ハガキとA3、分割や写真印刷のカウンター料金は同じ?
カウンター料金で知っておきたいダブルカウントとは?
カウンター料金の計算はとてもシンプルなもので、基本的には印刷枚数に応じて料金がカウントされていきます。
しかし、どのオフィスでもA4紙だけを印刷するとは限らず、状況に応じてハガキやA3紙・分割印刷・写真印刷なども行うことがあります。
実際のところ、用紙の違いや印刷の内容によっては、カウンター料金が変動する可能性があります。
また、ダブルカウント・トリプルカウントといった、カウンター料金を計算する上でのカウント方式も存在しています。
あまり深く考えずに印刷を続けているのと、用紙のサイズ感や印刷方法に気を配るのとでは、やはりカウンター料金にも差が生じてきます。
この記事では、カウンター料金が変動する用紙・印刷方法の違いや、ダブルカウントなどのカウント方式について解説します。
カウンター料金は、どのように計算されるのか
細かいルールについて理解する前に、そもそもカウンター料金はどのように計算されるのか、基本的な公式・考え方を理解するとスムーズです。
ただ、決して難しいルールが適用されているわけではなく、コピー機をどれだけ使ったかによって料金が変わるというのが原則です。
モノクロ・カラー印刷の枚数が基本単位
カウンター料金の計算式は、モノクロなら【モノクロ印刷の枚数×モノクロ単価】で計算できますし、カラーなら【カラー印刷の枚数×カラー単価】で計算できます。
オプション等を追加しているなどの例外を除いて、カウンター保守契約は、このような形でメンテナンス費用をユーザーから徴収しています。
要するに、使った分だけお金がかかるというのが、カウンター料金の基本的な考え方です。
よって、カウンター料金を節約しようと試みるなら、どれだけ印刷枚数を減らせるかが重要になってきます。
印刷の質・紙の大きさには左右されない
印刷枚数がカウンター料金に反映されることは分かりましたが、その他の要素には本当に左右されないのか、不安を感じるユーザーも多いと思います。
結論から言えば、印刷の質や紙の大きさによってカウンター料金が変わることは、原則としてありません。
例えば、得意先に年賀状を出すなどの理由でハガキを大量に刷った場合、それは1枚ずつカウントされます。
A4サイズを基準に分割して料金が計算されるわけではありませんから、残念ながらカウンター料金は安くなりません。
また、写真を印刷した場合、基本的にはモノクロ・カラーの違いでのみ判断されます。
2~4枚分のデータを1枚にまとめる分割印刷も、1枚にカウントされます。
オフィスワークのサイズ感で言えば、A3までのサイズであれば、1枚単位でカウントされます。
一般常識から外れた特別な使い方をしない限りは、大きさや印刷物の内容で料金が変動することはないと考えてよいでしょう。
一部例外もある
原則として、コピー機は1枚印刷するごとに枚数をカウントしていきます。
しかし、どんな印刷物であっても、カウンター料金が1枚分に抑えられるわけではありません。
例えば、1枚の表裏に印刷する「両面印刷」は、コピー用紙2枚に印刷したものとカウントされ、その分料金が発生します。
また、商店POPや会場案内などを印刷する際に使われる長尺用紙に印刷した場合、その長さに応じて枚数のカウントが追加されます。
よって、用紙の大きさ・印刷の回数によっては、1枚ごとの料金という計算方法が当てはまらない可能性がありますから、注意が必要です。
「カウント」の概念について
続いては、カウンター料金の計算において、枚数を決める要素の「カウント」についてご紹介します。
どのような印刷方法が、何枚にカウントされるのかを知っておくことで、無駄な出費を減らすことにつながります。
片面印刷はシングルカウント
A3以下の用紙を印刷する場合、原則として片面印刷はシングルカウントとみなされます。
オフィスワークで必要とする印刷のほとんどはシングルカウント扱いですし、写真・はがきなどもシングルカウントで計算されます。
しかし、A3用紙については、契約内容によってダブルカウント扱いになるケースもあります。
こちらは契約の段階で確認しておかないと、余計にカウンター料金を支払い続けることになりますから、一般的な相場よりも安い契約の場合などは注意が必要です。
両面印刷はダブルカウント
両面印刷とは、用紙の表と裏に印刷することを言います。
片面印刷がシングルカウントという扱いなので、表・裏それぞれ1カウントずつで、ダブルカウントと計算されます。
両面印刷自体は、製本時には必須となりますし、コピー用紙を節約する目的で用いる分には適しています。
しかし、カウンター料金はその分発生してしまいますから、どんな資料も一律で両面印刷にするのはおすすめしません。
後述しますが、1枚・片面に複数の文書を印刷する方法として、2up・4up印刷などの方法があります。
文字は小さくなってしまうため、使いどころは限られてしまいますが、社内資料として使用する分には役に立ちます。
長尺印刷はトリプルカウントから
ちょっと変わったケースとして、長尺印刷があげられます。
