初めてのコピー機選びの悩みポイントを徹底解説。
メーカー・機種選び・代理店選びでのポイントと注意点

コピー機の種類は豊富なため、自社のニーズをしっかり把握しておかなければ、オーバースペック・アンダースペックになるリスクがあります。
本当に必要とする機能だけを厳選したいところではありますが、新規開業している場合、それだけでは今後の対応に支障をきたすおそれもあります。

初めてコピー機を選ぶなら、どうやって選ぶのか・どこで選ぶべきなのか、その基準となる情報を押さえておくのが鉄則です。
この記事では、初めてコピー機リースを検討しているケースを想定し、機種選びや代理店選びのポイント・注意点をご紹介します。

コピー機の選考基準とは

「コピー機なんてどれも同じじゃない?」と考えている人は多いですが、実際にはそのようなことはなく、選考基準が存在しています。
印刷するスペックを重要視するのか・価格帯を重要視するのかなど、自社のニーズを最も満たしている機種を選ぶと、後悔は少なくなります。

選ぶ基準は、必ずしも一つに絞る必要はありませんから、柔軟に考えるためにも選択肢は多く用意しておきたいところです。
まずは、コピー機を選ぶにあたっての各種基準を確認しましょう。

印刷速度

印刷速度は最も分かりやすい基準の一つで、1分間あたり何枚コピーできるか・印刷できるかという基準でコピー機を選別します。
速いことが絶対というわけではなく、自社が月にどのくらい印刷するのかを踏まえた上で、必要な量だけスムーズに印刷できれば問題ありません。

オーバースペック・アンダースペックの基準となる機能で、この点が変に偏っていると、知らず知らずのうちにお金を垂れ流してしまうリスクがあります。
そこまで印刷する機会がないのに、分速60枚以上のスペックを持っている機種を導入しても、宝の持ち腐れになってしまいます。

一つの基準として、以下のような計算式を使って、自社の印刷枚数を確認する方法があります。

【従業員数×一人当たりの利用枚数(1日)×月の営業日数=月間総印刷枚数】

月間総印刷枚数が多ければ多いほど印刷速度は早い方がよく、逆にそれほど多くないのなら印刷速度にこだわらない選択肢もあります。
業種・業態に応じて、自社が欲しい能力のコピー機を選びましょう。

しかし、普段それほど印刷はしない会社でも、イベントや特定の時期だけ印刷物が大量に出るような場合があります。
このようなケースでは、あえて繁忙期の月間総印刷枚数を基準にして、印刷速度の速いモデルを選んだ方が無難です。

本体価格

全く同じ能力がある2台のコピー機があり、一方の値段が理由なく安いのなら、もちろん誰もが安い方を選びます。
しかし、コピー機は精密機器であり、そのスペックに応じた値段が設定されています。

値段が高い分だけ機能は充実していますが、本当にそこまでの機能が自社に必要なのか、購入前に十分考えなければなりません。
かといって、とにかく安くリースを組もうとすると、必要最小限の機能しか選べなくなるリスクがあります。

本体価格が高い分、機能が充実しているという目線は、コピー機選びにおいて忘れてはならない視点です。
長い契約になりますから、いわゆる「安かろう悪かろう」にならないよう、機能と値段のバランスを考慮したいものです。

カウンター保守料金価格

コピー機リースのランニングコストには2種類あり、リース料とカウンター保守料金とに分かれます。
本体料金はリース料・日々の使用料(印刷枚数)に応じた料金はカウンター保守料金となります。

リースを検討する場合、原則としてカウンター保守料金という支払方式が選ばれます。
主流の方式で、印刷枚数に応じて1枚○○円という金額が決まっている料金体系となっています。

都会のように、オフィス機器を必要とする会社が一定の地域に集中している状況であれば、カウンター料金も安くなる傾向にあります。
しかし、地方に行くと相対的に値段が高くなる傾向にあるため、必要に応じて別の支払方式を選ぶこともできます。

具体的には、トナー・用紙の購入代にメンテナンス料金が含まれている「キット方式」や、コピー機に不具合が生じた都度保守サービスを依頼する「スポット方式」などがあります。

それぞれ、カウンター料金と比較すると不便な点が多くなるおそれがあり、契約内容にも制限がかかるため、見積もりの内容だけを鵜呑みにしないよう注意が必要です。

特に保守料金は、コピー機を実際に使ってみなければ、どのくらい修理が必要になるのか分かりません。
新品だからといって過信せず、不安要素を排除するためにも、まずはカウンター料金をベースに考えておきましょう。

画質

印刷物に一定のクオリティを求める会社であれば、特に画質を重視したり、オフィス内のスタッフ全員でスムーズに使える機能性などを求めたりすると思います。
フルカラーの解像度やクラウド機能など、何をどこまで取捨選択するかは、自社のニーズにより様々です。

ただ、選ぶ前に押さえておきたいのは、どの機種を選んだとしてもコピー機自体の性能に大きな違いはないという点です。

解像度のスペックの高さは、もはや人間の目では細かく判別できないほどに向上していますので、わざわざコピー機でそれを実現しなくてもよいのではないか、という疑問が生まれます。

