コピー機の買い換え時のメーカー選びについて。
同じメーカーの後継機か、別のメーカーが良いのか
自社で使用しているコピー機が、近々リース期間満了を迎えるという時、悩ましいのはメーカーの選択です。
同じメーカーのものに頼るべきか、それとも別のメーカーの情報も確認して選ぶべきか、ユーザーにとっては判断に迷うところです。
機能面だけで判断するなら、同じグレードの機種であれば、どのメーカーも差異はほとんどないと考えてよいでしょう。
しかし、各メーカーにはそれぞれの「売り」があることも事実で、そこに大きく自社が頼っていたとしたら、メーカーを変えることで使い勝手・作業効率が悪くなるおそれもあります。
コピー機選びは、導入する会社・オフィスによって正解が違うため、答えを一つに集約することはできません。
しかし、リース満了後に同じメーカーのコピー機を選ぶ場合も、逆に他のメーカーで探す場合も、それぞれにメリット・デメリットは存在しています。
この記事では、古いコピー機を新しいものに買い替える時、同じメーカー・別のメーカーを選んだ場合について、それぞれで考えられるメリット・デメリットをご紹介します。
また、メーカーを変えようとする場合の注意点についてもお伝えします。
同じメーカーの後継機を選ぶメリット・デメリット
まずは、同じメーカー品の中から、後継機を選ぶ場合のメリット・デメリットについてお伝えします。
メーカーごとに操作性・機能には特色があるため、そういったメーカーの「クセ」に近い機能に依存している場合は、同じメーカーの中から選んだ方が無難です。
最新機種を選んでも、使い勝手が変わらない
コピー機は、メーカーによって特色は分かれますが、メーカー内での機種については機能差によって価格帯が分けられています。
一例をあげると、京セラには「TASKalfa」というシリーズがありますが、価格帯によって機能が異なるものの、基本的な立ち位置は一緒です。
具体的には、最大用紙サイズ・印刷速度・フィニッシャーなど各種機能の充実性によって、価格帯が上下しています。
しかし、TASkalfaの名を冠するモデルのコンセプトは変わっておらず、「トータルサービスでお客様に貢献する」という視点から、必要な機能と価格のバランスが決定されています。
タッチパネルの操作性や大きさが統一されていたり、社員それぞれで画面表示をカスタマイズできたり、設定をそのまま引き継ぐのに難儀しないのも有利な点です。
アドレス帳の移行なども、他社製品に乗り換える場合よりスムーズに進むことが予想されます。
社員一人ひとりが感じる利便性に注目した場合、大きく操作方法が変わらない同じメーカーの機種を導入した方が、使い勝手はよいものと考えてよいでしょう。
契約継続を理由にカウンター料金などの交渉ができる
コピー機をリース契約した当初から、契約満了に至るまでの間、毎月・毎年変わらず同じ枚数を印刷している会社はほとんどないでしょう。
そのため、契約当初は気にならなかったカウンター料金が、事業規模が大きくなるにつれて目立ってくると、その点を考慮して新しい金額での契約を考えたくなるのが人情です。
カウンター料金に限らず、本体価格・オプションなど、次回も契約するから便宜を図って欲しいという思惑が顧客にはあるため、察しの良い代理店ならその点を踏まえた契約を提案します。
顧客が前回の契約について不満が生まれたことを伝え、そこから同じ代理店での契約継続を前提に交渉すれば、以前よりも有利な契約が結べる可能性は十分あります。
他のメーカーと比較せずに選ぶと損をするおそれもある
代理店を信頼して同じメーカーの後継機を選ぶ場合、費用・性能のいずれに関しても、他のメーカー品と比較しないまま決定するケースが考えられます。
他の選択肢を特に考えていない場合は問題ないのかもしれませんが、他メーカーのコピー機も視野に入れて比較検討すれば、もっと有利な条件でリース契約を結べるチャンスが見つかるかもしれません。
コピー機は、一度リース契約を結んでしまうと、解約まで5年以上の縛りがあります。
そのため、できるだけ契約前に多くの選択肢を用意しておいた方が、後悔は少なくなります。
同じメーカーでの契約を検討する中で、どうもしっくりくる条件の機種が見つからないなら、契約前に他メーカーの情報も探してみましょう。
異なるメーカーを選ぶメリット・デメリット
現在使用しているメーカー以外を選ぶ場合、自由度は一つのメーカーに縛られない分高くなります。
また、顧客の目線で考えると、代理店・メーカーの競争意識から価格交渉につなげやすくなるため、明確な選定基準がある場合は異なるメーカーにも注目した方が良さそうです。
自社の現状に合った機種を幅広い観点から選べる
メーカーの枠を超えてコピー機を選ぶ場合、自社の現状に合った機種を幅広い観点から選べるのが魅力です。
前回のリースにおける反省点を活かしつつ、画質・耐久性などにこだわる選択をすることもできます。
5年間一つの機種を使い続けていると、選んだ当初とニーズが変わってくることは珍しくなく、時にはメーカーの特色そのものが不要なスペックになってしまうことも考えられます。
