コピー機のリース審査の否決理由について
ダメな理由は教えてもらえる?推測するしかない?
コピー機をリースするためには、所定の審査に通らなければなりません。
しかし、起業して間もない会社など、審査に通らないケースは少なくありません。
もちろん、否決となった会社はその理由を知りたいと思うでしょうが、残念ながら多くのリース会社は審査の否決理由を教えてくれません。
そのため、今後の対策を立てるのが難しいという側面があります。
そこで、この記事では、なぜリース会社が否決理由を教えてくれないのか・具体的にダメな理由にはどのようなものがあるのかなど、気になるところをご紹介します。
否決になる前に、自社が問題なくリースを組める状況かどうか、事前に確認することをおすすめします。
多くのリース会社は、否決の理由を教えてくれない
冒頭でお伝えした通り、多くのリース会社は否決の理由を教えてくれません。
しかし、否決になった立場としては、どうしてダメなのか理由を知りたいことでしょう。
まずは、多くのリース会社がどうして否決理由を教えてくれないのか、考えられるポイントをいくつかまとめてみました。
ただ、理由が分かったからといって、それを盾にリース会社と交渉するのは時間の無駄ですから、今後の戦略を立てるための参考情報として頭に入れておきましょう。
理由を教えられないのはなぜなのか
人間が何かを決定している以上、そこには何らかの理由があってしかるべきです。
しかし、理由は教えられないと相手方から言われると、何となく不信感を持ってしまうでしょう。
実は、この傾向はリース会社に限らず、多くの会社に見られます。
もっともらしい理由として、個人情報保護の観点から理由を教えるのが不適切なため・虚偽申請につながるおそれがあるため、といった、社会的に納得せざるを得ない理由をあげる会社が目立ちます。
もちろん、リース業界全体で見ればそれらの理由は適当ですし、顧客の立場から見ても信用できそうに思えます。
ただ、四角四面にそう言われるとかえって不信感を抱いてしまうのも、顧客心理として自然なことなのかもしれません。
基準そのものも公表されていない
日本の組織は、概して秘密主義をとることが多く、リース会社も例外ではありません。
例えば、なぜ審査が否決されるのかを決める「基準」そのものも、公式サイトなどで公開されていない会社が多く見られます。
一見すると、これは顧客を選別しているように感じられ、リース契約を結ぶのにふさわしい人間だけに門戸を開いているように思えます。
ただ、5年以上という長い期間にわたる契約を結ぶ立場として、信頼できる相手を探したいという思惑がリース会社にはありますから、一概にリース会社だけが悪いわけではありません。
信用できそうな条件であっても、リース会社の基準に合致しない場合など、いわゆるグレーゾーンに該当する人もいると思います。
もし、そういった微妙なケースまですべて公表してしまったら、審査に通らなかった人からクレームの嵐が吹き荒れるおそれもあります。
このような事情から、リース会社は公に基準を公開していないものと推察されます。
ケースバイケースなどに対応できなくなる
リースの否決の基準を公開してしまうと、極端な話、臨機応変な対応ができなくなります。
極論ですが、基準を設けてそれを公開してしまうと、それをクリアすればリースは通るということになります。
あの手この手で、リースを通そうとその基準「だけ」をクリアするような企業や事業主が表れてくる可能性もあります。
また、基準を公開してしまうと、「今」の基準でしか判断ができなくなる傾向が強くなります。
同じように、少し考えるリース基準より低いけれど、紹介してきた代理店が信頼できる代理店だから可決といった判断も難しくなります。
そういった濁す場面などのためにも、リースの否決の理由は基本非公開となることが多いと言われています。
否決理由を推測することはできる
リース会社から直接否決理由を確認することは、上記のような理由から難しい状況です。
しかし、否決となった多くのケースを紐解くことによって、そこから否決理由を推測することはできます。
続いては、引っかかったら間違いなく否決になるであろう条件について、いくつかご紹介します。
もし、以下にご紹介した条件に該当するようであれば、時期を見てから再チャレンジすることをおすすめします。
間違いないのは滞納情報
会社が事業を運営するのに融資を受けるのは、ある意味基本的な戦略です。
そのため、きちんと返済しているのであれば、それを理由にリース契約を断られることはありません。
問題になるのは滞納情報で、特に個人の借金は厳しく見られます。
具体的には、ローンやクレジットカードの滞納が該当します。
例えば、たまたま引落口座に十分なお金が入金されていなかったなど、一度の過ちであれば取り返しがつきます。
すぐに連絡して未払い分を振り込めば、事故として扱われることはないでしょう。
しかし、滞納をそのまま放っておくと、信用情報に傷がついてしまいます。
滞納情報は、滞納後から5年間は残ってしまいますから、その間はリース契約を結べないものと覚悟しておきましょう。
注意したいのは、ごく微小な金額の支払いに間に合わなかった場合も、審査に通らなくなるおそれがあることです。
数千円単位の電気料金・水道料金を支払えない場合、リース会社は住宅ローンの支払いが滞ったケース以上に悪い評価を下します。
リース契約を結ぼうと考えるなら、個人での借金・ローンは死活問題だと覚えておきましょう。