より細かく掘り下げると、塗料にはトナー・インクの違いもあり、さらにインクは顔料か染料かという違いがあります。
もっとも、そこまで細かく条件を指定できるなら、必要な機種の目星を立てているオフィスがほとんどでしょう。

機能性

機能性に関しては、一つのオフィスで使うことを想定する場合、プリンタ・FAX・スキャナという三種の神器は必須と考えておきましょう。

業態によってはFAXを使わないケースもあるかもしれませんが、FAXが取引のベースになっている事務所は珍しくありませんから、商取引をスムーズにするには準備しておいた方が便利です。

プラズマクラスター機能などの特殊機能については、社員の快適性を図るための特段の事情がない限り、オーバースペックと考えてよいでしょう。
一つのフロアに多くの社員が集う場合を除いては、そこまで重視する必要はありません。

用紙カセットは、導入段階では2つで問題なかったとしても、やがて4つ必要になる場面に遭遇する可能性があります。
よって、A3・B4・A4・B5という4つのカセットをあらかじめ準備しておいた方が、今後の業務に支障をきたしません。

コピー機のリース契約は代理店選びも重要

リース契約は、素人では十分に理解できない部分も多いため、代理店を経由して契約を結ぶのが一般的です。

しかし、代理店ならどこでも希望する契約を結んでくれるわけではなく、自社に合った条件を提案してくれるところを選ばなければ、使い続けているうちに後悔する可能性があります。

代理店によって大きく変わる点を押さえておけば、ハズレを引くリスクを減らせます。
続いては、主な代理店の違いと、それぞれを選ぶ際の注意点をご紹介します。

値段を選ぶか対応を選ぶか

コピー機のリース契約は、事業規模で大きく分けると、大手代理店・中小代理店の2種類から選ぶことになります。
大手は全国規模で支店が設けられており、中小は地域・地方重視型が多い傾向にあります。

大手を選んだ場合の大きなメリットは、本体価格を安く抑えつつも良質なコピー機が手に入る点です。
また、アフターサポートも充実している傾向にあり、リース中の不安要素を減らしたいなら、大手を選んでおけばスムーズでしょう。

これに対して中小を選んだ場合のメリットは、何かあった時にすぐ対応してくれる機敏さです。
大手は組織が大きい分だけ対応が後手に回ることも多く、中小ならではの連絡の取りやすさを活かし、顧客と密な関係を築いている中小代理店は少なくありません。

ただ、総じて見ると担当者との信頼関係に起因する部分も無視できないため、一概に大手だから良い・中小だから良いと決め込むのもまた問題です。
よく話を聞いて、信頼できる担当者と契約を結ぶことが大切です。

選択肢の多さか一点集中型か

代理店には、それぞれのお店で取り扱うラインナップがあり、原則としてそちらから契約を提案してくれます。
中には「自社が指定するリース会社で契約条件を提案して欲しい」とお願いしても請け負ってくれるところもありますが、100%可能なわけではありません。

ユーザーとして気にすべきなのは、柔軟にメーカーを選べるか、それとも一つのメーカーからしか選べないのか、という点です。

メーカーと代理店は必然的に結びつきが強くなる傾向にあり、できるだけ多くのメーカーの機種を扱うか、それとも一本に絞るか、お店それぞれがスタンスを決めています。

たくさんの機種・メーカーの中から選べるのは大きなメリットですが、その分選ぶ時間がかかりますし、もっと良い機種があるのに見逃してしまう可能性もあります。
その点、一つのメーカーの中から選べば、機能性や価格帯をじっくり選べるかもしれません。

特に、価格帯を重視するなら、同じメーカーの中から選んだ方が機種ごとの差を把握しやすくなります。
選択肢は増やすだけでなく、減らすことを覚えておくと、決断が早くなるはずです。

メンテナンスの質か対応のスピードか

大手・中小の違いと少なからず関係しているのですが、代理店がメンテナンス対応を行ってくれる場合があります。
原則として、サービスマンはメーカーサポートとなっていますが、技術を持つ代理店なら自社で対応してくれることもあるのです。

こちらもそれぞれに一長一短があり、メーカーサポートは対応が丁寧・確実である反面、サポート以上のことは行いませんから、企業同士の結びつきという点では弱くなります。

しかし、代理店がメンテナンスを請け負ってくれるなら、サポート対応にバラつきがあっても担当者との人間関係ができやすくなりますから、そこから新しい仕事の話が持ち上がってくるかもしれません。

質にこだわるか、それとも関係性を重視するか、この点も、代理店選びで大切な目線です。

この記事のまとめ

初めてリース契約を結ぶ場合、契約期間の長さと幅広いラインナップを前にして、判断に迷うケースは珍しくありません。
そもそも自社がどのくらいコピー機を使うのか、十分にイメージできない状況下では、どんな機種が望ましいのか分からないことも多いでしょう。

初めてのコピー機選びを成功させる鍵になるのは、自社の「ビジョン」です。
どのくらいの社員で、どういった仕事をするのかイメージできれば、やがて絶対に無視できない機能が見えてきます。

導入に際し、事業主・担当者は社員とよく話し合って、今欲しい機能・将来的に必要になる機能をまとめ、納得のいくものを選びましょう。

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