手に入らないと、中古コピー機を長く使い続けるには不利なため、まずはリスクをしっかり理解して中古コピー機の購入を検討しましょう。
せっかく買っても修理できない可能性がある
ユーザーが部品供給期間を気にすべき最も大きな理由は、せっかく気に入って中古コピー機を購入したとしても、残念ながら修理できない可能性があるからです。
仮に、2000年に生産を終了したモデルの部品供給期間が7年間だったとしたら、2007年の時点で部品の供給は止まり、あとは中古品だけで何とかするしかありません。
自動車と違い、コピー機は精密機器であることから、頑丈さはそこまで期待できません。
よって、経年劣化も早く、個体によっては仮に新品で導入したとしても、3年目あたりで故障が頻発するリスクもあります。
部品供給期間が短ければ短いほど、修理部品を確保することが難しくなり、新品を使うリースに比べて不安要素が多くなります。
できるだけ新しい中古品を探す必要があるものの、業者も年式別に商品を管理しているとは限らないため、自分で注意して選ぶことが大切です。
年式を指定して購入できないリスクがある
中古コピー機購入のリスクについてもう少し踏み込んで考えると、業者からコピー機を購入する際、100%年式をこちらで指定できないケースが考えられます。
詳しくは業者に問い合わせなければ何とも言えませんが、同じモデルでも販売時期に4~5年という差があるため、ハズレを引いてしまうと部品供給期間があと2年以下のモデルを購入するおそれがあります。
たとえば、2013年に製造を開始して、2016年に生産が終了したなら、当然2016年製が欲しいと思うはずです。
しかし、良い機種だと思っても2013年製しかない場合、アフターケアを求めるなら別の機種を探す必要があります。
理想的なのは、現物を確認してから判断する方法ですが、そうそう近所に良いお店が見つからないことの方が多いはずです。
見積もり・問い合わせの段階で年式の希望を伝え、欲しいモデルが用意できるなら問題ありませんが、はぐらかされたり保証できないという回答があったりしたら要注意です。
万一処分するにもお金がかかる
近いうちに部品供給期間が切れることを想定して、壊れてもいいから当面使用するコピー機を用意しようと考えた場合は、手に入れたコピー機の「終わり」についても考えておく必要があります。
コピー機の法定耐用年数は5年であり、メーカー自体が5年の使用を目途に部品を作成していることから、新品も使い続けることで日々状態は悪化していきます。
まして中古は、過去にどのような使い方がされていたか分かりませんし、それぞれのパーツがどのくらい傷んでいるのかも分かりません。
外側は傷が少なく消耗が少ないと思っていても、実際に中身のパーツは劣化しているなんて事も可能性としては十分にあります。
3年で故障が加速化するとも言われる中、すでに製造・使用されてから3年以上が経過している中古品を使い続ければ、トラブルが起こる確率も高くなってしまいます。
やがて、購入したコピー機が使えなくなった時、中古品は何らかの形で処分を検討しなければなりません。
使えるなら売ったり寄付したりすることもできますが、動かないだけでなく修理のためのパーツもないという状況では、ただの邪魔者でしかなく、産業廃棄物として処理する以外にありません。
そうなった時、コピー機は専門業者に依頼して回収をお願いする必要があるため、どうしても料金がかかりますから、使える年数が短い分だけ損をします。
いっそのこと家庭用コピー機の新品を購入した方がお得になる場合もあるため、中途半端に価格を妥協するくらいなら、思い切って小さい新品をリースした方がよい可能性も十分にありしっかり検討する必要があるのです。
部品保有期間を意識した中古コピー機の選び方
そうはいえど、やはり価格面などで見た時に中古コピー機は魅力に感じる方も多くいます。
中古コピー機を選ぶのであれば、将来的に故障するであろう状況を想定しておく必要があります。
安心して使える中古コピー機を選ぶためには、やはり部品保有期間がいつまで残っているのかをしっかり確認する必要性があります。
また、使用期間を逆算するにあたり、いつまで使うのか・本当に中古コピー機でなければならないのかなど、具体的な期間や別の選択肢にもイメージを広げることが大切です。
現在からさかのぼって供給期間を計算する
どうしても中古で質の良い機種を用意したい場合、やはり何とかして部品保有期間が十分にある中古コピー機が欲しいと思うはずです。
業者が指定するモデルをそのまま選ぶのではなく、年式はきちんと確認するか指定しておきましょう。
仮に、2017年に製造を終了している中古コピー機があるなら、そのコピー機は2024年まで部品が供給されますから、2020年に購入すれば少なくともあと4年は安心して使える計算になります。
逆に、2013年に製造を終了している中古コピー機であれば、2020年で部品供給は止まるわけですから、どんなに安かったとしても不利になってしまうのは否めません。
自社で何年使えればよいのか当たりをつける
さすがに、中古コピー機を購入しようと考える段階で、それを長年にわたり使おうと考える人は少数派でしょう。
購入する場合は、いずれ壊れる・使えなくなることを想定して、概ね何年間自社で使い続けるのかを考えておいた方が無難です。
新規開業したばかりでリース契約を結べなかった場合は、審査の都合上、とりあえず3年の営業実績を積むことを目標にします。
まずは3年間、問題なく使えるモデルを探すという視点で考えれば、2020年基準で考えるなら、7年という期間を逆算すれば、2016年製のものを用意すれば2023年まで大丈夫とイメージできるはずです。
借金などの問題でリースの審査に通らず、5年間は個人信用情報が回復しないと分かっている状況であれば、もう少し長いスパンで考える必要があるでしょう。
3年経過してから買い替えるか、もう少し短いスパンで1年ごとに買い替えるかなど、自社におけるコピー機の重要性に応じて買い替え時を検討する方法が考えられます。
中古コピー機以外の選択肢も想定しておく
どうせ中古コピー機を購入する必要があるなら、いっそのこと中古コピー機以外の選択肢を想定するのも一つの方法です。
同じような価格帯で、新品で購入できるものがあるなら、そちらを選ぶことも可能なはずです。
例えば、個人事業主や事業規模の小さい中小企業であれば、家庭用複合機で事足りるケースは珍しくありません。
料金もそこまで高くありませんし、コピー機を主に使うスタッフを事務所に配置するなどすれば、そこまで目に見えて不便を感じる状況は少なくなるはずです。
また、中古コピー機を購入してから用途をコピーだけに限定し、ほとんどの印刷物をプリンターから行うという方法もあります。
機器の負担を分散することで、結果的に寿命を延ばすといった方法も考えておくとよいでしょう。
この記事のまとめ
リース契約が結べず、そのためにオフィスユースの製品を手に入れたいと思うなら、どうしても選択肢が限られてきます。
そのような中、安くて質の良い中古コピー機が欲しいと思うのは、ユーザーにとって自然なことです。
しかし、部品がきちんと供給されていない機種を購入してしまうと、万一故障した際に不便な思いをします。
中古コピー機を購入する際は、購入した後のことも考えて機種を選びましょう。