長尺印刷とは、帯状のロール紙に文字や画像などを印刷することで、垂れ幕・横断幕・長尺POPなどに使われます。
長尺のカウント方法については、メーカー公式サイトなどで、具体的なカウント方法が紹介されています。
参考情報として、富士ゼロックスの回答を見てみましょう。
長尺のカウント方法について解説します。
1)例えば、A1幅長尺の場合、機械は幅(594mm)をまず認識します。
取られた長さが3A1(841mm×3=2,523mm)なら3A1と記憶します(定形A1サイズは3カウントなので、3×3=9カウントになります)。もし、区切りの良い長さでない時は各ロール幅毎に余った長さを記憶しているので、(次回以降プリントした時に)定められた長さに達したら、カウントがアップします。
こちらに書かれている内容を見ると、定型A1サイズの用紙は、3カウントで計算されると説明されています。
その他、A3サイズの1.5倍以上のサイズから長尺用紙と判断され、ダブルカウント扱いになるケースもあります。
カウントのルールは、カラー印刷もからむと複雑になるため、気になる場合は各メーカーのルールを参照しながら使いましょう。
カウント数・印刷枚数を減らすための工夫について
特定の目的があって印刷を試みる場合、カウント数・印刷枚数に関しては、あまり気にする必要はありません。
しかし、普段よく使う印刷物については、できるだけカウント数・印刷枚数を少なくした方が、経費節約につながります。
何でもかんでも節約志向になるのも作業の流れを止めてしまいますが、社員が負担を感じない範囲で、印刷枚数を減らす工夫は必要です。
以下に、個人単位で明日からできる対策や、印刷枚数を少なくする心構えをご紹介します。
ミスプリント・ミスコピーを減らすのがオフィスワークの基本
オフィスワークにおいて、コピー用紙の無駄遣いを減らすためには、やはりミスゼロを意識することが大切です。
ミスプリント・ミスコピーは、裏紙以外の使用方法がほとんどなく、ペーパーレス時代ではもはやお荷物です。
その裏紙という使用方法も、実はコピー機に負担をかけています。
トナーがすでに付着していますし、一度外気に触れている分湿気を含んでいますから、紙詰まりを生む一因となります。
また、裏紙を使って社内資料を印刷すると、事情をよく知らない人は「どちらが表でどちらが裏か分からない」状況に陥ります。
ルールとして、印刷部に×を付けて分かるようにするなどの方法もありますが、社員全員が徹底するとは限りません。
そのような理由から、オフィスによっては、裏紙は電話応対用のメモとして使用する方法以外認めていない会社もあります。
現代において、印刷ミス・コピーミスは、百害あって一利なしなのです。
印刷をしない業務フローを考えれば、印刷の頻度は減る
官公庁への提出資料など、どうしても印刷しなければならないものは仕方ありませんが、原則として印刷が不要となる業務フローを考えれば、必然的に印刷の頻度は減ります。
社内におけるデータのやり取りをPDF・メールで統一する、チャットワークなどのビジネスチャットを使って情報共有体制を改善するなど、紙ベースでのやり取りが不要になる仕組みを取り入れることが大切です。
また、コピー機とクラウドを連携するサービスを使えば、スキャンデータを直接保存することもできます。
パソコンを使ってデータをチェックすることもできますし、必要に応じてコピー機からの印刷も可能です。
データを印刷前にチェックできる機会が多くなれば、社員も一つひとつの作業で「印刷する必要があるのかどうか」を確認する習慣がつきますし、そもそも印刷が面倒だから別の方法を考えようと発想を転換するかもしれません。
今までのやり方を見直すことで、結果的に経費節約と作業効率の向上を両立できます。
複数のページを1枚にまとめる努力をする
どうしてもデータの印刷が必要になった場合は、できるだけ1枚に情報を凝縮できないかを考えてみましょう。
社内資料として用意するのであれば、1枚に2~4つの文書を印刷できる、2up・4up印刷が便利です。
2up印刷とは、日本語では2面付け印刷という名前で、片面1面に2ページ分の文書をまとめて印刷する方法です。
この方法で印刷して資料を作れば、枚数を減らしつつ必要な情報をすべて載せた資料が作れます。
できるだけ、複数の情報を一つにまとめることを意識すれば、その分だけ用紙・カウントの節約になります。
印刷の精度が高い機種を使っているなら、パンフレット作成にも応用してみるとよいでしょう。
この記事のまとめ
コピー機のカウンター料金は、原則として印刷した枚数分だけ発生すると考えてよいでしょう。
用紙はA3以下のサイズであれば、何を印刷するかにかかわらず、基本的に1枚とカウントされます。
しかし、A3用紙を超える大きさの場合・両面印刷をする場合など、ダブルカウント以上になるケースはいくつか存在します。
特殊な用途が多いのであれば、どのような印刷物は何枚分にカウントされるのか、あらかじめ確認してから印刷することが大切です。
また、社内業務では、できるだけ印刷ミスを減らすため、印刷の頻度を減らす心がけが大切です。
社内資料を作成する場合は、1枚に2ページ以上の情報を載せることを意識して、カウント数を減らしましょう。