コピー機や複合機を考える時につい忘れがち?
コピー機のサイズや重さはどれくらいを考えておくべきか

多くの人がイメージするコピー機・複合機は、大体子どもの身長ほどの大きさで、コピー・FAX・スキャナ機能が最低限備わっているものだと思います。
しかし、コピー機・複合機のサイズはさまざまで、中には家庭用と変わらないような大きさのものも見られます。

実際にコピー機・複合機を利用する場合、自社で必要な機能だけが備わっていれば、特段問題なく仕事ができるはずです。
にもかかわらず、思い込みから「一般的なオフィスならこれぐらいの機能が必要」と考えて、オーバースペックの機種をリースしている例は少なくありません。

あくまでも大きさは参考情報としてとらえ、自社で必要な機能に特化した選び方をするのが、もっとも理にかなったコピー機選びです。
この記事では、コピー機や複合機を導入する際、サイズ・重さはどのくらいのものを考えておけばよいのか、規模感や基準などをご紹介します。

大きさでコピー機を選ぶ際に考えておきたい要素

コピー機を選ぶ基準は、「どのくらいの大きさか」ではなく、「どのような機能があるか」で選ぶのが正しい基準です。
しかし、大きさに比例して機能も増える傾向があるため、大きさから性能を把握するのが間違いというわけではありません。

まずは、コピー機を選ぶ一つの視点として「大きさでコピー機を選ぶ」ことを考えるなら、何を押さえておくべきかをご紹介します。

「大は小をかねる」は正しいけれど……

ことわざで「大は小をかねる」などと言われますが、一般的に大きいものは小さいものの代用として使えると考えられています。
実のところ、コピー機・複合機に関して言えば、ある意味正しい考え方です。

コピー機・複合機は、機能が増えれば触れるほど、本体が大きくなったり付属品が増えたりします。
多機能性を求めるなら、より大きなものを購入した方が機能は充実しています。

しかし、問題となるのは機械の性能ではなく、人間側の性能です。
せっかく多くの機能を備えていても、使いこなせないほど機能が多ければ、宝の持ち腐れになってしまいます。

自社のオフィスで全く使わないものを装備しても、無駄な出費となるだけです。
また、多くのオフィスでコピー機に求める機能は、それほど多くないはずです。

もちろん、高性能であればあるほど、ランニングコストも高くなります。
コピー機を導入する際は、サイズ感だけで考えず、予算・機能重視で考えましょう。

自社の事情を考えて購入すると、必要なサイズが分かってくる

小さいサイズのコピー機は、その分給紙トレイの数が少ない傾向にあります。
A4のみ、あるいはA4・B5だけしか印刷できないなど、印刷できる用紙の大きさに限りがあるため、用途にも制限が生まれます。

ただ、日本で広く使われている用紙サイズはA4で、実際の業務でもほぼA4しか印刷しないというケースはよくあります。
つまり、小さなモデルを選んだとしても、業務への支障は少ないかもしれないのです。

給紙トレイ自体は2段でも、A3からハガキまで幅広く印刷できるものもあります。
普段の業務でA3サイズを頻繁に印刷せず、印刷したいタイミングで用紙を替えるのが手間でないなら、わざわざ4段トレイを準備しなくても問題はないはずです。

機能自体に縛られず、大きさにこだわらなければ、より安価なコピー機が見つかります。
自社でコピー機を利用するシチュエーションをイメージして、最低限必要なサイズ感を把握した上で、導入を検討した方がベターです。

逆に、事業を拡大して社員を増やす場合は、それを想定して一般的なサイズのものを導入する方法もあります。
どちらが望ましいかは、会社の事情によっても変わってくるため、導入方法も含めて十分に検討しましょう。

インク・トナーの種類もチェック

大きく分けて、コピー機・複合機には「インクジェット式」と「レーザープリンター式」があります。
サイズ感を考える場合、それぞれでインクの種類が違うことも考慮しておきたいところです。

インクジェット式では、インクを使って印刷します。
本体をコンパクト化するには重要な要素で、本体価格も安く、色の再現度が高いといったメリットがあります。

しかし、印刷時間はレーザープリンター式に比べて長い傾向にあり、カードリッジも高くなりがちです。

これに対してレーザープリンター式では、トナーを使って印刷します。
静かで素早い印刷性能と、印刷コストの安さが魅力です。

その分コピー機本体価格も高くなりがちで、トナー自体のサイズが大きいことから、コピー機も大きくなります。
それぞれのメリット・デメリットを把握した上で、現時点で最良のモデルを選ぶことが、費用対効果を最大限にするコツです。

