カウンター料金が高いと思った時の確認事項!
実は、コピー機でのFAX受信や自動印刷には注意点も。
普段、コピー機を使っている社員のほとんどは、FAXの送受信にかかる費用を意識しないことでしょう。
しかし、経理担当者がカウンター料金の明細をチェックして、思わぬ出費が確認された場合、ある日の朝礼で経費削減について幹部から薫陶を受けることになるかもしれません。
カウンター料金について、多くの人が「コピー機を使って印刷・コピーをしたら料金が発生する」ものと考えていますが、実際には少しニュアンスが違います。
どのタイミングでカウンター料金が発生するのかを知っておくことで、カウンター料金を減らすことにつながります。
この記事では、カウンター料金が高いと思った時に確認しておきたい、コピー機でのFAX受信・自動印刷の注意点についてお伝えします。
カウンター料金は、どのような時に発生するのか
まずは、カウンター料金がどのような時に発生するのか、料金体系を一度確認してみましょう。
ヒントとしては、コピー機の構造を考えると、答えが見えてくると思います。
何かを「印刷」した段階で料金が発生する
カウンター料金は、特別なオプションを依頼しているなどの場合を除いて、以下の公式で計算されます。
【(モノクロ印刷のカウント数×モノクロ単価)+(カラー印刷のカウント数×カラー単価)=カウンター料金】
このことから、コピー用紙などに何らかの形で印刷を行った際に、カウンター料金が発生すると分かります。
つまり、紙に印刷しなければカウンター料金はかからないという、ざっくりした計算方法が適用できます。
FAXの受信も料金が発生する一因となる
カウンター料金が高くなる大きな理由の一つに、何気なく受信されているFAXがあげられます。
FAXを受信した際、その内容が印刷されてしまうと、その分もカウンター料金にカウントされてしまいます。
仕事のやり取りをする都合上、どうしてもFAXが手放せない人にとっては、受信機能を外すわけにはいきません。
ただ、本当にそのFAXが必要な物かどうかと聞かれると、中にはメールでのやり取りで十分通じる話だったりすることも珍しくないものです。
FAXの送信にお金がかかることを認識していても、電話と同じで「受信については相手持ち」だと考えている人は多いものです。
しかし、印刷した場合はコピー用紙を消費していますし、カウンター料金も発生しているわけですから、なるべく不特定多数から送られてくるFAXを受信するのは避けたいところです。
スキャンするだけなら料金はかからない
カウンター料金は、モノクロもしくはカラーでの印刷が行われた際に発生する料金です。
逆に言えば、それ以外の機能を使った場合は、カウンター料金は発生しません。
例えば、書類などをスキャンするだけなら、カウンター料金はかかりません。
その点を取引先にも応用すれば、スキャンしたデータをメールに添付して送るなど、FAXを使わないやり取りができるはずです。
先方はFAXの送信費用が浮きますし、こちらはカウンター料金とコピー用紙の節約になります。
お互いにとってプラスになる使い方を模索することが、これからのコピー機の使い方における必須スキルとなるでしょう。
不用意に自動印刷設定を行っていると……
機種によって名称・設定は異なりますが、多くの場合、FAXの受信データをコピー機が受け取ったら、そのデータは自動で印刷されるようになっています。
このような「自動印刷設定」を不用意に行っていると、どんどん無駄なお金が出ていってしまいますから、注意が必要です。
営業の案内など、自社に不必要なものにもお金がかかる
取引先との連絡をFAXに依存している場合、受信機能を制限することに抵抗を感じるかもしれません。
しかし、冷静に考えてみると、受信するすべての情報が、会社にとって必要のある・メリットのあるものとは限りません。
例えば、新商品の営業・セミナーの案内などは、番号を知っている業者から不特定多数に送られてくるおそれがあります。
多くの会社にとって、それらすべてを相手にしている時間はないはずですから、印刷するだけでトナーなどのコストが発生します。
もし、中身に魅力を感じて、商品購入・セミナー参加を決めたとしたら、今度はその業者から集中的にFAXが届くことも十分考えられます。
自動印刷の設定は便利なものですが、本来の仕事で使用している割合はどのくらいなのかを考えた上で、必要に応じて設定を切るなどの対策が必要です。
用紙の無駄遣いになる
FAXの自動印刷によって、経営者・社員の貴重な時間を奪われる可能性が増えるだけでなく、物理的に用紙の無駄遣いを生んでいる問題も無視できません。
比較的規模が大きなオフィスだと、届いたFAXで不要なものを裏紙にするため、専用のトレイを置いているところを見かけます。