今までは小さなインクジェット式で十分だったものが、印刷物が増えたことでオフィスユースのトナー式を選ばざるを得なくなったなど、機能の限界に直面するケースもあるでしょう。
5年という年月は、その会社の方向転換を考えるには十分過ぎる期間です。
一つの視点にとらわれず、できるだけ多くの可能性を知るという意味では、やはり他メーカー機種の情報も取り入れておきたいところです。
相見積もりを使った価格交渉が可能
過去に利用していたメーカー以外を選択肢に含める場合、相見積もりを使った価格交渉という方法も選べます。
各種代理店からもらった見積もりを軸に、前回契約していたお店も含めて、リース料金・カウンター料金を安くするための戦略を立てることができます。
ただ、メーカー・代理店によって安くできる上限は決まっているため、とにかく値下げを迫るスタンスで交渉に臨むのは、かえって良い結果につながらないおそれがあります。
逆に、同じメーカーを導入する前提で相見積もりを取ると、そのメーカーの本気度を知ることができますから、過去からの信頼関係を優先した上で交渉する方法もベターです。
安さ・機能の他には、アフターサービスの面も視野に入れてメーカーを選びたいところですが、同メーカーの後継機を選んだ場合、基本的にサービスの面では前回同様の期待感で終わってしまいます。
サービスマンの対応等に少なからず不満を抱いたことがある場合は、一度別のメーカーを検討してみるのもよいでしょう。
複数のメーカーの情報を集めなければならず、代理店との交渉に時間もかかる
異なるメーカーも含めて機種を選ぶデメリットとしては、見積もりをもらう過程で、複数のメーカーの情報を集めなければならない点です。
見積もりをもらった後は、中身を精査して交渉に臨まなければならず、最終決定に至るまで時間がかかります。
また、たくさんの情報の中から自社のニーズに合致したモデルを選ぶためには、選定基準を絞らなければなりません。
方向性にブレが生じてしまうと、いつまでも決定打に欠けたまま、最終的に前メーカーの後継機を選ぶことにもつながりますから、よりシビアに条件を決め込む必要があります。
コピー機を新しいものに替える際の注意点
実際に新しいメーカーのモデルを選ぶ場合、いくつか注意しておきたい点があります。
以下に、主なものをご紹介します。
現在契約している代理店と違う店では、同じメーカーの入替はできない
コピー機市場独特のルールとして、現在契約している代理店と違うお店では、同じメーカーの入替ができないというルールがあります。
各メーカーが代理店同士でトラブルになるのを防ぐために導入しているルールで、法的な義務はないものの、かなり強い妨害を受けるおそれがあるため、もしやろうとすると多くの代理店で断られます。
そのため、色々検討した後で「どうやら同じメーカーでも他の代理店なら安くなりそうだ」と思って見積もりをお願いしても、あえなく断られる可能性が高いでしょう。
ただ、一部メーカーではこのルールが適用されない場合もありますから、気になるなら一度代理店に相談してみましょう。
ブランドイメージを理解した上でメーカーを選ぶ
各メーカーは、それぞれで「長所・推し」にあたるポイントが違います。
富士ゼロックスはハイクラスの性能とサービスを提供するメーカーですし、京セラは価格競争の点で有利なモデルを提供します。
キヤノン・コニカミノルタは画質が評価され、デザイン等のプロに人気です。
東芝はあまり目立ちませんが、印刷用紙へのこだわりが見られ、一部業種では使い勝手がよいモデルにカウントされるでしょう。
このように、各メーカーが得意とする分野は違います。
一概に、同じ価格帯だからといって、希望通りの機能性を発揮するとは限らない点に注意が必要です。
口コミの評判はよくても、自社のある地域に当てはまるとは限らない
メーカー選びは、本体やカウンター料金だけでなく、サービス・アフターケアの面も含めて考える必要があります。
都市部では充実したサービスが提供できていたとしても、地方に行くと拠点が少なくて頼りないケースは珍しくないからです。
現代では、Web上で口コミを気軽にチェックできるようになりましたが、全国各地の意見を網羅できるほどではありません。
自社の所在地に拠点があるのか・担当者の対応は良いのかなど、契約後の状況も想定して情報を集めることが大切です。
この記事のまとめ
リース契約満了まで使用していた機種に対して、特段不満に感じる点がなかったのなら、引き続き同じ代理店で、同じメーカーの後継機を契約することを考えるかもしれません。
しかし、自社の事業規模が変わり、コピー機に求めることが多くなってくると、できるだけ多くの選択肢の中からより良い機種を選びたいと思うのは自然なことです。
自社にとって望ましい機種を手に入れるためには、社員が望む性能・価格帯・アフターサービスなど、いくつかの要素をまとめた上で機種を選ぶ必要があります。
代理店との信頼関係を築くのも大切ですが、5年にわたる長い買い物をするわけですから、まずは自社の都合を重視して考えましょう。