年齢によって否決される可能性もある
リース契約には契約期間の縛りがあり、概ね5~7年というのが一つの基準になります。
そのため、高齢の人は年齢で審査に通らないおそれがあります。
特に、代表者が70歳~75歳と高齢の場合、単独で審査に通るのは難しいでしょう。
身もふたもない言い方ですが、長期間の契約を結ぶ場合、契約者が契約期間満了まで生きていられない可能性も想定しなければならず、リース会社も厳しくならざるを得ないのです。
ただし、事業規模が大きい会社であれば、当然後継者を立てることも考えているでしょうから、会社情報を考慮してOKが出る場合も珍しくありません。
また、他社で働いている人を連帯保証人につけるのであれば、審査に通る場合もあります。
ちなみに、年齢は高いだけでなく、低い場合も不利になります。
20代で会社を立ち上げた場合・事業主になった場合などは、信用力が薄いため、どうしても審査に通りにくい部分は否めません。
このケースでは、優良な事業実績があって保証人を立てることが可能なら、契約は十分可能です。
「リース会社が安心する材料を作ってあげること」が審査に通るコツと考えれば、対策は立てやすいでしょう。
生活環境も審査のポイントに
長期契約となるリース契約では、一般的な契約でそれほど重視しないであろう点にも注目します。
例えば、固定電話の回線を引いているかどうか、配偶者や子どもがいるかどうかなども、審査の対象になります。
また、賃貸住宅で暮らしているか・持ち家があるかなども、審査に影響するポイントとなります。
特に、持ち家は引越しや夜逃げのリスクが少ないと判断されますから、審査時は良い印象につながるでしょう。
独身が必ずしも不利というわけではありませんが、それに加えて賃貸住宅で暮らしており、主に携帯電話でやり取りをしている状況であれば、契約に際して厳しい目を向けられるのは避けられません。
ただ、もちろん大事になるのは仕事上の実績や個人情報ですから、プライベートのすべてが契約に影響するとは限らない点に注意が必要です。
まだまだある!否決になるリスク要因
リース契約において、契約者個人の情報は重要視されますが、社会的に見て問題がある場合も否決の対象となります。
やはり、長期契約という特殊さが影響しているものと思われますが、社会的に見て審査に通りやすいケース・通りにくいケースは一定数存在しています。
経営が芳しくない
リース契約を結ぶ際は、必要書類として会社情報を提出することが求められます。
具体的には、財務諸表・経歴書・決算資料等が該当します。
この内容が悪い状況・例えば赤字が続いているような状況だと、やはり否決の可能性は高くなってしまうでしょう。
ただ、赤字自体が問題というわけではなく、返済能力を問うケースが多いため、きちんとお金を支払えることが確認できれば問題はありません。
業種も審査に影響する
長期契約を安心して結べるかどうかをリース会社が判断するにあたり、業種も大きなファクターの一つです。
例えば、人気によって業績が左右される水商売系の業種は、どうしても不利になりがちです。
もちろん、全国チェーン展開しているような飲食店などであれば、信用力も十分にあるでしょう。
しかし、開業して間もない美容室・ラーメン店が審査を通そうとすると、長期的な支払いが可能な根拠に乏しく、結果的に否決となるケースが多いのです。
逆に、廃業のリスクが低いと考えられる業種や、その時代に活況な業種であれば、審査に通りやすくなる場合もあります。
国家資格を突破した士業であれば通年審査に通りやすいですし、医師のように地域問わず必要とされる資格も有利に働きます。
ちょっと変わっているのがIT企業で、事業規模が大きい場合を除き、事業の実態がつかみにくい分だけ審査が厳しくなる傾向にあります。
このように、業種によって難易度が変わることを押さえておくと、事前に審査を通しやすいよう準備することも不可能ではありません。
やってはいけないことをやってしまった
これはどちらかというと顧客側には関係のない話ですが、悪徳業者につかまってしまうと、そのせいで信用に傷がついてしまうおそれがあります。
代理店の中には、どうしても契約を通したいという顧客の意志に付け込んで、将来的に顧客が不利になるかもしれない条件で契約を通そうとするところもあるのです。
代表的な方法で悪質なものに「審査のためだけに新しい屋号を作る」というものがあります。
このような方法は、代理店側が提案したにもかかわらず、否決で損をするのは顧客だけなので、悪徳業者にとっては提案しやすいという特徴があります。
その他にも、事情を知っている悪徳業者が、あれやこれやと手を回してしまうことで、結局審査に通らなかったケースは珍しくありません。
少しでも代理店の言い分に無責任なものを感じたら、今後のためにもできるだけ早めに退散した方がよいでしょう。
この記事のまとめ
リース審査が否決されてしまうと、多かれ少なかれショックを受けてしまうかもしれません。
しかし、捨てる神あれば拾う神ありで、たくさんの代理店から相見積もりをもらい、審査を通しやすいリース会社を選べば、問題なくリース契約を結べる可能性は十分あります。
さすがに個人で借金の滞納がひどい状況であれば、どのリース会社もさじを投げるでしょうが、否決理由はある程度当たりをつけることができます。
一度の否決であきらめることなく、長い目で見てリース契約を結ぶスタンスが大切です。