事業規模で考えるサイズ感

コピー機・複合機は、大きいことだけが判断材料となるわけではありません。
しかし、結果的に多機能なものほどサイズも大きくなるため、どうしても細かく機能を検討できない場合は、事業規模でサイズ感を把握することもできます。

続いては、事業規模から理想のコピー機・複合機を選ぶ場合の判断基準についてご紹介します。
全ての会社に当てはまる話ではありませんが、迷った場合は参考になるはずです。

個人事業主や零細企業は50kg未満で十分

リース契約を結ぶ際、担当者から「将来のことを考えて大きなものにしましょう」などと提案されることがあります。
これは間違いではありませんが、経営者側が事業を大きくすることを考えていないなら、わざわざセールストークに乗る必要はありません。

個人事業主や、就業人数10人未満のオフィスであれば、50kg未満のサイズ感で事足ります。
家庭用の機器に近い大きさのため、移動もしやすく取り扱いが楽です。

ただし、業種によっては印刷枚数が多いケースもあると思いますので、印刷性能が高いものを選ぶために大きめのサイズを選ぶこと自体は悪くありません。
あくまでもサイズ感は「大ざっぱに性能をつかむ」ために活用し、印刷物が業務にとって重要ならば、それ相応の性能を持ったサイズを選ぶことが大切です。

そして、小さいサイズのコピー機・複合機は、拡張性に乏しいことも覚えておく必要があります。
給紙トレイやオプションの追加など、できることに制限があるため、もっといろいろな機能を備えたいと思ったら、借り換え・買い替えが必要になります。

もっとも、初期投資は少なく抑えられているはずですから、小さいサイズのコピー機を使っている間に、新しいコピー機を手に入れるための費用を準備することもできます。

何を選ぶにせよ、自社の都合を考えたスケジュールを立てることが大切です。

オフィスに10人以上が集まるなら100kgまでが一つの基準

複数人で事務作業を行う事業規模であれば、さすがに小規模サイズでは十分な働きは期待できません。

印刷枚数を増やすためには、どうしてもインクジェット式よりもレーザープリンター式を採用せざるをえず、小規模サイズでは印刷スピードが業務に追いつかなくなるおそれがあります。

4段トレイが必要かどうかは会社によって分かれますが、レーザープリンター式を選ぶ場合、トナー自体が大きい分だけコピー機もそれなりのサイズ感が求められます。

よって、一般的なオフィスで見るような、子どもの身長・100kgほどの大きさが必要になってきます。

複数の社員がそれぞれのタイミングで印刷に利用するなら、レーザープリンター式であればストレスは少なくなりますし、100kgクラスならオフィスで使う限りの基本的な性能は一通り備わっています。

ただ、ネックとなるのはその重さで、2~3人で動かさなければ移動できないことから、配置場所は事前に考えておいた方がよいでしょう。

万一、配置をミスしてしまうと、配線から机の配置まで見直さなければならない事態に発展します。
気軽に移動できる50kg未満のクラスとは違い、オフィスで働く社員同士で、配置の前にきちんと話し合いを済ませておいた方が賢明です。

専門的な業務に対応させるなら、もっと大きなものを

コピー機・複合機の世界では、大きなものほど機能が多くなる傾向にあります。
つまり、大型化した分だけ、できることが増えていきます。

印刷性能の良さが業務に直結する環境であれば、やはりどうしても巨大化は避けられず、実際に見るとまるで小さな基地のような形状をしています。

多数の印刷物をスピーディーに刷りたい、複合機自体を使って効率的に作業したいなど、印刷物の質にこだわった専門的な業務に携わる場合は、自然と100kgを超える大きさになっていくものと思われます。

日本人らしい、細かいこだわりが反映されているモデルも多く、キーボード付属型・給紙トレイの横づけ・製本の自動化など、出版関係の仕事であれば重宝すると思われる多機能性が魅力です。

一見印刷とは関係ない、プラズマクラスターのような機能が追加できるものもありますが、このあたりは社内環境によってニーズが異なるかもしれません。

この記事のまとめ

コピー機・複合機の性能は、大きさに応じて機能が増えていく「足し算」の世界です。
ただ、どのくらいの性能が欲しいのかは会社によって違うため、モデルの大きさを基準に考えるのは間違いです。

大切なのは、自社にとってフィットする大きさ・モデルを見つけることであり、大きくなった場合のデメリットについても知っておくことです。
どんな機能を何人くらいで使うのか、オフィスで働く社員の間で話し合った上で、もっとも便利なコピー機・複合機を用意しましょう。

  • 公開日:2020.07.10

テーマ:コピー機の基礎

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