一見すると、使用済み用紙をリサイクルする仕組みが上手に回っている印象を受けますが、考え方を変えれば、そもそもFAXを印刷しなければ不要になる仕組みでもあります。
再生紙・裏紙の使い道は限られますし、印刷された分だけカウンター料金も発生します。
コピー機の寿命が縮む
FAXの自動印刷を続けていると、コピー機本体の寿命を少しずつ縮めていきます。
合計印刷枚数が増え、使い始めてから一定の年数が経過すると、次第にコピー機の状態が悪化することは避けられません。
もともと、コピー機は精密機器の一つに数えられ、繊細な取り扱いを求められます。
設置場所を誤ると故障のリスクが高まりますし、リース契約の場合は設置場所を自社で自由に決めることもできません。
また、各種部品は法定耐用年数を基準に耐久性が計算されているため、車のように同じモデルを長年使い続けることが難しい機械でもあります。
新品はいつまでも使い続けられるような錯覚を覚えるものですが、コピー機が慢性的なトラブルに見舞われる時期は意外と早く、個体によっては3年目からガタが目立つ場合もあります。
印刷枚数を少しでも減らす努力を続けていれば、その分だけ経年劣化のリスクを先延ばしすることにつながります。
何の考えもなしに自動印刷機能を使うことは、コピー機に負担をかけていることを自覚しましょう。
ペーパーレスでデータを管理する機能を活用する
コピー機のFAX受信にかかるカウンター料金の問題は、取引先との協力体制ができている場合を除き、基本的には自社で何らかの対応が必要です。
最近の機種では、ペーパーレスでデータ管理ができる機能が備わっているので、そちらを上手に活用することが大切です。
FAXの受信文書が少数なら、コピー機の操作パネルで必要なものだけを選ぶ
現代のコピー機には、受信したFAXの内容を、操作パネルの液晶で確認できる機能が備わっています。
名称は各メーカーによって異なりますが、そのような機能は一般的に「見てから印刷」と呼ばれています。
届いたFAXの内容を見た後で印刷をかけることができるので、目を通す必要のないもの・営業目的のものをチェックしてから削除できる利点があります。
ただ、毎日届くFAXが多数存在していると、定期的に不特定多数がチェックするのは骨が折れますから、受信する文書が少数の場合に使い勝手がよい機能と言えます。
FAXの受信文書が多いなら、指定フォルダにデータを転送して確認する
一日に受信するFAXの文書量が多いオフィスであれば、FAX受信データをネットワーク転送する機能を活用しましょう。
具体的には、FAXの受信データにつき、あらかじめデータを移動して欲しいフォルダを指定して、自動的に転送してもらえるよう設定します。
印刷する前にデータとして文書をやり取りできるため、不要なデータをプリントアウトする必要性がなくなります。
一つの部署だけでなく、複数の部署で同じコピー機を利用している場合は、その分だけFAXの受信量も多くなりますから、データを確認した後で印刷すべきかどうかを判断できる利点があります。
そもそも、コピー機を経由してデータのやり取りをしない
カウンター料金を根本的な部分から削減しようと考えるなら、そもそもFAXを使わないこと・コピー機を経由してデータのやり取りをしないことを念頭に置いて、仕事を進められる環境作りが大切です。手続きが煩雑とされる、日本の行政手続きでさえも、今までの書面・FAXのやり取りをオンライン化しようと動き始めています。
担当者レベルでのやり取りであれば、パソコン・スマホを経由して、PDFデータの送受信で済むケースがほとんどです。
必要に応じて撮影した画像を添付するなど、情報伝達の方法も多様化しています。
もちろん、不動産業など一部の業種では、図面などの大きな資料を確認する必要があるため、一概にすべての仕事・すべての企業に言える話ではありません。
しかし、コピー機との付き合い方を変えるだけで、オフィス業務は一段と効率的になるのも事実です。
今後、費用削減だけでなく、業務効率化の観点からも、オフィスでFAXを使う頻度は次第に減っていくことでしょう。
この記事のまとめ
FAXに慣れた日本のオフィスワーカーにとっては、書面の内容をデータとして手軽に送れる、FAXのメリットを捨てがたいのかもしれません。
オンラインでのやり取りが進む中で、FAXが一定の評価を得ているのには、やはりそれなりの理由があるものと考えられます。
しかし、何でもかんでも印刷していると、無駄な費用が積み重なっていくだけです。
資源も予算も有限ですから、自社で対策を講じなければ、どんどんお金が出ていってしまいます。
カウンター料金が高いと感じたら、FAXも含め、まずは不要な印刷物がないかどうかを確認してみましょう。
裏紙にするほどFAXを受信している会社・部署なら、きっと改善するメリットがあるはずです。